岐阜県郡上市母袋集落で3日間に渡って開催された、「地域づくり・地域支援のためのコミュニケーション研修」。
2日目の8月27日。私、インターン生の野片は3グループある内の1つに加えてもらい、グループの4人の参加者に混ざって研修に参加しました。
午後のグループワークの課題として与えられたのは、暮らしを分解していくということ。
食、水、エネルギー、交通、住、ごみ、教育、環境、などといった暮らしの項目を細かく細かく分解していくということ。分解する中で、どのような選択肢があるのかを知ること。
私たちのグループは「住」の項目を選び、メンバーの中の一人のお宅について、分解をしていきました。
-お住まいはどちらにありますか?
-いつから住んでいますか?
-そのお家はどうやって探しましたか?
-お家を探す際の検索ワードは何ですか?
-一緒に暮らしている人はいますか?
-何階建てですか?
-部屋は何部屋ありますか?
-リフォームする際、使用した木材は何ですか?
-木材はどこで入手しましたか?
この様に質問を重ねていきました。聞きこんでいく中で、家主の家に対する理想やこだわり、お家の使い方が徐々に明らかになっていきます。質問をする傍らで、頭の中では自分の住んでいる家についても考えていました。
-いつから住んでいますか?
私が高校1年生の時からだから、今年で8年目かな。
―家は誰が設計しましたか?
知らないなぁ。
―そのお家は誰が購入しましたか?
私の両親。
―お家は何で出来ている?
木造のお家だけど、建材って誰が選んで、どこから持ってきたのだろう…
同じ質問でも、私から出る答えは「知らない」ばかり。どのような選択肢があったのか、その中の何を選択して、今暮らしている家が存在するのか。私には何も見えてきません。
住居は両親の財産です。では、自分で選んで購入した、たった今着用しているボーダーのTシャツを分解してみるとどうでしょう。
―いつ購入しましたか?
4年前です。アウトレットモールで購入しました。
―具体的に何というお店か覚えていますか?
忘れました。
―誰がデザインしたのでしょう?
分かりません。
―どこで製造されましたか?
タグには「Made in China」と書かれているけれど…広い中国の具体的にどこだろう。
そもそも、布地や糸も中国で作られているのかな。タグには綿100%とあるけれど、
どこで採取されたのだろう。誰が素材を選んだのだろう。
縫製したのは誰で、その際にどのような道具を使ったのかな。
中国から日本には、誰が、どうやって、いつ、運送したのだろう。
販売店への入荷を決めたのは誰で、価格はどうやって設定したのだろう。
なんてこった。
自分で選んだTシャツについてでさえも、一度事実質問を用いて分解を試みると、私は何も知らないのだということに気づきます。
分解しきれないことに気づきます。
私がこのTシャツを買った際の選択の基準は、精々ボーダーであるということと、学生にとってもお手頃な価格であったということくらい。
私の持ち物に対して事実質問を繰り返す中で、思い出した一節がありました。(以下、「途上国の人々との話し方」より抜粋)
「事実質問の練習 その2→身の回りの「もの」を取り上げ事実質問を30考える
…ここで重要なのは、ひとつの「もの」や「こと」には、多様な側面があることに気づくことである。…事実質問を行うことは、物事の持つ多様な側面についての知識と各要素間の相互関係への理解を深めるために絶好の訓練になる。その積み重ねが、ものごとへの理解を飛躍的に高めてくれること、請け合いである」(途上国の人々との話し方、pp274-276)
今回の母袋の研修で学んだのは、私は自分の暮らしを構成する要素を分解しきれないということ。
知らないということ。
講師である和田さんは、ムラの景色を見るだけで、そのムラが辿ってきた過程が分かるとおっしゃいました。
それが、一人前のファシリテーターだと教えてくださいました。
一人前になれるよう、まずは自分自身の生活を分解しきれるようにならねばと思います。
私の暮らし、身の回りのものごとへ事実質問をもっともっと重ねて、訓練していきます。
(ムラのミライ インターン 野片真美)
→読み切り形式でどこからでも読める、メタファシリテーションの入門本。
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2日目の8月27日。私、インターン生の野片は3グループある内の1つに加えてもらい、グループの4人の参加者に混ざって研修に参加しました。
午後のグループワークの課題として与えられたのは、暮らしを分解していくということ。
食、水、エネルギー、交通、住、ごみ、教育、環境、などといった暮らしの項目を細かく細かく分解していくということ。分解する中で、どのような選択肢があるのかを知ること。
私たちのグループは「住」の項目を選び、メンバーの中の一人のお宅について、分解をしていきました。
-お住まいはどちらにありますか?
-いつから住んでいますか?
-そのお家はどうやって探しましたか?
-お家を探す際の検索ワードは何ですか?
-一緒に暮らしている人はいますか?
-何階建てですか?
-部屋は何部屋ありますか?
-リフォームする際、使用した木材は何ですか?
-木材はどこで入手しましたか?
この様に質問を重ねていきました。聞きこんでいく中で、家主の家に対する理想やこだわり、お家の使い方が徐々に明らかになっていきます。質問をする傍らで、頭の中では自分の住んでいる家についても考えていました。
-いつから住んでいますか?
私が高校1年生の時からだから、今年で8年目かな。
―家は誰が設計しましたか?
知らないなぁ。
―そのお家は誰が購入しましたか?
私の両親。
―お家は何で出来ている?
木造のお家だけど、建材って誰が選んで、どこから持ってきたのだろう…
同じ質問でも、私から出る答えは「知らない」ばかり。どのような選択肢があったのか、その中の何を選択して、今暮らしている家が存在するのか。私には何も見えてきません。
住居は両親の財産です。では、自分で選んで購入した、たった今着用しているボーダーのTシャツを分解してみるとどうでしょう。
―いつ購入しましたか?
4年前です。アウトレットモールで購入しました。
―具体的に何というお店か覚えていますか?
忘れました。
―誰がデザインしたのでしょう?
分かりません。
―どこで製造されましたか?
タグには「Made in China」と書かれているけれど…広い中国の具体的にどこだろう。
そもそも、布地や糸も中国で作られているのかな。タグには綿100%とあるけれど、
どこで採取されたのだろう。誰が素材を選んだのだろう。
縫製したのは誰で、その際にどのような道具を使ったのかな。
中国から日本には、誰が、どうやって、いつ、運送したのだろう。
販売店への入荷を決めたのは誰で、価格はどうやって設定したのだろう。
なんてこった。
自分で選んだTシャツについてでさえも、一度事実質問を用いて分解を試みると、私は何も知らないのだということに気づきます。
分解しきれないことに気づきます。
私がこのTシャツを買った際の選択の基準は、精々ボーダーであるということと、学生にとってもお手頃な価格であったということくらい。
私の持ち物に対して事実質問を繰り返す中で、思い出した一節がありました。(以下、「途上国の人々との話し方」より抜粋)
「事実質問の練習 その2→身の回りの「もの」を取り上げ事実質問を30考える
…ここで重要なのは、ひとつの「もの」や「こと」には、多様な側面があることに気づくことである。…事実質問を行うことは、物事の持つ多様な側面についての知識と各要素間の相互関係への理解を深めるために絶好の訓練になる。その積み重ねが、ものごとへの理解を飛躍的に高めてくれること、請け合いである」(途上国の人々との話し方、pp274-276)
今回の母袋の研修で学んだのは、私は自分の暮らしを構成する要素を分解しきれないということ。
知らないということ。
講師である和田さんは、ムラの景色を見るだけで、そのムラが辿ってきた過程が分かるとおっしゃいました。
それが、一人前のファシリテーターだと教えてくださいました。
一人前になれるよう、まずは自分自身の生活を分解しきれるようにならねばと思います。
私の暮らし、身の回りのものごとへ事実質問をもっともっと重ねて、訓練していきます。
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