私が最初にムラのミライ(当時ソムニード)の地域づくりファシリテーションに出会ったのは、2007年。南インドの事業地で研修をうけたのが最初でした。
地域づくりについて全く無知だった私は、1つ1つの学びが新鮮であり、一方で、地域づくりとはそもそも何なのかということも全く理解していませんでした。そんな研修中、村へ移動する車中で、一緒に研修を受けていた女性が、
「和田さんが話していたことは、子育てと同じ」と話してくれました。
「地域づくりとは、人を育てること。自己肯定感、本人に気づきを与える、信じて待つ、これらはすべて子育てにおいて言えること」そんな話だったかと思います。当時、私は子育ての経験もなく、彼女の話を知識・情報としてしかとらえることができませんでした。
それでも、南インドで交わした
「地域づくり=子育て」
の会話は印象深く、残っていました。
それから何年かが経ち、私も母親となり、子どもを育てることになりました。
成長とともに、子どもが発話をし、会話をするようになったころ、「途上国の人々との話し方」を読んだり、中田さんの講座へ参加したり、一時帰国中の前川さんと話をしたりする中で、対話型ファシリテーションは子育てに必要なコミュニケーションスキルそのものであると、強く感じるようになりました。
では、そんな私が日常でどれだけこのスキルをとりいれられているかというと、自信をもって紹介できるような成功例はなく、
けれども、子どもとの日々の対話の中で確実にこのスキルに助けられています。
この春に小学校に入学した上の子は、普段の学校の様子を自分から話すタイプではありません。
保育園の頃から「今日どうだった?」とでも聞けば、
「知らない」「忘れた」という返事しか返ってきませんでした。
そこで「いつ」「どこ」「だれ」「なに」質問をフル活用。
事実質問を繰り返すことで、彼女の昼間の様子が少しずつ見えてきます。
時として「今日○○ちゃんに□□と言われた。」だったり、「○○ちゃんが△△ちゃんに□□をした」等の話が事実として浮かび上がってくることもあります。
そこで彼女がどんな気持ちだったのかを聞き、
また事実質問を繰り返すと、
「次に同じことがあったら、こうしようかな。」
等という答えが彼女から出てくるとホッと一安心。
一方で、エントリーポイントを間違えることもしばしば。「今日の給食はなんだった?」と聞くと「忘れた」「知らない」との答え。そこで会話は終わってしまう、なんていうこともあります。
感情的になると「どうして○○したの!」「なんで△△なの?!」をついつい連発してしまい、子ども「だって」に続く、何の解決にもつながらない言い訳を聞いてさらにヒートアップして後から反省・・・ということも。
他のみなさんのような成功例や、やり取りはまだまだできていませんが、対話型ファシリテーションを知らなかったら、子どもとの日常的なコミュニケーションも異なるものになっていたでしょう。
(神田すみれ)
地域づくりについて全く無知だった私は、1つ1つの学びが新鮮であり、一方で、地域づくりとはそもそも何なのかということも全く理解していませんでした。そんな研修中、村へ移動する車中で、一緒に研修を受けていた女性が、
「和田さんが話していたことは、子育てと同じ」と話してくれました。
「地域づくりとは、人を育てること。自己肯定感、本人に気づきを与える、信じて待つ、これらはすべて子育てにおいて言えること」そんな話だったかと思います。当時、私は子育ての経験もなく、彼女の話を知識・情報としてしかとらえることができませんでした。
それでも、南インドで交わした
「地域づくり=子育て」
の会話は印象深く、残っていました。
それから何年かが経ち、私も母親となり、子どもを育てることになりました。
成長とともに、子どもが発話をし、会話をするようになったころ、「途上国の人々との話し方」を読んだり、中田さんの講座へ参加したり、一時帰国中の前川さんと話をしたりする中で、対話型ファシリテーションは子育てに必要なコミュニケーションスキルそのものであると、強く感じるようになりました。
では、そんな私が日常でどれだけこのスキルをとりいれられているかというと、自信をもって紹介できるような成功例はなく、
けれども、子どもとの日々の対話の中で確実にこのスキルに助けられています。
この春に小学校に入学した上の子は、普段の学校の様子を自分から話すタイプではありません。
保育園の頃から「今日どうだった?」とでも聞けば、
「知らない」「忘れた」という返事しか返ってきませんでした。
そこで「いつ」「どこ」「だれ」「なに」質問をフル活用。
事実質問を繰り返すことで、彼女の昼間の様子が少しずつ見えてきます。
時として「今日○○ちゃんに□□と言われた。」だったり、「○○ちゃんが△△ちゃんに□□をした」等の話が事実として浮かび上がってくることもあります。
そこで彼女がどんな気持ちだったのかを聞き、
また事実質問を繰り返すと、
「次に同じことがあったら、こうしようかな。」
等という答えが彼女から出てくるとホッと一安心。
一方で、エントリーポイントを間違えることもしばしば。「今日の給食はなんだった?」と聞くと「忘れた」「知らない」との答え。そこで会話は終わってしまう、なんていうこともあります。
感情的になると「どうして○○したの!」「なんで△△なの?!」をついつい連発してしまい、子ども「だって」に続く、何の解決にもつながらない言い訳を聞いてさらにヒートアップして後から反省・・・ということも。
他のみなさんのような成功例や、やり取りはまだまだできていませんが、対話型ファシリテーションを知らなかったら、子どもとの日常的なコミュニケーションも異なるものになっていたでしょう。
(神田すみれ)