2017年5月23日火曜日

友達の悩みを質問でときほぐす~焦らない関係づくり②

ママ友ができないと悩む友人Aの相談を受けているうちに自己認知のゆがみが生じていると感じた筆者。どのように友人自身に「ゆがみ」を気付かせるのでしょうか…?
~先週からの続きです~
 
(友人Aとの会話3)

私「そっか、気軽に悩みを話せるママ友が欲しいんだね。そういえば、地元には仲の良い子がいるんだよね?」

A「高校の同級生Bちゃん。今でもメールするし、実家に帰るたびに遊んでる。」

私「いつから仲良くなったか覚えてる?」

A「覚えてない。同じクラスだったから。」

私「同じクラスなら、最初に話した時いつか覚えてる?」

A「名前順で席が近くて。おしゃれな子で、服どこで買うかとか聞いたよ。」

私「すぐ仲良くなったの?悩みとか相談したり?」

A「いや、最初は通学路が同じ中学の子と話してることが多かった。そういえばあの頃も『気の合う友達ができない』って悩んでた。」

私「そうだよね地元が同じ=気が合うってわけではないもんね。健診でも赤ちゃんに可愛い服着せてるお母さん見た?」

A「うん、どこで買ったか聞きたかった。でも地元トークで盛り上がってたから、よう声かけんかったけど。」

私「そっか、Aの高校の時みたいに最初は知り合い同士話しやすいんやろね。」

A「そやね。まずは可愛いベビー服の話でもしてみよかな。でも迷惑かな。。。」

私「Bは迷惑って言ってた?いきなり服の話されて。」

A「いや、むしろ気が合う子って思ってくれたみたい。そこから話す機会が増えて仲良くなったし。」

このように私は『仲の良い友達がつくれた』経験を思い出してもらいました。その後友人Aは健診で服の話をきっかけに何人かのママと話ができ、その一人から児童館の情報を聞いて最近は時々児童館へ行き顔見知りのママ友が数人できたそう。

新しい環境、まして慣れない子育てや仕事が合わされば自己肯定感が下がり、「友達ができない」、「新しい環境になじめない」と認知にゆがみが生じることもありますよね。
だからこそ、対話型ファシリテーションを活用して相手が焦らず人間関係を構築していけるような対話ができるといいですね。それではまた皆様にお目にかかれることを楽しみにしております。


(ムラのミライ 理事 山岡美翔



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2017年5月16日火曜日

友達の悩みを質問でときほぐす~焦らない関係づくり①



ムラのミライ理事をしています山岡です。子育てのせいかこの冬は肩こりがひどく、ようやく暖かくなってきたので冬眠していたジョギング習慣を再開させてみようかなと思っています。

さて春といえば、新しい職場、学校やクラスでの新生活の始まりですね。「新しい環境に慣れなくて・・・」と悩んだり、またそんな相談を受けたことはありませんか?


今回は友人から「ママ友ができない」という悩みを聞いた時のお話をご紹介します。『焦らない関係づくり』のヒントになれば幸いです。




なかなか近所にママ友が出来ないと悩む友人Aからの電話。
彼女は、第一子の誕生を機に地元から遠く離れた街に移り住んでいました。まず、読者のみなさんなら第一声なんて声をかけますか?私は対話型ファシリテーションの基本どおりこう聞きました。


(友人Aとの会話1)

私「その悩み、誰かに話したことある?」

A「うん、助産師さんや新生児訪問に来た保健師さんに話した。」

私「何て話したの?」

A「近所に誰も知り合いがいなくて、気軽に遊べるママ友が欲しいって。悩みがある場合は連絡してっていわれただけで何もしてくれなかった。最近、赤ちゃんが夜泣きもあるし睡眠不足だし、旦那さんともよくケンカになる。」

私「そっか。最近旦那さんとケンカしたのはいつ?」

A「月曜日の朝。また誰とも話さない一週間が続くと思うと途方もない気がしてイライラして八つ当たり。」

私「そっか。朝何時くらい?何をしてた時?」

A「8時くらい、朝ごはんの支度をしながら、カレンダーが目に入って。」

私「カレンダーはどこに?」

A「机の上。」

私「ああ、卓上カレンダーね。ちなみにカレンダーには、いくつくらい予定が書いてあった?」

A「健診と予防接種の予定の2つだけ。あとは真っ白。でも来月なんて何一つ予定がないし、ママ友ができないまま赤ちゃんと二人だと息が詰まりそう。。。」



最初に、私はこの悩みが本当に友人Aが解決したい課題なのかを確認しました。
というのも、Aは社交的な性格ですぐにでも友達ができそうな気がしていたからです。しかし、彼女の話を聞くと新天地での初めての子育てにすっかり自信をなくしているようでした。

私にも同じような経験があり、子育てでくよくよ悩むたびにママ友に助けられているだけに『友達をつくれない』という自己認知のゆがみに気づいて、息抜きができるママ友ができたらいいなと思いこのような会話を始めました。



(友人Aとの会話2)

私「最近ママが集まる場所へ行ったの?」

A「3か月前に健診で、保健センターに行ったよ。」

私「そっか。保健センターの何階?」

A「1階の和室」

私「着いたら誰かいた?」

A「20人くらい並んでた。」

私「だいぶ待ったんじゃない?何か話した?」

A「家近くですかとか、夜何時に寝ますかとか他愛もない話。本当は子育ての悩みを共有したかったけど。地元のママ同士は仲よさそうに話してて、うらやましかった。」



ここでは、Aがどのような行動を起こしたのかを聞くことで、認知のゆがみがいつ起きたのかを知ることができました。そして、友人Aが健診の時に誰にも悩みを話せなかったこと、また地元のママ同士が仲良く見えたことで焦りを感じたことが分かりました。

では、「ママ友ができない」という自己認知のゆがみに気づいてもらうために、みなさんなら彼女の経験からどんなエピソードを思い出してもらいますか?
来週へ続く… 



(ムラのミライ 理事 山岡美翔




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2017年5月9日火曜日

地域づくりの失敗を避けるために ある集落でのインタビューから


地域づくりがうまくいかない原因のひとつは、地域づくり組織が地域の課題を正確に把握していないことに原因があると私は考えます。それは、行政のまちづくり担当職員が、まちづくり組織の人に「この地域の問題はなんですか」と聞いてしまうことから始まります。そこで得られた回答に基づき、地域づくりをすると地域のニーズに合わない処方箋が出されてしまいます。それによって、地域運営組織にとって大変無駄な時間を使ってしまいます。

一例をあげましょう。それは、私が以前、ムラのミライの日本国内での研修に参加し、山間地域にある30世帯ほどの集落に伺った時の話です。

今から数年間、商工会の方が、この村の問題は何ですかと集落の住民に尋ねたそうです。村人はそこで「仕事がなく、若者が街へでていってしまうことです」と答えました。そこで、商工会は地域振興事業として、高麗キジのひなを60羽渡し、それを育てて、食肉を売り、現金収入を稼いだらどうだろうかという提案を住民にしました。1羽は4,000円で売れるというのです。60羽で4,000円なら24万円になります。集落にとっては貴重な現金収入になります。村人は、この話に飛びつきました。

そこで、集落のAさんは、自分で小屋をつくり育て始めましたが、1か月もすると、ひなの2割は窒息して死んでしまいました。温度管理などひなを育てるノウハウがなかったためです。

それでもAさんと集落の方は、頑張ってひなを成鳥まで育て、いよいよ売り時が来ました。そこで、商工会の方にキジの肉を買ってくださいというと、「道の駅」で自分で売ってくださいというのです。Aさんたちは、内心では商工会のほうが買い取ってくれるのではないかと思いましたがそれも言い出せず、仕方なく自分たちで売りました。しかし、そもそもキジの肉について、一般に調理法や料理法が普及していなかったせいもあり、半分も売れませんでした。

そこでAさんたちは売れ残ったキジを自分たちで、食べてしまいました。それから、2度とこの事業を始めようとはしなかったそうです。


さて、この事例で、何が問題だったのでしょうか。それは、商工会はキジ育てれば簡単に現金収入が入ると思い込んでいたということです。しかし現実は、キジのひなを育てるノウハウがなかった、また、キジ肉のマーケティングをしておらず、あまり売れなかったということです。

まちづくりでもこうした事例は、あるのではないでしょうか。対象地域のおかれた現状をよく観察しないで、ほかもそうだからここもそうだろうという思い込みが、真の課題把握の障害となるのです。まちづくりにおいて、一番大切なことは、地域運営組織が自分の問題として地域課題を捉えられるかです。

メタファシリテーションは、資源がない、予算がない、人がいないから○○ができないという住民の想い込みをひっくり返し、コミュニティ単位で生活向上を目指して能動的に起こす独特の方法論で、現場で使われる方法が、事実質問です。ファシリテーションは、住民へのインタビューから始まります。 この時大切なのは、最初に言いましたように、「あなたにとって何が問題ですか」と聞かないことです。仕事がないときに、
それなぜですかと聞かないことです。まず、地域の状況、住民の暮らしについて短い質問で、聞いていくことで、その地域の課題が浮かんできます。住民の本音を引き出さない限り、地域運営組織の課題対応もうまくいかないのです。

コミュニティがもつ経験、知識ならびに地域資源を正しく引き出し、住民自身に課題分析や解決を促す場面において、「メタファシリテーション(対話型ファシリテーション)」が普通になる時代がくるのを願ってやみません。

小森忠良 ムラのミライ 理事/(株)十六総合研究所 主席研究員)





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