2017年5月30日火曜日

自主勉強会の成果



初めて海外の現場に行った約5年前のことを、今でもふと思い出すことがある。その研修は、ムラのミライのインドの事業地にて対話型ファシリテーションについて学んだ。ムラのミライが事業をしている村に行き、いざ事実質問を使ってみましょう!となった時にどう頑張っても3つくらいしか質問が出なかった事は今でもよく覚えている。


昨年は私が職員を務めるNGOから海外の事業地に長期で何度か出張に行く機会があった。 村人にインタビューやお話を聞く機会も多く、現場での実践を積むことができる大きなチャンスでもあった。 1週間程エチオピアのとある村に滞在した時、6人の女性にインタビューをする機会があった。 その中の一人、アヤレチさんとの会話は非常に印象的なものであった。


彼女は若く、高等教育も受けているので村の自助グループの中でも秘書として大きな役割を果たしている。 彼女にグループに入った理由や日々の生活について事実質問を交え質問をすることになった。

まずは自己紹介をし、その後グループに入った理由を聞いていくことに。 その中でアヤレチさんの夫の話が出てきたので、夫について聞いてみることにした。


松浦:夫と初めて出会ったのはいつですか?

アヤレチ:同じ小学校で6年生の時だったと思います。


松浦:そうなんですね! じゃあその時からお付き合いしていたんですか?


アヤレチ:違います。 でも、その時から夫には求婚されてて。()

松浦:その年で求婚ってすごいですね! ちなみに、その後いつから付き合い始めたんですか?


アヤレチ:10年生(高校と同等の学年)を卒業してから付き合うことになりました。 それまでずっと求婚はされていたんですが。()



出会いから今に至るまで、そして旦那さんについても照れながらも嬉しそうにアヤレチさんが話してくれました。 これには通訳をしてくれたエチオピア人スタッフも興味津々でその後も私に、「あの話は面白かったし、今まで聞いたことない話だった」と言っていた。



この会話で実感した事は、

-      色んな話題に興味を持つ事ができ、それに対して事実質問が出てくる

-      シンプルな事実質問から、時に思いがけない答えが返ってくる



これはきっと日々の積み重ねもあるのだろうと思っている。

特に、月に一度の勉強会で、意識して事実質問を使うことによりそれが身についてきていると感じた。 ただ興味を持ったことを聞くだけではなく、勉強会でも「セルフエスティームを上げる」ということをポイントに練習をしている。その結果、相手にとっても聞いてほしいことを意識するようになった事も勉強会の成果なのではないかと思った。




(ムラのミライ認定トレーナー 松浦史典



読み切り形式でどこからでも読める、対話型ファシリテーションの入門本。
対話型ファシリテーションの手ほどき」 (700円+税 2015年12月発行)