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2022年5月30日月曜日

年齢差も克服?!相手にとって答えやすい質問をする

このような事、思ったことありませんか?
「1on1面談で、部下と何を話したら良いか分からない」

まずは、普段の会話から部下(同僚)が答えやすい質問を心がけることが大事です。
「でも、歳が離れた部下に何の話をすれば良いかわからないです」

大丈夫です。
メタファシリテーションは聞く技術なので、質問するだけ。

今回は「アイスブレイク」としてのメタファシリテーションの実例を紹介します。

私は、大学で非常勤講師としてメタファシリテーションを教えています。
かく言う私も、歳が倍近く離れた学生に何を話したら良いのだろうと思うことはあります。

このような場面で心がけていることは、
相手が答えやすい事実質問をすること」です。

ある日、私の講義を受講しているミカさん(仮名)が2週連続で同じブランドで、別のバッグを持っていたので質問をしてみました。

松浦:そのブランドのバッグ、いくつ持っているの?

ミカさん:3個持っています。そういえば先週も同じブランドのバッグでしたね!

松浦:そうだったよね!今持っているバッグは、どこで買ったの?

ミカさん:地元の古着屋で見つけて一目惚れして買っちゃいました! 5,000円でかなり安く買えたんです。

その後、3つ目のカバンは旅行先の福岡で買ったことも教えてくれました。

翌週の講義にミカさんは福岡で買ったカバンをわざわざ持ってきてくれ、旅行の話をしてくれました。

今では、授業で積極的に発言をしてくれ、授業後も就職の悩みを話してくれるなど、バッグを起点にした事実質問がアイスブレイクとなったことは言うまでもありません。

逆に、答えにくい質問とはどういった質問なのでしょうか。

「そのブランド好きなの?」

「3つのうち、どのバッグをよく使うの?」

「そのブランド、流行っているの?」

答えにくい質問とは、回答方法が何通りもあり、どのように答えれば良いのか相手に考えさせてしまい、気を使わせてしまう質問でもあります。

最後に、今回紹介した事例のポイントをまとめると、
  • 数個の事実質問を重ねるだけで話が広がること
  • 事実質問が相手にとって答えやすく、忖度せずに返答できる質問である

です。

まずは普段の会話から事実質問を意識し実践してみることをオススメします。


松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー) 

 

 


 

関連講座
職場の問題を解決するためのコミュニケーション講座

2022年2月9日水曜日

脱・指示待ち! 今から実践できる1つのポイント

 皆さん、このような事を言ったり言われたりしたことありませんか?

「誰かに指示される前に動いてもらえると助かるな」
「この作業、何度もやってると思うけど、もうちょっと効率的に工夫できない?」
「言われたことはするだけじゃだめだよ。もうちょっと自分で考えて仕事して!」

まず、
伝えると、伝わる、は別である
ということ。

特に、「効率的に工夫」や「自分で考えて仕事して」など、曖昧な表現は相手との認識のズレを生むことに。
こういったズレをなくし、相手に伝わる対話方法が必要です。

では、どのように主体性が生まれる問いに置き換えればよいのでしょうか。
大事なポイントは、「アドバイスをしない」ということ。
アドバイスをすることで、相手はアドバイス(指示)待ちになってしまい、
結果自分で考えるという思考を止めてしまうのです。

自分で考えろ!と私も言われた経験がありました。
その時思ったことは、
「自分で考えろ!」
と言っている割に考えてやったことを聞いてくれず、引き続き指示をしてくる。
この人のやりたいようにやれば良いのか、と思うようになり、
上司への信頼も失っていました。

「〇〇したらよかったのに」
「なぜ〇〇しなかったの?」
「〇〇した方が絶対良いと思うよ」

こういった問いかけも、アドバイスに含まれます。

まずは、このような問いかけをしないことを意識!
すると、対話相手の意外な変化が生まれるかもしれないですよ。

松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー) 

 

 

関連講座
職場の問題を解決するためのコミュニケーション講座
「部下に主体的に考え、動いて欲しい!」 そんなあなたへのメタファシリテーション

2022年1月19日水曜日

脱・「最近どう?」 1on1ミーティングのヒント

職場で管理職になると、部下(チーム)を統率するのも大事な役割になります。
面談などで部下と話す機会はあるものの、

  • 何を話したら良いかわからない
  • 面談では「最近どう?」「何か問題はない?」などの当たり障りのない会話になってしまう
  • 相手のホンネがよくわからない

このように思ったことはないでしょうか。
解決方法の1つは、過去について聞くことです。

どうしても話を聞こうとすると今の考えや気持ちを聞いてしまいがち。
答える側は過去の出来事を全て覚えているわけではないので、今の気持ちや考え、出来事も含めて覚えている範囲でしか答えられないのです。

以下、私と大学生のインターン、Tさんとの間にあった会話を紹介させてもらいます。
Tさんとは、業務の進捗状況を共有してもらうために月1のミーティングを設けていました。
簡単に言うと、「最近どう?」を聞く場です。

私 前回のミーティングっていつだっけ?
T 先月の30日でした。その時の議事録はその日にメールで送らせてもらったと思います。
私 見ました、ありがとう! 他にお願いしていた寄付者の統計も昨日確認したよ。その作業はいつから始めたの?
T 実は、3日前です。先月のミーティングの後に始めようとしたんですが、何から手をつけたら良いかわからなくて・・・
私 そうだったんだね!何から始めたか覚えてる?
T まず、googleで「統計・エクセル」で調べて、でてきたyoutubeをみました。それを見て作業を始めたんですが、図にまとめるときにどのようなグラフ(円・棒・折線)が良いかわからなくて。

その後も話を聞くと、エクセルの使い方ではなく統計のまとめ方がわからないと言うことがわかりました。
もし、「この一ヶ月どう?」「前回伝えた作業はやれた?」など、ざっくりした質問をした場合、こういったTさんの課題は認識できたでしょうか。

考えさせるな思い出させろ

何を話したら良いかわからない時は、過去を聞くことを徹底してみると、思いがけない話が聞けるかもしれないですよ。

松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー) 



関連講座
職場の問題を解決するためのコミュニケーション講座
「もう部下との会話に困らない、1on1面談で相手のホンネを聴く技術」

2021年11月11日木曜日

「気づかせてやろう」と前のめりにならず、相手の話を聞く

自分が対話相手に勧めたいことを、質問の形で気づかせようとしてしまう。
これは、メタファシリテーションを学び実践し始めた方によくある、つまずきポイントです。

実は私もメタファシリテーションを学び始めた当初は、同じような失敗を繰り返していました。
「この人はわかってないから、事実質問を使って気づかせてやろう!」
こういった意図で事実質問をしても、うまくいった事はありませんでした。

メタファシリテーションは「相手の話を聞く技術」です。

1人では言語化できなかった出来事の1つ1つの過程を、事実質問により思い出させることができ、また聞き手も相手の事実を知ることができます。
この過程があってこそ、対話相手が課題に気づき、解決に向けて動き出すのです。

では、これに関する事例を紹介させてもらいます。


シチュエーション:ある製造業の人事部の部長と部下のAさんとの会話。

対話事例1

部長:明日の1 on 1面談会議の資料は作った?
Aさん:今作成中ですが、見ていただけますか?
部長:(資料をチェックし、追加して欲しい内容がある。直接指示するより、事実質問で気づかせてみよう・・・)過去の面談実績について、資料に入れるよう誰かに指示されたことある?
Aさん:いや、されたことはないです。
部長:じゃあ面談方法の補足資料を入れるように誰かに指示されたことある?
Aさん:いや、それもないです・・・・両方追加しておきます!

→部長の質問は事実質問であるものの、話を聞く質問ではなく、Aさんは「指示された」と感じているかも。

対話事例 2

部長:明日の1 on 1面談についての会議の資料は作った?
Aさん:今作成中ですが、見ていただけますか?
部長:(資料を見る)・・・いつから作成し始めたの?
Aさん:昨日夕方、課長に指示をされた後に作成し始め、明日までに仕上げる予定で した。
部長:要点がまとまっていて、とても見やすい構成だね!資料作成にあたり、テンプレートを何か使ったのであれば教えてもらえる?
Aさん:はい、異動前にいた営業部で使用していたテンプレートを使いました。
部長:今度他のみんなにも共有しといて。ちなみに、人事部で使用しているテンプレートがあるのは知っている?
Aさん:はい、課長から4つほど共有していただきました。
部長:4つもある事、知らなかった(笑) 4つの違いは課長から説明はされたの?
Aさん:社外用と社内用の会議資料用テンプレートです。
部長:そういうことね!社内用のは使ったことある?
Aさん:はい、今月の月例会議の際に使いましたが、その時は先月にBさんが作成した月例会議資料を元に作成しました。
部長:じゃあ、今回の1on1面談会議の以前の資料は読んだ事はある?
Aさん:まだなかったので、同期のZ君に見せてもらうようメールをしたところです。それを見て資料を仕上げるので、またチェックしてください!

→ 資料を作成する過程を思い出す質問をすることで、Aさんの事をより知ることができた。また、余計なアドバイスをしなくても済んだ。


繰り返しになりますが、メタファシリテーションは聞く技術です。
実践練習をする際、まずは事例2のように相手の話を聞く事実質問を心がける事をオススメします。

松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー) 


関連講座

「新卒が1年で辞める理由がわからない…」 悩める人事部のためのメタファシリテーション

 


2021年9月24日金曜日

「聞く」ことは、職場の人間関係を良くする方法

製造業で働く浅井さん(仮名)は、3年ほど前に講座を受講されて以来、メタファシリテーションを使い職場で良好な人間関係の構築に取り組んでおり、その成果やインパクトについて定期的に進捗報告をしてくれています。

「納期に追われ、みんなが病んでいき、職場に活気もなくやばいんです!」

浅井さんが講座を受講時に話してくれた職場の問題です。

 

具体的には、

      トップダウンの社風が根強い

     職場改善をしようと集まって意見を出し合うものの、その場しのぎの意見ばかりで、会議が終わったあとのアクションに繋がらない

     部下を思って提案をするものの、響いてないみたい

 

課長である浅井さんは上司とのやりとりにも苦労しつつ、部下とのやりとりにも悩んでいました。
浅井さんいわく、部下には仕事の指示は明確に伝え、ミスした時は「なぜミスをしたのか」をしっかり問いただすことで同じミスをしないように指導してきたと。
部下と良好な関係を作るために、雑談をしようとするも、あたりさわりのない会話で終わり、本音で話してくれているのかわからないともおっしゃっていました。

 

では受講前と受講後で、浅井さんの質問がどのように変わったのでしょうか。

 

シチュエーション:昨日納期であったが、まだ納品していない部下の渡辺さんとの会話

Before

浅井:まだ納品してなかったの?

渡辺:はい、すみません。

浅井:なんで遅れたの?

渡辺:B社とのプロジェクトに関する業務で忙しく、納品先のA社は比較的納期に寛容なので後回しにしています。

浅井:なんで後回しにするの?納期守るのは当たり前でしょ!?A社も大事な取引先だから、先方が大丈夫っていっても約束は守らなきゃだめだよ!

渡辺:はい、気をつけます・・・・

 

After

浅井:昨日の作業は朝から何してた?

渡辺:8時に出社後、B社との打ち合わせのあとに、見積書作成などしていたら15時くらいになってしまって。16時納期指定のA社に納品するパーツのチェックをしていたところ、破損箇所が見つかって。

浅井:その後どうしたの?

渡辺:A社の担当者の松田さんに電話して事情を説明したところ、ちょうど在庫を保管する場所がないから、来週月曜日納品でも良いと言われました。

浅井:そうか、それならよかった。最近オンラインでの打ち合わせが増えたけど、松田さんに最後に会ったのっていつ?

渡辺:先月末の31日です。実は、松田さんとはオンラインでの打ち合わせは行っていないんです。回数は減らしても、会って話したいと。会って話すと雑談することもできて、先日会った時に、こんな話もしていたんです。」

 

浅井さんは失敗を重ねながらこのようなやりとりを続け、少しずつコツをつかんでいったようです。
結果、部下から話に来てくれたり、仕事の提案をしてくれることも増えたようです。
関係性が良くなるだけではなく、それによってお互いモヤモヤしとした気持ちを抱えず仕事が効率的にできてきたとおっしゃっていました。

浅井さんが自らのコミュニケーション方法を見直し、気づいたことを教えてくれました。

「今までは相手の話を聞いているようで、聞いてなかった。相手の状況を聞くことが、”言い訳”だとおもっていたけど、実は違った。事実を聞くことで、自分が知らないこともたくさんあったし、相手が課題整理できるのだと気づいた。」 

 

松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー)

 

 

海外の活動地での筆者

 

2021年9月13日月曜日

国を問わず、業種も問わず

2011年12月、海外研修で初めてムラのミライのインドでの事業地を訪れた時の話。
まずは座学にてメタファシリテーション(以下メタファシ)の手法を学び、3つくらいの村に
て事実質問の練習をすることで体感することができた。
それと同時に、シンプルな事実質問で構成する対話手法は理解できたものの、簡単に習得できるスキルではないことも実感した。(村人に事実質問をする際、どんだけ振り絞っても質問が2個くらいしかでてこなかった・・・・・)

研修も終わりに差し掛かった時、当時働いていた企業でも、村でおこっていることと類似し
たコミュニケーションの問題があることに気づいた。そして、この手法は国際協力のみなら
ず企業でも使える手法だ!と思ったことを覚えている。

インド研修の最後に集合写真をパチリ

それから実践練習と勉強を重ね、2015年にメタファシリテーション体験セミナーにて講師デビュー。
その当時、参加者の8割程度はNPOなどのソーシャルセクターの人であった。
だんだんと参加者層も変わっていき、企業で勤める人の割合も高くなってきた。業種や国
などが違っても、多くの人がコミュニケーション、対人関係の問題を抱えていることがわか
った。

ある時、講座に参加していただいた某企業の人事部で働くAさんが職場の悩みを話してく
れた。
「離職する社員が多くて・・・・ 社員の悩みや職場での問題をヒアリングするのですが何
が問題なのかわからないんです」

詳しく話を聞くと、次のような事実を知ることができた
●人事部の役割の1つ:社員の問題を把握し解決する。そして離職率を下げる
●新入社員には、入社3ヶ月後に面談をおこなっており、何か問題がないか?困った
ことはないか?などの質問をしている
●面談の目的は、上記の「離職率を下げる」為に新入社員の抱える問題を早めに察知
し解決に導くこと
●ヒアリング内容は人事評価に影響しないことは社員に伝えてある

まさにメタファシが使えるシチュエーション!と思い、このような具体的な相談によって、企業のどのような場面で使えるのかが見えてきた。

その後もAさんのような相談が増え、それにフィードバックを続けることで小さいな成功
事例もでてくるようになってきた。
その1つに、職場で部下との関係に悩んでいたが改善することができたというBさんがこ
のように話してくれた。
「今まで相手の話をきいているようで、自分の考えを押し付けたり、相手の話を何も聞いて
なかったことに気づきました」
課題の当事者に解決方法を気づかせる対話手法であるメタファシだが、まずは相手の話をし
っかりと聞くことが大事である。

10年前、メタファシは企業でも使える!というざっくりした思いから始まり、企業(主には
人事関係)での課題を把握し、現場でメタファシが有効であると証明される成功事例もうま
れた。
国際協力の現場で生まれたこの手法は、国内でも福祉、子育て、医療など様々な現場で有効
的に使われるようになり、今後企業でも広まっていくだろう。

松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー)

2021年3月8日月曜日

獣害対策地域リーダーの役割って?モヤモヤを事実質問で整理

ある日の某NPOオフィス。スタッフのAさんは、インターンのBさんから相談を受けていました。
Bさんは今度、ある自治体に「獣害対策地域リーダー」として赴任する予定です。先日、配属先の役場に研修に行ってきたのですが、どうもそれ以来、自分がこれから果たすべき役割についてモヤモヤし始めているので、話を聞いてほしいということでした。

【Aさんの心の声:「リーダーの役割について、部署内の共通認識がないのでは?検証してみよう】
A:(役場の中で)最初に「リーダーが必要で、こういう仕事をしてもらいたい」と話してくれたのは誰?
B:主任です。住民と町の橋渡しをしてほしいと言われました。
A:他に同じことを言われた人はいる?
B:はい。係長です。説明会の時に言われました。あまりにきれいなことを言われたので、どこかの言葉をそのまま言っているのかな?って思いました。
A:そうか~。他にも同じことを言っている人っていた?
B:聞いたのはその二人です。課長には言われませんでした。
A:なるほど、その二人から他に聞いた話はある?
B:はい。主任が「去年は雪が少なくてイノシシの被害が多かったけど、今年は雪が多いから、イノシシの数が減って被害も減ってくれるといい」と言っていました。その時、「イノシシの被害が減ったら、私の仕事なくなっちゃうのかな?」って思いました。
A:なるほど。

【Aさんの心の声:どうやら、モヤモヤの原因は部署の共通認識以前にもあるかも。よし、では方向転換して・・・】
A:主任からイノシシの被害をどうやって把握しているか、 聞いたことある?
B:はい。猟友会の人が巡回していて、住民の人から聞いたり、巡回中に見つけたら報告してもらっていると言っていました。
A:住民から直接役場に報告する仕組みがあるか聞いた?
B:聞いてないですが、見せてもらった報告は猟友会からだけでした。
【Aさんの心の声:あれ、もしかして役場は被害状況を把握できていないのでは?】
A:サルの被害もあるんだっけ?
B:はい。サルの被害は一部の人が騒いでいるだけだと言っていました。
A:主任はその人と直接話をしたか聞いた?
B:してないと言っていました。役場にも直接話が来たわけではなく、知り合いを介して「こういう情報がある」って伝わってきただけです。
A:そうか~。
B:はい。その知り合いの人が「電気柵を張ったらいいよ」とアドバイスしたら、その人が「そういうことじゃない、一度見に来て話を聞いてほしい」と言っていた・・・と言っていたそうです。
A:で、その後、役場は話を聞きに行ったかどうか聞いた?
B:行ったとは聞いていないです。
A:そうか~。サルの被害はその人だけなのかな?
B:町内全体にサルは出没していて、猟友会が巡回してると言っていました。
A:なるほど。猟友会の人が巡回始めたのって、いつからだっけ?
B:去年の8月からです。
A:そっか~、去年からか~。
B:はい・・・。
A:その前はどうやって、把握していたんだろうね?
B:わからないです・・・。おととしはほとんど被害がなかったといっていました。
A:うん。おととしはほとんど被害なかったのね・・・。
B:はい・・・。
A:(沈黙)
B:(少ししてから)・・・何も把握していないってことなんですね!把握していないから、リーダーの役割もイメージできていないんですね。
研修では事務仕事しかしていないから、被害がなかったら事務員みたいになるんじゃないかと、心配でした。私いらないんじゃないかな?って思っていたんです。
私が入ったら、まず最初に、町に被害情報が上がってくる仕組みを作ろうと思います!
モヤモヤが晴れました!

具体的な被害状況が把握できていない、ということを一つひとつ確認し、Bさんがそれを咀嚼するのを待ったAさん。その結果、Bさんは、まず被害状況を把握する、という大事な仕事の第一歩を自ら発見することができました。
そこに自分自身の役割を見出すことができて、モチベーションが上がったBさん。これからの活動が楽しみです。

(宮下和佳 ムラのミライ 専務理事

 

写真はインドのおサルさん
(本文とは無関係です)


 

2019年2月12日火曜日

抽象論にさようなら ワイワイ話せる会議をつくる質問

先日、環境再生保全機構さんが主催されている「若手プロジェクトリーダー研修」に招いて頂き、1日講師&アドバイザーを務めてきました。これは、地球環境基金から助成金を受けて活動しているNGO/NPOの若手スタッフが年に数回集まり、様々なテーマに関する研修を受講することで、実施中のプロジェクトをさらにブラッシュアップしていこうというものです。

今回は「合意形成」というテーマで、6名の方々が参加されていました。
限られた時間内で私から何をお伝えできるだろう・・・と考え、「研修翌日以降、団体内外の誰かと話しをする具体的な一場面で、今までとは違うやり取りになる」可能性がある質問を、研修生おひとり一つ持ち帰ってもらえたらいいな・・・という目標を立てていました。

研修の中で、各自が抱えている合意形成に関する悩みを共有し、アドバイスをするというセッションがありました。
その中で、ある研修生から、こんな悩みが共有されました。
「何度も会議やワークショップをおこなって団体の今後の方針について話し合うが、どうも具体的な話になっていかない。ある人は“会員の満足度を重視すべき”と言うし、ある人は“もっと多様なステークホルダーを巻き込んでいきたい”と言うし・・・なかなか議論が収れんしない」

ふむふむ。
これって、NPOに限らず様々な会議や打ち合わせの「あるある」かもしれませんね。
みなさんなら、この抽象論を、どうやって具体的な話し合い=地上戦に持って行きますか?

真面目な研修や会議も、時に笑いながら…

メタファシリテーションでは、課題解決に携わる当事者(たち)の経験を大切に、やり取りを進めていきます。
上記のような状況なら
「この会員さんは満足度が高いな・・・と感じた時のことで、ぱっと思い出せるのが何かありますか?」
「最近、会員さんに満足してもらえたな~と実感したことがありましたか?」
といった質問をしながら、“会員の満足度”という一言がどんなことを指しているのかということをお互いの実体験をもとに共有していくかな、と思います。
NGO/NPOの活動って、「志のあるメンバーが、同じ活動目的に向かってがんばっている・・・」はず、という思い込みがままありますが、実は言葉ひとつとっても、思い浮かべている具体的な内容がまったくすれ違っている、ということが起こり得ます。
シンプルな質問で互いの実体験を出し合い、「そういえば、あの時・・・」「こんなことがあったよ」と、ワイワイ話せる会議になれば・・・参加メンバーの経験を出し合う中で、それぞれの大事にしていることがキラリと光り、「あぁそこを重視してるんだね」と共通認識を持てるかもしれませんよ!



宮下和佳 ムラのミライ専務理事)




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2018年5月1日火曜日

代表オンステージ!現場スタッフの声が聞きたい時は・・・

組織を対象とした支援に共通する場面として、代表者や設立者など、その組織の中心人物だけが話して、活動を担う現場スタッフの声がなかなか聞けない・・・というパターンがあります。そんな状況になった時も、あわてず騒がずメタファシリテーション方式の質問(事実質問)をすることで、それまで話していた方をさえぎることなく、うまーく話し手をスイッチすることができます。

もう何年も前のことですが、何人かのグループで、あるNPOにヒアリングをする機会がありました。話し手として出てきてくださったのは、代表理事と事務局長。お二人とも団体設立からずっと活動してきているので、たくさんお話が聞けそうだなと期待していました。

ところが、設立のきっかけ、めざすこと、団体の強み、今後の課題・・・ヒアリングに伺ったメンバーがどんなことを聞いても、スラスラと喋ってくれるのは代表理事。事務局長はその隣で、黙ってうつむいています。表情もよく見えません。まさに、「代表理事オンステージ」のワンマンショーになっていました。

うーん・・・ボスの見解を一通り聞いてもいいけど、それだけでは団体の今のリアルは見えてこないかも・・・「社長」だけじゃなくって、あなた(事務局長)の話も聞きたいのよ・・・と内心ジリジリしつつ、うまい入り口を探していました。

と、その時。

代表理事:うちの場合、ボランティアがいなくては活動が成り立たないのでね、登録してもらう時によく面談したり、色々と工夫してきてるんですよ。
私:それは素晴らしいですね。最近、新たに登録されたボランティアはいらっしゃいました?
代表理事:えーっと・・・(事務局長の方を向いて)どうだった?
事務局長:(初めて顔を上げて)あ、昨日、事務所にいらっしゃいました。
私:どなたが対応されたんですか?
事務局長:私です。
私:事務所にいらっしゃって、まず何をされたんですか?
事務局長:ボランティア登録の用紙があるので、それに記入してもらいました。
私:そういう用紙があるんですね。記入してもらってから、どんなお話から始めたんですか?
事務局長:はい、まず・・・

この後、実際に何をして、何を話して、その次に・・・という風に、その時の状況を具体的に質問し、事務局長さんがどんどん答えてくれたのでした。

事務局長さんが対応した直近のボランティア登録、というピンポイントのできごとが出てきたので、そこに絞って具体的な行動を聞くことで、質問の内容は「(その時対応した)事務局長さんしか答えられない質問」になりました。
もし、ここでピンポイントのできごとに絞らず「ボランティア対応の担当はどなたですか?手順はどうしていますか?工夫していることは?」という聞き方をしていたとしたら?
たぶん、引き続き代表の方が話し続けていたのではないかと思います。

代表理事オンステージ、村長オンステージ、自治会長オンステージ、先生オンステージ・・・世にあふれる「声の大きい人オンステージ」。そこからスッと抜け出して、別の人の眼から見えている風景をステージに乗っけたら・・・意外な風景が広がるかもしれませんね!

宮下和佳 ムラのミライ専務理事)



ムラのミライの研修は「先生オンステージ」…ではありません



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2018年2月13日火曜日

忙しいと言い訳するNPO職員をやる気にさせる方法

先日、NPOを支援するサービスの立ち上げをされている方がムラのミライのオフィスを訪ねてくださいました。
サービスの説明をしてくださる前に、ムラのミライの活動や運営について色々と聞いてくださったので「関心を持ってくださっているんだな」とうれしく、あれこれとお答えしていました。
団体の概要をある程度聞かれたあと、話題はファンドレイジング(資金調達)関連のことに。NPOの資金調達を後押しするようなサービスを展開していかれる会社の方でしたので、いちばん関心のあるところなのだと思います。

Aさん(訪問してくださった方):ムラのミライさんの寄付者層はどういう方が多いんですか?
私:うーん・・・どうだろう・・・さいきん全然、寄付者の分析ができていないんですよね。
Aさん:年代とか、男女とか、だいたいどんな感じですか?
私:そうですねえ・・・古くからの支援者の方は割と60代以上の方が多くて、ここ数年で新たに支援し始めてくださっている方々は、30代~50代もいらっしゃるかな・・・いやあ、でも、ちゃんと分析していないので、あやふやです。分析しないとなあ、とは思ってるんですけどね・・・
Aさん:分析は大事ですよね。
私:はい。認定ファンドレイザーの勉強とかで、分析方法は学んだんですけど・・・
Aさん:えっ宮下さん、認定ファンドレイザーお持ちなんですか?すごいじゃないですか。
私:あー・・・資格だけ持ってて全然ちゃんとファンドレイズできていないので、あんまり言わないようにしてるんです(苦笑)ほんとお恥ずかしい・・・

言い訳する私(写真はイメージですw 記事にある場面ではありません)


メタファシリテーションは、質問することを通して、質問に答えている人が自ら状況を分析し、課題発見・解決のために動き出していくことを促すというものです。質問を組み立てる上で重要なのは、質問に答える立場に立った時、どんな質問をされたら答えやすいだろう、やる気が出るだろう、ということ。
今回、ヒアリングされる立場になったのを幸い、その間の自分の心の動きを観察してみました。上記の短いやり取り中に起こった私の心の動きを、以下、【】内に記してみます。

Aさん(訪問してくださった方):ムラのミライさんの寄付者層はどういう方が多いんですか?
私:【キター!ざっくり質問!いやでも、せっかく聞いてくださっているんだし、ちゃんと情報提供しないと・・・でも寄付者のデータを属性別に集計してみたりとか、さいきん全然してないねんなあ】うーん・・・どうだろう・・・さいきん全然、寄付者の分析ができていないんですよね。【せっかく聞いてくれてるのに、お答えできなくてごめんなさい】
Aさん:年代とか、男女とか、だいたいどんな感じですか?
私:【何とかお答えできるかなあ】そうですねえ・・・古くからの支援者の方は割と60代以上の方が多くて、ここ数年で新たに支援し始めてくださっている方々は、30代~50代もいらっしゃるかな・・・いやあ、でも、ちゃんと分析していないので、あやふやです。分析しないとなあ、とは思ってるんですけどね・・・【でも、やってない・・ホントに必要だと思ってたらやるよなあ・・・怠けてるんだよね、結局わたし】
Aさん:分析は大事ですよね。
私:はい。【そうですよ、大事だとわかってますよ私だって】認定ファンドレイザーの勉強とかで、分析方法は学んだんですけど・・・【でも時間なくて使えてないですけど。いろんな分析方法を教えてくださった講師のみなさんごめんなさい】
Aさん:えっ宮下さん、認定ファンドレイザーお持ちなんですか?すごいじゃないですか。
私:【試験勉強が妙に効率よいだけだと思うわ。せっかくの資格を役立ててへんよなあ】あー・・・資格だけ持ってて全然ちゃんとファンドレイズできていないので、あんまり言わないようにしてるんです(苦笑)ほんとお恥ずかしい・・・【ううう、つらくなってきた・・・全然なんの参考にもならへん会話でごめんなさい・・・早く次の話題にならへんかなあ】

Aさんが良かれと思って色々と聞いてくださっているのに、私ときたら勝手に自己嫌悪(怠けて支援者分析やれてないワタシ)・逆ギレ(分析は大事だってわかってるよ私だって)・言い訳(じっくり分析してる時間ないねん忙しいから)しまくった挙句、このテーマの会話自体から逃避しようとする始末。
書いていて恥ずかしくなるほどです。
この後、話題は別の方面に流れていって、面談は和やかな雰囲気のまま終えることができたのですが、自分の心の動きが面白かったので、「どう質問したら、違う展開になったかな?」と、自分で自分に質問してみることにしました。

質問する私:支援者の分析をしてみたことはありますか?
質問される私:ありますよ。けっこう前ですけど。
質問する私:いちばん最近、いつ分析したか覚えていますか?
質問される私:えーっと、ちゃんと支援者全体の集計をしてみたのは・・・私がインド駐在から戻って日本の事務所で働き始めた直後にやったのは覚えてますね・・・ということは、もうかれこれ5・6年前になりますね。【うわあ、ということは5~6年もちゃんと分析していないんやなあ。あの頃はまだフレッシュだった(遠い目)】
質問する私:どんな分析をしましたか?今もその時のデータは残っています?
質問される私:データは・・・【ああ、パソコンの〇〇というフォルダに保存してある筈】はい、ありますね。細かくは覚えてないですけど、よく印象に残っているのは、年末募金の金額の分布を集計したものです。
質問する私:へー、募金額を調べたんですか!
質問される私:【データベースを整理する前だったから大変やったなあ・・・そういえば、あの時と比べて、今はデータが整理されているからやりやすい筈】はい、募金額がいくらからいくらの方が何名・・・という風に集計したら、数名、寄付額の大きな寄付者の方がいらっしゃったんです。【〇〇さんとか、★★さんとか・・・】でもその方々に通常のお礼状以外のことは何もコミュニケーションを取っていないということがわかったので、お手紙やお礼のお電話などをしました。そしたら、何名かの方は翌年以降もご寄付くださるようになったんですよ~。【ほんと良かったなあ。でも途切れてる方もいるような気がする・・・最近やり取りしてたっけ】
質問する私:それは良かったですねえ!
質問される私:あの時に気づいてやり取りをしなければ、1回きりになってしまった方もいたかもしれませんね・・・【この5~6年の間に、継続してご支援頂ける可能性があった方を何人もそのままにしていたかも・・・】

という風になり、自分でも思いがけず、「よっしゃ、ここはひとつ、久々に支援者分析してみよう!支援者とのやり取り履歴も確認しよう!」という気になったのでした。

自分がちょっとマズいなと思ってることを聞かれると、(質問者側には責めているつもりはまったくないのに)どんどん自分で自分を責めてしまい、ツラくなる。でも「そういえば・・・」と自分の経験をちゃんと思いだしてみたら、やれていたことがわかって、ちょっと明るくなる。さらには、やってみて良かったことを自ら思いだし、今度はより良くできるんじゃないかと思い始めて「やってみようかな」という動機づけになる。
こういう「質問される側」の心の動きに、改めて気づいたのでした。

そして、これから心を入れ替えて、ファンドレイジングをがんばってみようと(やっと)思えました。
ああ、こんなことなら、もっと早く自分にメタファシリテーションしておけばよかった(笑)
今後わたしから寄付や支援の依頼をされる皆さま、「あー宮下さん、自分で自分の動機を見つけてがんばってるな」と、温かい目で見守ってください。そしてご支援よろしくお願いいたします!


(宮下和佳 ムラのミライ専務理事)


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2017年11月28日火曜日

メタファシリテーションの失敗談~教育現場で~

もう何年も前、メタファシリテーションの中級研修を受けた私は、大学教育の中でこの技術を活用し、学生が主体的に学んでいく手助けができればと思っていた。当時英語を主に教えていた私は英語に関する相談を受けた際や授業中の学生とのやり取りの中で積極的に事実質問を使っていた。今振り返ってみると、少し力が入りすぎていたように思う。そしてほどなくして手痛い失敗をした。

それは少人数の英語の授業の中で起こった。学期はまだ始まったばかりで、私は学生のことをまずは把握したいと思っていた。そこで初回に事実質問を使って学生にこれまでの英語との関わり方などを聞いてから詳しい授業プランを立てることにした。そうすることによって、学生に合った授業ができるのではないかと思ったからだ。また、自分の英語との関わりについて振り返ってもらうことで、学生の主体的に学ぶ意欲が少しでも沸いてくれればとも思っていた。

私は1対1で話せる場を作り、学生に事実質問をしていった。質問の内容は主にこれまでの英語との関わりについてにし、時系列を意識した。時系列に聞いていくと、挫折したポイントがはっきりと見えてくる学生もいた。そして、やり取りをしているうちに、将来やりたいことと英語とのつながりが見えてきた学生もいて、質問している側としては非常に興味深かった。全体として、うまくいったという感触を持っていたと思う。

しかし、次の週から丁寧に答えてくれた学生の1人が授業に来なくなってしまった。その学生とはやり取りがスムーズに進んだように私には見えていたし、手ごたえを感じていた。授業に対するモチベーションアップにつながってくれたのではないかと期待すらしていた。それなのになぜ?と私は混乱した。今から考えるとなぜ気がつかなかったのかと思うような大事なことを私は見落としていた。セルフエスティーム(自己肯定感)に対する配慮が欠けていたのだ。

その学生は英語に強い苦手意識を持っていた。相手は英語教員である私。その時のセルフエスティームはかなり低かったと考えられる。また、はじめて会う教員に対して警戒感を持っていたはずだ。話してもらう内容は成績評価にはまったく関係ないということや差支えのない範囲で構わないということは伝えたものの、先生に聞かれたんだから答えなくてはという気持ちになっていたのかもしれない。そのような中で、苦手意識を持っている英語について、事実質問をされる。事実質問はwhy等の質問と違って、考える質問ではない。事実を聞かれるので、はぐらかしようがない。逃げ場がないと言ってもよいかもしれない。ポジティブな面について多く質問したつもりではあったが、それでも居心地の悪さを感じたのではないだろうか。

この失敗から大切なことを私は学んだ。ファシリテーションをしたい、つまり相手の課題発見・解決の手助けをしたいと思ったら、まず相手が安心して自分のことを話せるような関係が構築できているかを注意深く観察しなければならないということ。自分から相談に乗ってほしいと来る学生の場合、この点は問題ないことが多いが、自分から助けを求めているわけではない学生相手のときには細心の注意を払わなければならない。中には、セルフエスティームが低く、極度に自分のことを聞かれることに不安を覚える学生もいるということを理解しておく必要がある。

まだ信頼関係が構築できていない相手に対しては、まずは安心して話せると思ってもらうことが大切である。焦りは禁物。ゆったり構えて、まずは相手が話しやすいことから聞いていく。そして相手のセルフエスティームを上げるポイントを探っていく。相手が話したいという何らかのサインを出したら深く聞きこんでいく。この経験からそういったことを意識するようになった。

事実質問をただ重ねればメタファシリテーションになるのではなく、相手をよく観察しながらその場その場で適切な事実質問を積み上げていってはじめてメタファシリテーションになる。事実質問は相手の課題発見・解決を手助けするのに有効な方法であるが、下手に使うと相手を追い詰めてしまうということを忘れてはならない。


(ムラのミライ 理事 久保田 絢





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2017年4月25日火曜日

対話型ファシリテーションに出会ってからの変化を振り返って(2)専門学校編

2014年より2014年より森ノ宮医療学園専門学校柔道整復科で「医療人としてのプロジェクト実践基礎演習」の講義をアドバンスコースの1年に行っております。

私自身が、モンゴルでの活動、東日本大震災時の初動調査および救護活動、神戸大学人間発達環境学研究科(学術修士)、所属している会の理事など様々な現場で活動し、外務省やJICA、行政機関との交渉など様々な経験したことを、これから柔道整復師を目指す学生に伝えたいと思っていたところ、学校からも同じような主旨の提案があり実現しました。

講義の構成を考える上で参考にしたのは、JICAで行われていたPCM研修(Project Cycle Management)を参考にしました。

講義の上位目標を「将来の柔道整復師業界を担うリーダーの育成、学習目標を医療人として必要なコミュニケーション能力、プロジェクト形成・実践力の基礎を演習修得する。」、行動目標は「①コミュニケーションに必要な基礎知識を獲得する。②プロジェクト形成に必要な基礎知識を獲得する。③プロジェクトの実践力を身に着けるための演習を行うことができるようになる。」とそれぞれの項目を設定しました。

また、意見交換するときの5つのルールとして、
①正解は1つではない。
②相手にわかりやすい言葉で伝える。
③相手の話をさえぎらない。
④Noは相手からの「質問」だと思おう。
⑤意見を否定しない。
を設定し、特に⑤の意見を否定しないことを徹底して、伝えました。

授業形態としては課題を提示し、グループで検討を行いながら、講義を行いました。

具体的には、「根來氏はモンゴルで購入したお土産の品物を使って遊びたいが、ルールが分からず、遊べないで困っている。そこで、お土産の品物で遊ぶために、班ごとにルールを考え、根來氏に説明するのに必要な事項を提出用紙に具体的に記載してください」という課題を設定し、
①班ごとに検討、
②説明資料作成、
③講義で発表、
④評価(学生各自、外部)、
⑤分析、
⑥課題のあぶり出し、
⑦改善策を考える、
⑧具体的に実行する、
⑨まとめる、
の流れで実施しました。


中期からは班ごとに外務省国際協力局民間援助連携室の国際開発協力関係民間公益団体補助金(NGO事業補助金)の補助金申請書を作成することとしました。補助金申請課題は、モンゴル国における現地調査について事例教材を作成し、初動調査に必要な内容について検討を行いました。

現地へは、実際に行くことができませんが、JICA草の根技術協力(草の根パートナー型)でモンゴル人指導者候補生が、本邦研修のタイミングでインタビューを行うことにしました。この時用いたのが、対話型ファシリテーションでした。ただし、学生が実際にインタビューを行うことはできないため、学生が考えた質問を私が行うという形式をとりました。

このとき①質問の組み立て方の工夫、
②質問の流れを考える、
③質問が何を意味するのかを考える、
④選択できるような質問(ある・なし)で具体的にさらに掘り下げるように考える、
⑤考えを聞く質問と事実質問に分けて考える、
⑥できるだけ質問は1項目で聞くこと、
などを注意点としました。
東京から研修先の名古屋へ移動するタクシーの中、新幹線の中でインタビューを行いました。

現地情報(教材)ならびにインタビューで得た内容をもとに、各班ごとにプロジェクトの計画立案を行うために関係者分析、問題分析、目的分析を行いました。




そして、最後のプロジェクト計画案として下記のようになりました。

 



実際は、現地に初動調査へ行っておりませんが、「・・・・がない」状態を「・・・がなくて困っている」状態にして考えることは、まさにメタファシリテーションの醍醐味でした。

この経験をもとに2年目の講義が、実践へと進化していきます(いくはず?)。

根來接骨院 根來信也)




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