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2024年10月30日水曜日

セネガルで学んだ「自分の認知を知る」ということ 〜ムラのミライのプロジェクト視察〜

 「ムラのミライの海外事業地へ行く和田さんに同行し、ファシリテーションスキルを見てみたい!」
ということを和田さんに伝えると、OKの返事をいただいたので和田さんと原さんの渡航に合わせてセネガル農村部で行っている持続可能な農業プロジェクト地を訪問させてもらいました。


セネガルの農村部では、近代農業の普及と人口増加が自然環境に負担をかけ、農業が続けられない状況が広がっています。若者たちは希望を求めて都市部に移り住み、農村は活力を失いつつあります。
そんな中で、ムラのミライは地域資源を活用し、雨水を効率的に土壌に浸透させる技術を導入することで、作物の生産性を向上させるプロジェクトを推進しています。
このプロジェクトが始まって3年、住民たちはその成果を実感し始めていました。

 

訪問の目的は、プロジェクトを遂行する中でどのようにメタファシリテーションを使っているのかを学ぶことでした。
 

実際に和田さんの質問を聞けたのは、村の関係者による会議に参加したときのことです。
 

プロジェクトが来年初めに終了するため、ため池を管理するための土壌保全委員会の結成について話し合っていました。
村人たちは新しい委員会を作るべきか、他に方法はないかと議論していましたが、和田さんはその間、ずっと耳を傾けているだけでした。

そのうちに、既存の村落自治委員会で管理はできないかという提案がありました。
和田さんはそこでもただ聞いていましたが、最後にこう質問しました。
「その定款を最後に読んだのは誰ですか?」

村人たちは「読んでない」「どこにある?」と話し始め、最終的には「次回のミーティングまでに定款を読んでおきます」という結論に。

和田さんは「ではそうしましょう。次回のミーティングはいつにしましょうか?」と確認して会議は終了しました。
 

「その定款を最後に読んだのは誰ですか?」と和田さんが聞いた時、ただ「事実を確認する質問」に見えますが、実は自分も知らないことを知りたいという姿勢がそこにあると思います。
この質問により、村人たちは「自分たちがやるべきこと」を自然に意識し始め、和田さんが答えを押し付けるのではなく、彼ら自身で気づきを得る場となりました。


会議後、和田さんにこの対話について聞いたところ「質問というのは、自分がわからないことを聞くことだ」とおっしゃっていました。
この言葉はシンプルですが非常に重要です。
 

メタファシリテーションでは、相手に気づきを与えることだけでなく、相手を知ろうとする姿勢が欠かせません。
事実に基づいた質問をすることで信頼関係が築かれ、対話は自然と深まり、相手との関係も強くなっていくのです。
 

もしあなたが誰かに自分のことを聞いてもらう場を想像してみてください。質問してくる相手が本当に自分のことを知ろうとしてくれる、その気持ちが伝わると嬉しいですよね!
相手を知ろうとする気持ちから生まれる質問は、決して上から目線ではなく、対等な対話の中で生まれるものなのです。
 

次回のブログでは、セネガルで学んだもう一つの重要なポイント、「要素を分解すること」について具体的な対話事例を用いてお話しします。
特に、相手の話を聞きながら、どのように重要なポイントを見極めて深掘りするか、そのプロセスについてご紹介します。
お楽しみに!


(松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー) 

 


2022年5月30日月曜日

年齢差も克服?!相手にとって答えやすい質問をする

このような事、思ったことありませんか?
「1on1面談で、部下と何を話したら良いか分からない」

まずは、普段の会話から部下(同僚)が答えやすい質問を心がけることが大事です。
「でも、歳が離れた部下に何の話をすれば良いかわからないです」

大丈夫です。
メタファシリテーションは聞く技術なので、質問するだけ。

今回は「アイスブレイク」としてのメタファシリテーションの実例を紹介します。

私は、大学で非常勤講師としてメタファシリテーションを教えています。
かく言う私も、歳が倍近く離れた学生に何を話したら良いのだろうと思うことはあります。

このような場面で心がけていることは、
「相手が答えやすい事実質問をすること」です。

ある日、私の講義を受講しているミカさん(仮名)が2週連続で同じブランドで、別のバッグを持っていたので質問をしてみました。

松浦:そのブランドのバッグ、いくつ持っているの?

ミカさん:3個持っています。そういえば先週も同じブランドのバッグでしたね!

松浦:そうだったよね!今持っているバッグは、どこで買ったの?

ミカさん:地元の古着屋で見つけて一目惚れして買っちゃいました! 5,000円でかなり安く買えたんです。

その後、3つ目のカバンは旅行先の福岡で買ったことも教えてくれました。

翌週の講義にミカさんは福岡で買ったカバンをわざわざ持ってきてくれ、旅行の話をしてくれました。

今では、授業で積極的に発言をしてくれ、授業後も就職の悩みを話してくれるなど、バッグを起点にした事実質問がアイスブレイクとなったことは言うまでもありません。

逆に、答えにくい質問とはどういった質問なのでしょうか。

「そのブランド好きなの?」

「3つのうち、どのバッグをよく使うの?」

「そのブランド、流行っているの?」

答えにくい質問とは、回答方法が何通りもあり、どのように答えれば良いのか相手に考えさせてしまい、気を使わせてしまう質問でもあります。

最後に、今回紹介した事例のポイントをまとめると、
  • 数個の事実質問を重ねるだけで話が広がること
  • 事実質問が相手にとって答えやすく、忖度せずに返答できる質問である

です。

まずは普段の会話から事実質問を意識し実践してみることをオススメします。


(松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー) 

 

 


 

関連講座
職場の問題を解決するためのコミュニケーション講座

2022年2月9日水曜日

脱・指示待ち! 今から実践できる1つのポイント

 皆さん、このような事を言ったり言われたりしたことありませんか?

「誰かに指示される前に動いてもらえると助かるな」
「この作業、何度もやってると思うけど、もうちょっと効率的に工夫できない?」
「言われたことはするだけじゃだめだよ。もうちょっと自分で考えて仕事して!」

まず、
伝えると、伝わる、は別である
ということ。

特に、「効率的に工夫」や「自分で考えて仕事して」など、曖昧な表現は相手との認識のズレを生むことに。
こういったズレをなくし、相手に伝わる対話方法が必要です。

では、どのように主体性が生まれる問いに置き換えればよいのでしょうか。
大事なポイントは、「アドバイスをしない」ということ。
アドバイスをすることで、相手はアドバイス(指示)待ちになってしまい、
結果自分で考えるという思考を止めてしまうのです。

自分で考えろ!と私も言われた経験がありました。
その時思ったことは、
「自分で考えろ!」
と言っている割に考えてやったことを聞いてくれず、引き続き指示をしてくる。
この人のやりたいようにやれば良いのか、と思うようになり、
上司への信頼も失っていました。

「〇〇したらよかったのに」
「なぜ〇〇しなかったの?」
「〇〇した方が絶対良いと思うよ」

こういった問いかけも、アドバイスに含まれます。

まずは、このような問いかけをしないことを意識!
すると、対話相手の意外な変化が生まれるかもしれないですよ。

(松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー) 

 

 

関連講座
職場の問題を解決するためのコミュニケーション講座
「部下に主体的に考え、動いて欲しい!」 そんなあなたへのメタファシリテーション

2022年1月19日水曜日

脱・「最近どう?」 1on1ミーティングのヒント

職場で管理職になると、部下(チーム)を統率するのも大事な役割になります。
面談などで部下と話す機会はあるものの、

  • 何を話したら良いかわからない
  • 面談では「最近どう?」「何か問題はない?」などの当たり障りのない会話になってしまう
  • 相手のホンネがよくわからない

このように思ったことはないでしょうか。
解決方法の1つは、過去について聞くことです。

どうしても話を聞こうとすると今の考えや気持ちを聞いてしまいがち。
答える側は過去の出来事を全て覚えているわけではないので、今の気持ちや考え、出来事も含めて覚えている範囲でしか答えられないのです。

以下、私と大学生のインターン、Tさんとの間にあった会話を紹介させてもらいます。
Tさんとは、業務の進捗状況を共有してもらうために月1のミーティングを設けていました。
簡単に言うと、「最近どう?」を聞く場です。

私 前回のミーティングっていつだっけ?
T 先月の30日でした。その時の議事録はその日にメールで送らせてもらったと思います。
私 見ました、ありがとう! 他にお願いしていた寄付者の統計も昨日確認したよ。その作業はいつから始めたの?
T 実は、3日前です。先月のミーティングの後に始めようとしたんですが、何から手をつけたら良いかわからなくて・・・
私 そうだったんだね!何から始めたか覚えてる?
T まず、googleで「統計・エクセル」で調べて、でてきたyoutubeをみました。それを見て作業を始めたんですが、図にまとめるときにどのようなグラフ(円・棒・折線)が良いかわからなくて。

その後も話を聞くと、エクセルの使い方ではなく統計のまとめ方がわからないと言うことがわかりました。
もし、「この一ヶ月どう?」「前回伝えた作業はやれた?」など、ざっくりした質問をした場合、こういったTさんの課題は認識できたでしょうか。

考えさせるな思い出させろ

何を話したら良いかわからない時は、過去を聞くことを徹底してみると、思いがけない話が聞けるかもしれないですよ。

(松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー) 



関連講座
職場の問題を解決するためのコミュニケーション講座
「もう部下との会話に困らない、1on1面談で相手のホンネを聴く技術」

2021年12月15日水曜日

子育て支援団体の読書会に潜入!

先日、メタファシリテーション講座ステップ1に受講された追立さんより読書会のお誘いをいただき、参加してきました。
長久手子育て協力隊のイベントとして「対話型ファシリテーションの手ほどき」を題材にした読書会です。

参加者が本を読み、お互いの感想を話し合う、というのが私の読書会のイメージでした。 

しかし、実際は以下の方法で行われました。 

  • 各チャプター(4-5ページ)にわけ、1人1チャプターを読む
  • 読んだ内容を用紙3枚程度にまとめる
  • 全体で各チャプターの内容を発表・説明

その後、事実質問を作る練習を3人のグループで行い、事実質問の練習をするワークも行いました。

読んだ内容を自らの言葉でまとめ、発表することで理解が深まるのはとても良い方法。 

参加者からはこのような声もいただきました。

「普段、自分がどれだけ思い込みばかりで話していたか認識できた」
「子どもには、なぜ質問ばかりしていたが、なぜがダメな理由がわかった
」
「事実質問は難しいし、質問がでてこなかった
」

シンプルな手法ですが、容易に習得できる技術ではなく奥深い対話術であるメタファシリテーション。そのため、半年から1年以上かけて研修を行うことも近年増えてきました。

兵庫県西宮市のNPO法人a little(ア・リトル)と地域で助け合う子育ての仕組みづくりをおこなうなど、以前からムラのミライは子育て支援のメタファシリテーションを行っています。

教師であり、子育てや教育に携わる追立さんはこのようにおっしゃっていました。

子育てをとりまく環境(職場、地域など)をどのように子育てにつなげていくか模索しており、職場や地域にメタファシリテーションのように事実に基づいたコミュニケーション支援が浸透していくことが必要。

家庭内でメタファシリテーションを使えるようになりたい!という声は、私が担当する講座に参加する方もよく言われます。
2022年1月から、子どもとの対話にフォーカスした講座を開催します(下記)。興味があるかたはチェックしてみてください!

(松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー) 


関連講座

 
 


 

2021年11月11日木曜日

「気づかせてやろう」と前のめりにならず、相手の話を聞く

自分が対話相手に勧めたいことを、質問の形で気づかせようとしてしまう。
これは、メタファシリテーションを学び実践し始めた方によくある、つまずきポイントです。

実は私もメタファシリテーションを学び始めた当初は、同じような失敗を繰り返していました。
「この人はわかってないから、事実質問を使って気づかせてやろう!」
こういった意図で事実質問をしても、うまくいった事はありませんでした。

メタファシリテーションは「相手の話を聞く技術」です。

1人では言語化できなかった出来事の1つ1つの過程を、事実質問により思い出させることができ、また聞き手も相手の事実を知ることができます。
この過程があってこそ、対話相手が課題に気づき、解決に向けて動き出すのです。

では、これに関する事例を紹介させてもらいます。


シチュエーション:ある製造業の人事部の部長と部下のAさんとの会話。

対話事例1

部長:明日の1 on 1面談会議の資料は作った?
Aさん:今作成中ですが、見ていただけますか?
部長:(資料をチェックし、追加して欲しい内容がある。直接指示するより、事実質問で気づかせてみよう・・・)過去の面談実績について、資料に入れるよう誰かに指示されたことある?
Aさん:いや、されたことはないです。
部長:じゃあ面談方法の補足資料を入れるように誰かに指示されたことある?
Aさん:いや、それもないです・・・・両方追加しておきます!

→部長の質問は事実質問であるものの、話を聞く質問ではなく、Aさんは「指示された」と感じているかも。

対話事例 2

部長:明日の1 on 1面談についての会議の資料は作った?
Aさん:今作成中ですが、見ていただけますか?
部長:(資料を見る)・・・いつから作成し始めたの?
Aさん:昨日夕方、課長に指示をされた後に作成し始め、明日までに仕上げる予定で した。
部長:要点がまとまっていて、とても見やすい構成だね!資料作成にあたり、テンプレートを何か使ったのであれば教えてもらえる?
Aさん:はい、異動前にいた営業部で使用していたテンプレートを使いました。
部長:今度他のみんなにも共有しといて。ちなみに、人事部で使用しているテンプレートがあるのは知っている?
Aさん:はい、課長から4つほど共有していただきました。
部長:4つもある事、知らなかった(笑) 4つの違いは課長から説明はされたの?
Aさん:社外用と社内用の会議資料用テンプレートです。
部長:そういうことね!社内用のは使ったことある?
Aさん:はい、今月の月例会議の際に使いましたが、その時は先月にBさんが作成した月例会議資料を元に作成しました。
部長:じゃあ、今回の1on1面談会議の以前の資料は読んだ事はある?
Aさん:まだなかったので、同期のZ君に見せてもらうようメールをしたところです。それを見て資料を仕上げるので、またチェックしてください!

→ 資料を作成する過程を思い出す質問をすることで、Aさんの事をより知ることができた。また、余計なアドバイスをしなくても済んだ。


繰り返しになりますが、メタファシリテーションは聞く技術です。
実践練習をする際、まずは事例2のように相手の話を聞く事実質問を心がける事をオススメします。

(松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー) 


関連講座

「新卒が1年で辞める理由がわからない…」 悩める人事部のためのメタファシリテーション

 


2021年9月24日金曜日

「聞く」ことは、職場の人間関係を良くする方法

製造業で働く浅井さん(仮名)は、3年ほど前に講座を受講されて以来、メタファシリテーションを使い職場で良好な人間関係の構築に取り組んでおり、その成果やインパクトについて定期的に進捗報告をしてくれています。

「納期に追われ、みんなが病んでいき、職場に活気もなくやばいんです!」

浅井さんが講座を受講時に話してくれた職場の問題です。

 

具体的には、

 ●     トップダウンの社風が根強い

●     職場改善をしようと集まって意見を出し合うものの、その場しのぎの意見ばかりで、会議が終わったあとのアクションに繋がらない

●     部下を思って提案をするものの、響いてないみたい

 

課長である浅井さんは上司とのやりとりにも苦労しつつ、部下とのやりとりにも悩んでいました。
浅井さんいわく、部下には仕事の指示は明確に伝え、ミスした時は「なぜミスをしたのか」をしっかり問いただすことで同じミスをしないように指導してきたと。
部下と良好な関係を作るために、雑談をしようとするも、あたりさわりのない会話で終わり、本音で話してくれているのかわからないともおっしゃっていました。

 

では受講前と受講後で、浅井さんの質問がどのように変わったのでしょうか。

 

シチュエーション:昨日納期であったが、まだ納品していない部下の渡辺さんとの会話

Before

浅井:まだ納品してなかったの?

渡辺:はい、すみません。

浅井:なんで遅れたの?

渡辺:B社とのプロジェクトに関する業務で忙しく、納品先のA社は比較的納期に寛容なので後回しにしています。

浅井:なんで後回しにするの?納期守るのは当たり前でしょ!?A社も大事な取引先だから、先方が大丈夫っていっても約束は守らなきゃだめだよ!

渡辺:はい、気をつけます・・・・

 

After

浅井:昨日の作業は朝から何してた?

渡辺:8時に出社後、B社との打ち合わせのあとに、見積書作成などしていたら15時くらいになってしまって。16時納期指定のA社に納品するパーツのチェックをしていたところ、破損箇所が見つかって。

浅井:その後どうしたの?

渡辺:A社の担当者の松田さんに電話して事情を説明したところ、ちょうど在庫を保管する場所がないから、来週月曜日納品でも良いと言われました。

浅井:そうか、それならよかった。最近オンラインでの打ち合わせが増えたけど、松田さんに最後に会ったのっていつ?

渡辺:先月末の31日です。実は、松田さんとはオンラインでの打ち合わせは行っていないんです。回数は減らしても、会って話したいと。会って話すと雑談することもできて、先日会った時に、こんな話もしていたんです。」

 

浅井さんは失敗を重ねながらこのようなやりとりを続け、少しずつコツをつかんでいったようです。
結果、部下から話に来てくれたり、仕事の提案をしてくれることも増えたようです。
関係性が良くなるだけではなく、それによってお互いモヤモヤしとした気持ちを抱えず仕事が効率的にできてきたとおっしゃっていました。

浅井さんが自らのコミュニケーション方法を見直し、気づいたことを教えてくれました。

「今までは相手の話を聞いているようで、聞いてなかった。相手の状況を聞くことが、”言い訳”だとおもっていたけど、実は違った。事実を聞くことで、自分が知らないこともたくさんあったし、相手が課題整理できるのだと気づいた。」 

 

(松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー)

 

 

海外の活動地での筆者

 

2021年9月13日月曜日

国を問わず、業種も問わず

2011年12月、海外研修で初めてムラのミライのインドでの事業地を訪れた時の話。
まずは座学にてメタファシリテーション(以下メタファシ)の手法を学び、3つくらいの村に
て事実質問の練習をすることで体感することができた。
それと同時に、シンプルな事実質問で構成する対話手法は理解できたものの、簡単に習得できるスキルではないことも実感した。(村人に事実質問をする際、どんだけ振り絞っても質問が2個くらいしかでてこなかった・・・・・)

研修も終わりに差し掛かった時、当時働いていた企業でも、村でおこっていることと類似し
たコミュニケーションの問題があることに気づいた。そして、この手法は国際協力のみなら
ず企業でも使える手法だ!と思ったことを覚えている。

インド研修の最後に集合写真をパチリ

それから実践練習と勉強を重ね、2015年にメタファシリテーション体験セミナーにて講師デビュー。
その当時、参加者の8割程度はNPOなどのソーシャルセクターの人であった。
だんだんと参加者層も変わっていき、企業で勤める人の割合も高くなってきた。業種や国
などが違っても、多くの人がコミュニケーション、対人関係の問題を抱えていることがわか
った。

ある時、講座に参加していただいた某企業の人事部で働くAさんが職場の悩みを話してく
れた。
「離職する社員が多くて・・・・ 社員の悩みや職場での問題をヒアリングするのですが何
が問題なのかわからないんです」

詳しく話を聞くと、次のような事実を知ることができた
●人事部の役割の1つ:社員の問題を把握し解決する。そして離職率を下げる
●新入社員には、入社3ヶ月後に面談をおこなっており、何か問題がないか?困った
ことはないか?などの質問をしている
●面談の目的は、上記の「離職率を下げる」為に新入社員の抱える問題を早めに察知
し解決に導くこと
●ヒアリング内容は人事評価に影響しないことは社員に伝えてある

まさにメタファシが使えるシチュエーション!と思い、このような具体的な相談によって、企業のどのような場面で使えるのかが見えてきた。

その後もAさんのような相談が増え、それにフィードバックを続けることで小さいな成功
事例もでてくるようになってきた。
その1つに、職場で部下との関係に悩んでいたが改善することができたというBさんがこ
のように話してくれた。
「今まで相手の話をきいているようで、自分の考えを押し付けたり、相手の話を何も聞いて
なかったことに気づきました」
課題の当事者に解決方法を気づかせる対話手法であるメタファシだが、まずは相手の話をし
っかりと聞くことが大事である。

10年前、メタファシは企業でも使える!というざっくりした思いから始まり、企業(主には
人事関係)での課題を把握し、現場でメタファシが有効であると証明される成功事例もうま
れた。
国際協力の現場で生まれたこの手法は、国内でも福祉、子育て、医療など様々な現場で有効
的に使われるようになり、今後企業でも広まっていくだろう。

(松浦史典 ムラのミライ認定トレーナー)