2019年2月19日火曜日

「保育園に行きたくない!」の、本当の理由とは

日常のここぞ、と言うときにとても便利な「いつ」を使った事実質問。
みなさんは、「何で」と聞かない事実質問で、相手のリアリティを知ることが出来た経験はあるでしょうか。
もし、とっておきのエピソードがあればメールやお会いした時に教えてくださいね。
さて今日は、保育園へ通う子どもに保育園に行きたくない「本当の理由」を聞いたお話です。

横で寝ていた子どもが、珍しく朝起きるなり「保育園に行きたくない!」と言い始めました。
「行きたくない時もあるよね。」と言うと、
「そうなんや、今日はお家で遊びたい気分なんや。」と答えました。
翌朝も、同じように目が覚めるなり、「保育園に行きたくない。」と言い始めました。
連日保育園を嫌だと言うことは珍しく、よほど嫌なことがあったのかと心配になり、今日こそは保育園に行きたくないと言う理由を聞かなくてはと思い、子どもを送り出しました。
その日の夕方は、保育園の友達と遊具で遊んでいて、いつもより帰りが遅くなりました。
夜ご飯を食べていた時に、子どもが
「明日は保育園休みたい」と言うので、思わず
「さっきまであんなに保育園から帰りたくないと言ってたのに、何で休みたいの?」
と言いそうになるのをぐっと堪えました。

以前に「何で保育園嫌なの?」と聞いて失敗したことが教訓になっていたからです。
その時子どもからの答えは、保育園は楽しくないから、ママがいないから、お家のおもちゃが好きだからなどと、言い訳ばかり。
それもそのはず。
何で嫌なの?と聞くから、子どもはその場しのぎの嫌な理由を並べただけという、Why質問の典型的なダメダメ質問パターンでした。
だからこそ、今回は事実質問で、本当の理由を聞いてみようと思ったのです。

さて、みなさんなら家族や同僚が珍しく
「会社や学校に行きたくない」と言ってきた時、どんな事実質問を投げかければ、相手が本当の理由を答えてくれるでしょうか。

実践できたえた技を、講座でお伝えしています

私は、保育園を休みたいという子どもに
「あなたがそんなに嫌ならいつでもお迎えに行けるよ。たとえば今日は、いつお迎えに来て欲しかったの?」と聞いてみました。
子どもはすぐに、
「お昼寝のときに来て欲しかった」と言いました。

私「そっか。家で寝るときは2人で一緒のベッドで寝るもんね。」
子ども「そうなんや。明日はお家で寝たいなぁ。」
私「寝る前?起きた時?どっちが寂しかったの?」
子ども「起きた時。」
私「そっか。他には寂しかったことあった?お昼寝の前は何してたの?」
子ども「寂しくなかった。〇〇ちゃんと遊んでたから、面白かったよ。」
私「じゃお昼寝のあとは何したの?」
子ども「お昼寝の時間が終わるまで、お布団で待ってた。」
私「そっか、待てて偉かったね。他のお友達より早く目が覚めたんだね。」
子ども「うん。目を開けておしゃべりしないで、待ってた。」
私「そうだよね、お家ならすぐに話せるもんね。お昼寝の時間が終わって、お布団を片付けたあとは何したの?」
子ども「先生と折り紙したんや。上手やから、すごいねって褒めてもらった!」
と話してくれました。



園での出来事を聞く会話のラリーが何度か続いたあと、子どもが
「もうすぐ鬼が来るかもしれへんから、心配なんや。」
とポツリ。
保育園では、今週から折り紙で鬼をつくる練習をしているそう。
そろそろ現れそうな鬼の気配を感じる季節に、お昼寝の時間が終わるのを一人静かに待つのは、いつも以上に不安だったんだなと、子どものリアリティを知ることができました。

それでは、今年も研修や講座でお会いできるのを楽しみにしています。
山岡 美翔 ムラのミライ 理事)



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