2018年3月27日火曜日

メタファシリテーションって、難しいですか?

メタファシリテーションとは」の説明を見てみると、「ファシリテートする側が当事者に対して事実のみを質問していくことによって、当事者が思い込みに囚われることなく自分の状態を正確に捉え、そのことによって自分の経験知から・・・」等々、説明や定義が書いてあります。
これだけ読むと「何か小難しいなぁ~ちょっと大変そう」と思われるかもしれません。でも、とりあえずやってみる、すると・・・というエピソードをご紹介します。

ムラのミライのオフィスでは、職員や理事の他に、インターン生がお仕事しています。NPOの実務にふれたい、メタファシリテーションを学びたい、といった様々な動機を持った方が毎年数名、インターン生としてムラのミライの活動を担ってくれているのです。
インターン生は活動を始めてからできるだけ早い段階でメタファシリテーション講座に参加しますので(インターン生はもちろん無料!)、メタファシリテーションってどういう手法で、どんなふうに使うものなのかという基礎は学んでいます。

ある日のランチタイムのできごとです。
当時インターン生だった大学院生のSさんが、買ってきたおかずをいそいそとパッケージから出していました。(ムラのミライでは、ご飯とお味噌汁はオフィスで用意していますので、おかずだけ持って来るか買って来るかします。)

私:あれ、また唐揚げ?ほんま好きやなー
Sさん:唐揚げ大好きなんですよねー
私:毎日のように食べてるんちゃう?
Sさん:いやーさすがに毎日ってことはないですよ(笑)
私:そーお?じゃあ、「事実質問」してみよっか(笑)?
(*事実質問というのは、メタファシリテーションの基本となる質問方法です)
Sさん:(笑)いいですよ!
私:今日は、ここに来るまでに何か食べましたか?
Sさん:今朝、〇〇と××を食べました。
私:昨日は、朝起きてから、何か食べましたか?
Sさん:寝坊してしまったので、何も食べずに急いで大学に行って・・・あ、研究室で食べようと思って、コンビニに入って・・・唐揚げ買いましたね、そういえば
(その後の食べたものも聞いていきましたが、そのやり取りは、ここでは省略します)
私:一昨日は、朝起きてから、何か食べましたか?
Sさん:一昨日は、朝は自宅で〇〇を食べて、そのあと大学に行って、お昼過ぎに学食で・・・学食で・・・唐揚げ定食・・・(爆笑)
私・他のインターン・職員:(爆笑)

その場にいる全員が「毎日食べてたーーーーー」と言いながらお腹が痛くなるほど爆笑したという、とっても些細ですが楽しい一瞬でした。
Sさんは、ぱっと見た印象は「おしゃれでスマートなお姉さん」ですが、笑うと顔も笑い声も超チャーミングで、周りも笑顔になる人。今もこのエピソードを思い出すたびに、Sさんの笑顔を思い浮かべて楽しくなります。

このやり取りでは、特に課題分析なんて考えず、「事実質問」というメタファシリテーションの基本的なスキルを知っている者の間で、単純に事実を聞く・答えるということをしただけでした。
でも、本人も思いがけない事実が出てきて、それがとっても面白かった。

「〇〇ですよ(と認識しています)」「そうですか」という空中戦のやり取りをせず、事実を本人と一緒に発見していく。単純なことなのですが、それだけで、「えーそうだったのか!」という発見の瞬間が生まれます。発見の喜びが生まれます。

この「発見の喜び」は素朴なんですがとても大きくて、今回のエピソードのように爆笑を生むこともしばしば。ムラのミライの関係者が活動現場やオフィスでよく大笑いしているのは、別にふざけているからというわけではないのです!たぶん・・・

宮下和佳 ムラのミライ専務理事)




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プロジェクト報告会の開場前も、こんな感じで談笑




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2018年3月26日月曜日

本日のムラのミライ(スタッフ日誌 宮下和佳編) 2018年3月12日から3月18日

2018年3月12日(月)
おとなりのテーブルで決算準備コワーキング勉強会をしているのを何となく聞きつつ、ひたすらお休み中のメール返信と、講座への参加申込者のデータ登録。あっという間にランチタイムになり、洋食屋さんへ。ハンバーグ・メンチカツ・エビフライがちょっとずつ食べられるランチセットを食べて満腹です。食べながら、勉強会参加者の坪田さんの所属団体しゃらくの活動についてもお聞きできて、良かった。
昼からは、2件のSkype打ち合わせ。まず香子さんと細々した打ち合わせを2時から。地域おこし協力隊を対象としたメタファシリテーション研修やら、サービスラーニングをテーマとした研究会との協働やら、栃木(宇都宮)での入門セミナー開催やら、今までに種まきしてきた企画が次々と芽吹いてきて、うれしい・・・のですが、一方でスケジュール調整が徐々にキツくなってきてます(汗)。

その後、平野さん・康子さんと医療×メタファシ勉強会の打合せを3時過ぎから。
医療×メタファシ勉強会は参加希望が11名となり、スタッフの参加も含めると、オフィスはぎゅうぎゅうになる見こみ。平野さんにどんなお話を伺おうかという作戦会議の筈が、途中、原・宮下が平野さんの医療×メタファシ実践による発見を色々と聞いて、ほほーーーっと感嘆するという展開に。きっと勉強会当日も盛り上がるでしょう~。3時間で足りるかな・・・

2018年3月13日(火)
香子さんから届いたブログ記事を予約投稿。毎度ながら面白い。今回は、フィールドワークでのインタビュー時にやっちまいがちな、「なんかブツギリになって、話がもひとつ展開しないんですけど」状態のことがテーマです。ほんと、うちのブログ記事、何よりも私にとって勉強になるわ~。

そうこうするうち、きのう平野さんからご指摘のあった「メタファシリテーションとは何か、という定義がどこにも(書籍にもHPにも)掲載されてない(ので学会発表時に引用できなくて困ります)」問題に対して、和田さんから定義テキストが届きました。メタファシリテーション手法を和田さんと一緒に体系化してきた中田さんも絶賛の、的確かつ網羅された定義。これをHPに掲載することにします。

主催講座へのお問い合わせに返信したり、講座に参加された企業の方からのコンサル依頼が松浦さんに来ている件で相談をしたりしているうちに夕方。
5時前に早上がりして、近畿財務局前&大阪府庁前での森友問題に関するアクションに参加しました。学生ぽいオシャレな若者、会社帰りかなという感じの方たち、素敵な着物姿のマダムなど、想像以上に多様な人たちが来ていました。

2018年3月14日(水)
沖縄の名護で実施している研修の四半期報告書を作成。先週からちょっとずつとりまとめてきた支出報告書&レシート類もチェックして、まずはメールで提出。年度末なので、通常の四半期報告よりも1か月以上早く出さないといけないのです。電卓を片手にチェックして、あとはバス代の領収証が届くのを待つばかり。

医療×メタファシリテーション勉強会の参加希望者が10数名となり、スタッフも合わせるとムラのミライオフィスには入りきらない~ということで、急きょ会場探し。西宮市民交流センターの、ちょうどいい大きさのお部屋がいっぱいで、大きすぎるけどホールをお借りすることに。ま、まぁ、大は小を兼ねるということで・・・。

仕事の合間に、オフィスから徒歩3分の西宮税務署に行き、ぶじ確定申告書類を提出。ついでに、ささやかな税務署前アクションもしてきました。麻生さんが「(税務署にも抗議がいってるって言われるけど)全国何百カ所のうちの10数か所でしょ」と発言したのを受けて、「#全国で怒ってますけど何か」というハッシュタグで津々浦々の税務署で意思表示するというもの。私が紙を固定するのにちょっと苦労してたりスマホで写真撮ったりしてるのを、ちょっとニコッとしながらチラ見してる人が何人かいて、何となく楽しくなりました。

夜7時からはオフィスでメタファシリテーション入門セミナー。本日の参加者は4名でした。対話の練習をする中で、ご自身の今までの話し方に気づき、「今度からはこうしようか・・・」と自ら考え始める様子には、いつもちょっとした感動を覚えます。

2018年3月15日(木)
午前中は細々としたメール返信をひとつひとつした後、例の「メタファシリテーションとは」定義をHPに掲載し、平野さんやスタッフにお知らせしました。
午後はお休みして、ちょっとお出かけ・・・の後に、医療×メタファシリテーション勉強会の会場申し込みと、勉強会後の交流会のお店(お好み焼き!)予約に行って、それから再びオフィスへと。理事会です。
年度末この時期の理事会は、今年度の活動報告、決算見込の報告、それから来年度の計画・予算・・・と、もりだくさん。Skype接続がイマイチだったので、チャットで補足しつつ。

2018年3月16日(金)
今日はランチをはさんで、セネガルのプロジェクト地で和田さんが村の人に研修している様子を撮った映像を見る会をしました。これから編集作業をして、最終的には活動現場でメタファシリテーション方式のやり取りをしている様子がわかる短い動画教材としてまとめる予定。なのですが、なにしろフランス語なので私にはさっぱりわからず・・・和田さんに解説して頂きながら、今日は「この部分が使えそう」「今度はこういう素材も撮影してもらおう」という感触がつかめたので、良かったかな。
みなさんが帰った後は、そのセネガルにひとり駐在している綾乃さんから、MSオフィスを再インストールしないといけなくなった(けどプロダクトキーが入らない!)というSOSへの対応。
夕方は、インターン募集情報をいくつかのポータルサイトに掲載。



宮下和佳 ムラのミライ専務理事)


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2018年3月20日火曜日

インタビューのコツ・・・の落とし穴 対話の始まりは、いつから?

2018年2月16日から22日まで、インドの東海岸にある港町、ビシャカパトナム市で、フィールドワーク研修を開催しました。
メタファシリテーションの基本スキルを実地で学ぶ、という趣旨で行い、日本から学生や社会人が併せて5名参加してくれました。
参加条件はただ一つ、事前に日本で2時間の入門セミナーか1日の基礎講座を受けている事。なので、全員が、「メタファシリテーション」という言葉や「事実質問」の基本的なことはすでに承知済みです。
初めて会う人に緊張感を抱かせず、信頼関係を築き始める第一歩として、その人の身に着けているもの等から会話を始める・・という「エントリーポイント」を忠実に実行した参加者たち。

スラムXでは・・
「そのピアス、とてもきれいですね」
「ありがとう」
「どこで買ったのですか?」
「街の中のお店よ」
と会話が始まることもあれば、スラムYでは
「さっき、この家に来る前に、ここから男の子が走っていくのが見えましたが、どなたかのお子さんですか?」
「私の甥っ子よ」
「ここは甥っ子さんの家ですか?」
「私の家よ。彼の父親は出稼ぎで、母親は身体を悪くしているから、私の家で預かっているの」
と会話を始めたこともあった。

そして、例えばスラムXのピアスの続きでは、集まっていた女性たちの配偶者の職業や買い物の範囲などに会話が広がった。スラムYでは、学校、食べ物の話へとつながっていった。




そこまではとてもスムーズにいく。ただ、聞く人それぞれが「エントリーポイント」を実践してしまう。


つまり、Aさんが目の前にある果樹を指さして、「アレは何ですか」と聞いて一通り質問した後、Bさんが「先ほど空の上を飛んでいったもの、あれは何ですか」とAさんの話からぶっつり途切れて聞き始め、そしてCさんは「あなたのサリー、綺麗ね」とまたAさんやBさんの話とはベクトルの違う話を始める。
通訳をしていた私は、敢えて突っ込まずに彼らの質問をそのまま訳していたのだが、集まってくれていたおばちゃんたちも鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして、その内、おばちゃんたちから「そんなことよりあなたの事を教えてよ」と逆質問が始まったりする。

そんなスラム訪問を3回ほど続けたある移動時間、一人の参加者が「(自分たちのインタビューが)なんか変」と言ってきた。

そこで、私の方からその参加者に対して聞いてみた。
「エントリーポイントは何の始まりだっけ?・・相手との対話の始まりだよね。じゃあ今回、5人でおばちゃんたちに会った時、いったいいつが「対話の始まり」になるんだろう?」
「・・・そうか、みんなで会うから一番最初の「これは何ですか」がエントリーポイントで、その後、質問する人が誰に変わろうとも、対話はもう進行中なのですよね」
つまり、一人ひとりにとっては「ここからが私の対話だ、始まりだ」だと思っていても、相手(おばちゃんたち)からしてみれば、「ナマステ」とお互いに挨拶して自己紹介をし、誰かがしゃべりだした時点で対話はスタートしている。
訪問先に到着して、この参加者から他の参加者に「エントリーポイント」含め、どのように質問を続けていくかを投げかけたところ、その後の5人とおばちゃんたちとの対話が劇的に変化した。

それまでは、お互いに「ワタシがまだ聞いている」「あなたはまだ質問の番じゃない」と牽制し合っていた参加者たちだが、まるで大縄跳びを飛び続けるチームのように、流れを邪魔することなく対話が続いていった。

振り返りで、ある参加者が言った。
「今までは、『相手の答えに対して次の質問をする』というポイントについて、自分のことだけを考えていました。しかし、他の参加者のやり取りもしっかり聞くことで、次に何を質問したらいいのかがよりクリアになって、今日の対話がとても面白かった」

フィールドワークは、個人ですることもあれば、チームですることもある。
ましてや、立場が違うメンバーが集まってチームワークを行うこともあるだろう。
一対一のインタビュー、一対複数のインタビュー、そして複数対複数のインタビュー。
どの場合でも、相手から本音を引き出し、現状を知るための原理原則は変わらない、それを自分で見つけ出した参加者たちでした。

前川香子 ムラのミライ海外事業チーフ)



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2018年3月19日月曜日

本日のムラのミライ(スタッフ日誌 宮下和佳編) 2018年3月4日から3月11日

2018年3月4日(日)
今日は終日、メタファシリテーション基礎講座。会場は幡ヶ谷にあるJICA東京で、大きな窓から大木が茂っているのがよく見える、なかなか素敵なセミナールームです。
開始前、お隣のセミナールームの表示を見ると、以前に講座に参加してくださり、このJICA東京を借りられるという情報を教えてくださったYさんが活動されている団体の名前が。「お会いできるかな?」と思っていたら、やはり来られて、お話することができました。とても良い会場を教えてくださったお礼を直接言えて良かった。

今日の講座には、親子3人で参加されている方もいて、最年少受講者=高校2年生!お友達と進路の話をするとき、どんな事実質問をしたらお友達のストーリーが生き生きと出現するか・・・というシミュレーションをしてくれました。こんな風にお友達同士で話をしながら、進路を熟考するのを互いに手伝えたらいいですよね。

2018年3月5日(月)
昨年の終わりごろから何度かスタッフ勉強会にお邪魔している、大田福祉工場へ。工場内のいろんな部署を順々に見学しつつ、様々な利用者の方々にお話を聞かせてもらうことができました。今後の進め方を打ち合わせた後、羽田へ。
強風で欠航の恐れがあるため無料で早い便に振り替え可能となり、予定より早い便で関西に戻ってきました。

2018年3月7日(水)
朝9時半の定時に出勤し、メールの返信などをしているうちに、10時半。福岡のアカツキの方々とSkype打ち合わせの約束をしている時間です。今まで年1回ペースで福岡でメタファシリテーション基礎講座・入門セミナーを実施してきましたが、そこからステップアップして、福岡+周辺でメタファシリテーションを実践していくコミュニティをつくっていくため、どんな講座の組み立てをしましょうか・・・という話。
「(メタファシリテーション技術の定着度合を自身で確認できる)スモール・ステップを提示するといいのでは?」とか、「あえて分野を絞り込まずに基礎講座をおこなう場合、参加者は、自分とは違う分野の事例を聞きながら、ある意味遠回りして考えることになる。でも、その”時間がかかる”という経験は意味がある(状況分析・課題解決といったプロセスは時間がかかるものであることの体験)」とか、とても示唆に富む指摘・提案をして頂けて、何かトクした感のある打ち合わせでした。

Skype打ち合わせ終わりごろに、先週末にイラン出張から戻ってきた中田さんがオフィスへ。「これ契約書。読んでおいて!」と渡された書類を見て、笑ってしまっている十紀恵さん。なに笑ってるんだろう・・・と思ってのぞきこんだら、中身はぜんぶペルシャ語。「どっちが上かもわかりません(笑)」たしかに・・・
2018年3月8日(木)から11日(日)
木曜から日曜まで4連休。前半は和歌山のきのくに子どもの村学園の見学会に行って感激したし、確定申告用の書類もできあがったし、住んでいるマンションの集会室の利用方法についても問い合わせて使えそうとわかったし(ヨガクラスとかしようかな~と目論み中)・・・とまあまあ生産的(?)に過ごし、後半は森友学園の口利き&公文書改ざん事件に呆れ果てつつダラダラと過ごしました~。「シークレット・マン」というウォーターゲート事件の内部告発者(FBI副長官!)を描いた、タイムリーすぎる映画も見てきました。


宮下和佳 ムラのミライ専務理事)


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2018年3月13日火曜日

セネガルで絶賛勉強中!初めてのメタファシリテーション~~ちょっと聞いてみました① セネガルの雨季~


こんにちは。
菊地です。今回もセネガルよりお届けします。

早速ですが、セネガルには、雨季と乾季の二つの季節があります。

「雨季」は短く、おおよそ7月~9月の3か月間で、それ以外の季節は「乾季」と呼ばれます。
その短い雨季の雨は天からの恵みで、セネガルの農業プロジェクトに参加している農家さんたちも、雨季にはここぞとばかりに農作業に励みます。

さて、そんな雨季ですが、少々困ったこともあります。

ムラのミライが事務所として使わせてもらっている、セネガルのNGOの事務所が、雨季の雨ではかなりの確率で浸水するのです。


雨で氾濫した事務所の外の道路



これは2017年の雨季の時期に遭遇した浸水。1階部分まで浸水したのは少なくとも2回、外の玄関の階段まで水浸しになったことが、4回ほどありました。

観察すると、雨が降ると30分くらいの間にものすごい早さで道路が水浸しになり、雨水が容赦なく事務所前の階段をくだり、また階段を上がって1階部分に浸水してきます。



タオルを使って浸水を食い止めようとする門番

こうなると大変、玄関の扉をタオルなどで塞ごうとしても水の圧力に勝つことが出来ません。外に出るのにもズボンやスカートの裾をまくし上げて膝上まで水に漬かりながら出口へ向かうしかありません。

しかしながら、雨が止むと一気に水がはけるのも事実です。

大変なのは後のお掃除。掃除部さん3人ほどで泥と水を掻き出し、床を元通りにきれいにしなければなりません。
水が引いた後に掃除する掃除婦さん


私にとってはこの一連の出来事はショックで、成すすべはないものなのかと考えておりました。

今回は、そんなメタファシリテーション初心者の私が、見よう見まねにメタファシリテーションもどきを試みた会話を少しご紹介してみます。

私「この建物はいつからここにあるのですか?」

同僚「2005年から。その前は少し離れたところに事務所を借りていたけれど、ベルギーとのパートナーシップで自分たちの建物が持てたので、2005年4月5日、たしか金曜日に引っ越したんだ。ちなみに僕は2002年から働いているから、前の場所も知っているよ。」

私「2005年にはこの辺りには何がありましたか?」
同僚「この辺りは砂地で、周りには2,3軒くらいしか建物はなかったと思うよ。何キロか離れたスタジアムまで見えたんだ。」

私「今はそのスタジアムが見えますか?」
同僚「今は見えなくなったね。建物が増えたから。なにしろ、シテ(集合住宅地区)が隣にできて、高い建物が増えたからね。」

シテの外壁の並び。同じような住宅が並ぶ。

私「このシテはいつできたのですか?」
同僚「たしか2007年から建設が始まったよ。ここはシテ・ドゥ・ゴルフと言うんだけれど、住宅街ができる前はお金持ちの○○さんという人がゴルフ場をもっていたんだ。それを区画して住宅街として売ったんだよ。」

私「住宅街としての建設は2007年に始まったのですね。」
同僚「そうそう、それで風景がずいぶん変わったよ。周りに何もなかった時には夜は真っ暗だったんだけど、今は夜も明るくなったね。」

私「今のようなアスファルトの道路はありましたか?」
同僚「なかったね。それが出来たのはつい最近だよ。2016年だったかな」

私「今日、建物の中に雨水が入ってきて、これが初めてではないと聞きました。2005年の頃には建物に浸水したことはありましたか?
同僚「その頃はないね。道に水たまりはできるけれど、すぐに引いたよ。」

私「一番始めに建物内に浸水したのはいつでしたか?」
同僚「うーん、確か2010年だったかな。雨水はシテの出口から道路に流れ出てくるんだ。シテの反対側の方が、標高が少し高くて、そこから雨水が溜まって、私たちがいる反対側の事務所のほうに出てくるんだよ。」

私「なるほど。最初に浸水した時はどうしましたか。」
同僚「まあ、掃除をしたよね。でもそんなに大変じゃなかったよ。その年はもう1回くらい浸水したかもしれないけれど、そんなに大変ではなかったんだ。」

私「その翌年はどうでしたか?」
同僚「その翌年はなかったかな。あ、でも2013年の雨はすごかったな。量が多かったよ。」

私「なるほど。では、最近こういうことがあったのはいつでしたか?」
同僚「2年前だったと思う。その時は、他の同僚が、雨水がたまっているとは知らずに、普段通りに玄関を出て行ったら、そこで水に漬かってしまって大変そうだったよ。」

私「その時は何かしましたか?」
同僚「門番が、入り口部分を少し高くするためにセメントを盛っていたよ。」

セメントで少し高くした入り口部分

私「その後に雨水が入ってきたことはありますか?」
同僚「少しは和らげられたけれど、その後も雨が入ってきたよ。」

私「その後は何か対策をしましたか?」
同僚「特にしていないよね。」

私「なるほど。」
同僚「浸水の話で思い出したけれど、ゴナスっていう地域知ってる?僕が以前住んでいたところなんだ。そこには大きな池が二つあるんだけれど、僕がすんでいた時にはそこは住宅地だったんだよ。」

私「えっ?・・・いつから池になったんですか?」
同僚「あれは1989年だね。雨がずっと降り続いた時期があってね。」


セネガルの池(写真はイメージ)

私「どのくらいの期間降っていたんですか?いつ降り始めたか覚えていますか?」
同僚「あれはその年の9月だよ。1回に降る時間は短かったけれど、断続的にずっと降っていたよ。1か月は降り続いたね。」

私「その後どうなったんですか?」
同僚「始めのころは、石を積み上げてそのうえで調理をしたりしていたんだけど、1か月後には家が1メートルくらい浸水して住めなくなってね。新学期が始まる10月の始め頃には家を出て、新しい家が見つかるまで近くの学校の空き教室を借りて住んでいたよ。」

私「そんなことがあったんですね。そこに住んでいた人は何世帯くらい引っ越したんですか?」
同僚「それは役所に聞かないと分からないな。」

私「たしかに・・・」

―もう少し聞きたかったのですが、今回は以上。

私の拙い、と言いますか、メタファシリテーションとも言えないような聞き取り調査でしたが、ここで気づいたことはありました。

それは、事務所の浸水は、外部者の私にとっては一大事だったのですが、同僚にとってはそれほど大事でもなさそう、ということでした。

本当に大変な事態だったら、ゴナスの池の時のように、「引っ越す」という選択肢もあり得るということです。

それなのに、出入り口を少し高くしただけで、雨水が入ってくるのに任せているあたり、そこまで一大事でもないのでしょう(お掃除する人は大変そうですが!)。

それを何のかんのと、私が口出しする話でもないのだなと、私が気づいたのでした。

メタファシリテーションでは、相手が自分の事実に気づく作業を手伝うものなのですが、私が気づいてしまうあたり、まったく以ってまだまだだなぁと、改めて思う私なのでした。

私のメタファシリテーション練習はまだまだ続く。

菊地綾乃 ムラのミライ海外事業コーディネーター/セネガル事務所)


★プロジェクトについて
プロジェクト名:地域資源の循環による農村コミュニティ生計向上プロジェクト~農村青年層のための「ファーマーズ・スクール」
JICA草の根技術協力事業(パートナー型)


★セネガルの農家を応援してください!募金キャンペーン実施中
http://muranomirai.org/2017bokin









2018年3月6日火曜日

本日のムラのミライ(スタッフ日誌 宮下和佳編) 2018年2月26日から3月4日

メタファシリテーションブログの隠れコンテンツ的に、手法とは関係してたりしてなかったりする、スタッフの日誌を連載してみることにしました。(いつまで続くやら・・・)

2018年2月26日(月)
今度の日曜に東京で開催するメタファシリテーション基礎講座、12人目のお申込みメールが来ていたので、登録&返信。これで満席!キャンセルがないといいのですが・・・これから当日までにキャンセル待ちの申し込みもあるかもしれないので「キャンセルの場合はお手数ですがご連絡ください」の一文を添えて、参加申し込みの方々へリマインドメールの送信予約。

決算をスムースに進めるために、アドバイザーを招いての一日コワーキング勉強会(ほかのNPOの方々といっしょに決算準備を学ぶ会)を美翔さんが企画してくれて、3月12日に開催することに。こういう風に、作業も学びも小さな範囲であってもシェアするのは、なかなかいいかも。昨日のお休みはトランジション西宮味噌づくりワークショップに参加したのだけど、お味噌とかお節料理とか、核家族でやるのは結構たいへん。何軒かで一緒にやれると、すごくラクだし楽しい(ダブル「楽」!)。お節料理、いつも実家と我が家の2軒分を母と私とでつくっているけど、そろそろちょっとしんどくなってきたから、ご近所と集まってやれる方式に変えようかな~と思ったり。NPOとか職場の作業も、同じ発想で共有・シェアできることは多々あるような気がします。これから意識して探してみよう。

2018年2月27日(火)
セネガル駐在の綾乃さんからブログ原稿が届いていたので、さっそくアップ。記事を2本送ってくださったので、それだけでホクホク。綾乃さんがセネガルのカウンターパート事務所の浸水について事実質問してみた記事が面白い!
その後、次の活動報告ニュースレターの原稿が最後の一人になっているので、さすがに書かねば・・・と、構成をやっと最終化して、書き始める。終わらないうちにお昼休みに・・・トホホ。
お昼からは事務所+Skypeでスタッフミーティングを1時間少々。香子さんが安室奈美恵ラストライヴのチケットを当てたとのことで、その日程をはずして総会を開催することが決まりました(笑)重要、重要。
その後は講座申し込みへの返信や、医療×メタファシリテーション勉強会の日程調整など。
夕方5時(セネガルは朝8時)から、セネガルの綾乃さんと、日本の香子さん・十紀恵さんとSkype会議。セネガル案件まわりの来年度のスケジュールなどを打ち合わせ。遠く離れているので、声を聞くだけでも安心しますね。

2018年2月28日(水)
午前中、ニュースレターの原稿続き。昨日の構成だと与えられた分量の3倍くらいになってしまうので、分けて書くことに。編集長=事務局長の十紀恵さんに連載(笑)の許可を頂いて、構成し直し。だいぶ迷ったけど、今回は「いきあたりばったりで変化してきた私たち」という部分をメインに書くことにしました。
途中、医療×メタファシリテーション勉強会の開催日時調整。3月21日の祝日になりました。青森でメタファシリテーションを実践&普及してくださっている平野さんをお招きして、経験共有して頂きます。当日は看護師や柔道整復師としてメタファシリテーションを使っている方たちにも参加して頂けそうなので、かなり濃いやり取りになるのかも!楽しみです~。
お昼からは、次の日曜に東京で開催する基礎講座用の資料や販売書籍をパッキングして、明日発送できるように準備。どうしてもランチ後はちょっとぼーっとするので(見た目はいつもぼーっとしていますが)、カラダを動かすお仕事がいいです。こんどの講座は定員12名が満員御礼。でも満員だからといって本がたくさん売れるとは限らないのです、これが。思いがけずたくさん売れた時の素朴な喜びはけっこう大きくて、自分でも笑ってしまいます。
今日は3時半にお仕事を終わって、いつものヘアサロンへ。阪神西宮駅近くのtetenorさん。久々に、お猿さんぐらいのベリーショートにしてみました。

2018年3月1日(木)
ニュースレターの原稿をいちおう終了。
日時が決まった医療×メタファシリテーション勉強会の案内を送り、年末に行った講師派遣の請求書を郵送し、主催講座の参加申し込みに返信・名簿登録し・・・と、こまごました作業をひとつひとつ。
月曜からこっち、顔の左半分に炎症=左目に腫れ、鼻・唇に吹き出物が出ているので調べたら、マクロビ的には極陰になっていると、左側にそういう症状が出ると書いてる人が何名か。そういえば最近、ほぼ毎日のように甘いものを食べてたし、コーヒー(私の場合は必ず牛乳入り)も毎日2杯以上飲んでたかも・・・冷えたかなあ。春のデトックスシーズンでもあるし、しばらくは砂糖・カフェイン・乳製品は控えめにするか。と思った瞬間、コーヒーが飲みたくなる(笑)一日1杯まではいいことにしようか・・・と思ったりしたけど、今日は飲まずに終わりました。よしよし。

2018年3月2日(金)
医療×メタファシリテーション勉強会の案内を出した看護師さん・柔道整復師さん・お医者さんたちから続々と参加希望の返信が来ているので、それぞれ返信。内容に関するご相談メールを平野さんに送ったり、講師依頼書を作成&郵送したり。勉強会当日、講師・参加者一同で夜ご飯に行こう、どこに行こうか・・・という相談をランチタイムに十紀恵さんと話し、韓国料理かスペイン料理という案が。あれっ講師は辛いのがダメなんではなかったかな・・・確認しないと、とか。
お昼からは、バングラデシュのチッタゴンからの視察旅行をアレンジしている旅行会社の方が来訪。最後の方はぶっちゃけトークになり、なかなか面白かったです。

宮下和佳 ムラのミライ専務理事)


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