2017年1月31日火曜日

弟からの思いもよらない返事


こんにちは!先週に引き続き吉崎です。今回は私と私の弟の何気ない会話の話をしたいと思います。

この間の春に中学校に入学した弟はここ数ヶ月、朝学校に行くのを渋ることがありました。私の母が理由を尋ねても「嫌なものは嫌。」としか返してくれず、母は「友達と何かあったのだろうか…」とか「授業が難しくてついていけてないんじゃないか…」などと心配していました。

そんなある日曜日、私と弟が話していたときです。弟が「あー、明日からまた学校か。行きたくないな~。」と言い始めました。そこで私は「今や!!」と思い「いつから学校に行きたくなくなったの?」と訊きました。すると「そんなんだいぶ前からやし!」との返事。それにもめげず「えー、じゃあ一番初めの定期試験前くらいからとか~?」とあくまで「なぜ」を訊かずに、さりげなーく会話を進めて行きました。

すると「学校の先生が嫌い」というワードが弟の口から出てきました。「ほう、そうか。私も『先生』は嫌いや。」などと思いながら、そこで終わるのではなく、では「なぜ先生が嫌いなのか」ということを更に深く、なぜ?と訊かずに探っていくことにしました。そして、最終的には「週末課題がものすごく多い。多い上に週末が近づいてくると先生は最初に指定した範囲に追加して課題を出してくる。それがすごくストレスになっている。」ということが分かりました。
「先生が嫌い」という話はもちろん、「課題の多さがストレスになっている」という話は私も私の母も初耳だったので、それが学校に行きたくない原因に繋がっていると知りとても驚きました。

先生の出す課題の多さが原因で学校に行きたくないと思っていることに本人自身が気付いていたのかは分かりませんが、その後前までほど学校に行くのを渋らなくなりました。

実はこの弟とのやりとりが、私にとって初めてメタファシリテーションを使って上手く相手から事実を聞きだせた会話でした。普段の日常生活でも応用できると知っていたものの、いざ使うとなると構えてしまっていましたが、今回は相手が自分の弟ということもあって変に意識することもなく軽い気持ちで使うことが出来ました。
これからも何気ない家族との対話などでどんどん使っていけたらいいなと思います。
皆さんもなぜ?とすぐに訊きたい気持ちを抑えて、メタファシリテーションを実践してみたら思いもよらない返事が返ってくるかもしれませんよ♪




(ムラのミライ 関西事務所インターン  吉崎日菜子



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2017年1月24日火曜日

ここにもあった! 大学の授業内でも空中戦


こんにちは。今回は私の大学内でのある授業についてお話させていただきます。


私は農学部に所属しています。「農学部」といっても、多分皆さんが想像するであろう白衣を着て試験管を振ったり、麦わら帽子に作業着で畑を耕している、というわけではありません。私の専攻は「農業経済学」といって、まあ簡単に言うと「経済学」です。しかし「経済学」といっても「ミクロ経済」といった科目だけではなく、日本の農村に焦点をあてた講義や途上国に焦点をあてた講義等もあり、私にとっては大変興味深い分野です。

さて、私が今期受講している授業の中に、実際に農村部に行きそこである課題にむけて活動するというフィールドワーク型の授業があります。私はその授業で高齢化率40%超の地区に入り活動しているのですが、ある時他の学生がその地区の若い農家の方(30代)にお話を伺う機会に立ち会うことがありました。

1時間以上にわたってお話を伺っていたので具体的なやり取りは省略しますが、ここでもメタファシリテーションの禁句ワード「なぜ」や「どうして」が飛び交っていました。
「なぜこの地区で農業をしようとおもったのですか?」
「どうして他の若い方は外に出て行ってしまったのですか?」…


私は二人の対話に口をはさみたい気持ちを抑えて、では私だったらなんと質問するかな…と考えていました。
自分が聞き出したいことにもよりますが、もし上記の最初の質問の内容を知りたいと思うなら、
「いつここで農業をはじめたのですか?」や
「何か他の職業についたことはありますか?」等から聞きだしていけると思います。

二つ目の質問の内容はそもそも答えが出にくいと思います。
実際農家の方も、
「う~ん。なんでかなー…。」と言葉を詰まらしていました。
この質問の代わりに、
「今までに一人暮らしをしたいと思ったことはありましたか?」等と、その人自身がこの地域から離れて生活したことがあるのか、またその理由を聞き出すほうが良いと思います。


えらそうなことを言っていますが、私もまだまだメタファシリテーションを上手く使いこなせておらず、質問しているうちに知りたい内容からどんどん道が外れていったり、相手の返事から次の質問をすっと聞けずにいたりします。
今回の授業のような「どうぞメタファシリテーションをしてください!」とでも言っているようなシチュエーションはめったにありませんが、普段の何気ない生活の中でも少しずつ取り入れていけたらな、と思います。
 
(ムラのミライ 関西事務所インターン  吉崎日菜子



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