2017年5月16日火曜日

友達の悩みを質問でときほぐす~焦らない関係づくり①



ムラのミライ理事をしています山岡です。子育てのせいかこの冬は肩こりがひどく、ようやく暖かくなってきたので冬眠していたジョギング習慣を再開させてみようかなと思っています。

さて春といえば、新しい職場、学校やクラスでの新生活の始まりですね。「新しい環境に慣れなくて・・・」と悩んだり、またそんな相談を受けたことはありませんか?


今回は友人から「ママ友ができない」という悩みを聞いた時のお話をご紹介します。『焦らない関係づくり』のヒントになれば幸いです。




なかなか近所にママ友が出来ないと悩む友人Aからの電話。
彼女は、第一子の誕生を機に地元から遠く離れた街に移り住んでいました。まず、読者のみなさんなら第一声なんて声をかけますか?私は対話型ファシリテーションの基本どおりこう聞きました。


(友人Aとの会話1)

私「その悩み、誰かに話したことある?」

A「うん、助産師さんや新生児訪問に来た保健師さんに話した。」

私「何て話したの?」

A「近所に誰も知り合いがいなくて、気軽に遊べるママ友が欲しいって。悩みがある場合は連絡してっていわれただけで何もしてくれなかった。最近、赤ちゃんが夜泣きもあるし睡眠不足だし、旦那さんともよくケンカになる。」

私「そっか。最近旦那さんとケンカしたのはいつ?」

A「月曜日の朝。また誰とも話さない一週間が続くと思うと途方もない気がしてイライラして八つ当たり。」

私「そっか。朝何時くらい?何をしてた時?」

A「8時くらい、朝ごはんの支度をしながら、カレンダーが目に入って。」

私「カレンダーはどこに?」

A「机の上。」

私「ああ、卓上カレンダーね。ちなみにカレンダーには、いくつくらい予定が書いてあった?」

A「健診と予防接種の予定の2つだけ。あとは真っ白。でも来月なんて何一つ予定がないし、ママ友ができないまま赤ちゃんと二人だと息が詰まりそう。。。」



最初に、私はこの悩みが本当に友人Aが解決したい課題なのかを確認しました。
というのも、Aは社交的な性格ですぐにでも友達ができそうな気がしていたからです。しかし、彼女の話を聞くと新天地での初めての子育てにすっかり自信をなくしているようでした。

私にも同じような経験があり、子育てでくよくよ悩むたびにママ友に助けられているだけに『友達をつくれない』という自己認知のゆがみに気づいて、息抜きができるママ友ができたらいいなと思いこのような会話を始めました。



(友人Aとの会話2)

私「最近ママが集まる場所へ行ったの?」

A「3か月前に健診で、保健センターに行ったよ。」

私「そっか。保健センターの何階?」

A「1階の和室」

私「着いたら誰かいた?」

A「20人くらい並んでた。」

私「だいぶ待ったんじゃない?何か話した?」

A「家近くですかとか、夜何時に寝ますかとか他愛もない話。本当は子育ての悩みを共有したかったけど。地元のママ同士は仲よさそうに話してて、うらやましかった。」



ここでは、Aがどのような行動を起こしたのかを聞くことで、認知のゆがみがいつ起きたのかを知ることができました。そして、友人Aが健診の時に誰にも悩みを話せなかったこと、また地元のママ同士が仲良く見えたことで焦りを感じたことが分かりました。

では、「ママ友ができない」という自己認知のゆがみに気づいてもらうために、みなさんなら彼女の経験からどんなエピソードを思い出してもらいますか?
来週へ続く… 



(ムラのミライ 理事 山岡美翔




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