セネガル報告会レポート後編です。
菊地さんと和田さんによる対話形式の報告のあと、参加者からもたくさん質問が上がりました。その一部をご紹介します。
Q:元々、事業地の小規模農家たちは「農業で生計が立てられなくなって都市や欧州に出稼ぎに行く」という問題を抱えてたとのことでしたが、ため池などで土壌の保水能力が向上し、(水やりなど)水のマネジメントがうまくいった場合、出稼ぎに行かなくても済む営農パターンというのはありますか?
和田:それはわかりません。ただ、教えたのは『何事にもコストがかかる』ということです。種や肥料を買うことだけがコストではない、労働時間や売る時の経費を含めて、すべての工程でどれだけのコストをかかるのか、ということが明らかになるようにしました。そこから、各自が判断すれば良いと思っています。(つまり、それぞれが自分で考えて「こういう農業をする」と決めて、実行する、それを続けていくということ)
Q:「指導員養成」や「指導員による循環型農業の普及」という活動について、指導員はどのように農法を普及していったのですか?ムラのミライから動機付けはどのように行ったのですか?
和田:普及方法は、自分の畑の周りのひとたちに伝える、ということです。まず、農民は遠くまで行けません。また、指導員の畑の周囲の農民たちが、「なにやってるんだ」と思い、(指導員に)聞く。そこで、指導員は系統的に教えるのではなく、それに応える・教える、という感じ。興味を持った人が聞いてきた時に、その場で教える、ということです。
また、ムラのミライは動機付けはしません。そうなるだろう、という予想がつくのです。ンディアンダ村の指導員の一人が、「土壌の塩化を防止するのが自分だけではだめだ」と気づいたように、それ(知識や発見)が動機づけになるのです。(場所を)限定的にするのではなく広範囲でしないとだめだ、ということに村人自身が気付くようになること。それが重要だと考えています。
他にも、最後の1年間にンディアンダ村で整備されたため池の使い方や効果、既存の灌漑設備の有無や研修に来ていた農民たちの選出方法など、終了時間ギリギリまで、参加者の質問は続きました。
まだまだあるエピソード
たくさんの方々に参加していただき、質問もいただき、本当にありがとうございました。
「大変勉強になりました。農民の皆さんの意識が少しずつ変化していく様子を思い描くことができ、大変興味深く拝聴いたしました」
「沢山の実践ベースのお話を聞くことができ、大変勉強になりました!」
などの感想もいただきました。
まだまだエピソードはあります。
続きは、11月1日(土)のイベント「セネガルのお話&ランチ交流会in 京都(西アフリカ料理)」でみなさんと共有できればいいなと思います。
ぜひご参加ください!