2018年8月31日金曜日

地域おこしと対等感 母袋で学んだこと1 

8月26日から8月28日で開催された、「地域づくり・地域支援のためのコミュニケーション研修」。あっという間に終わった研修の帰り道で、一人で電車に揺られている時に真っ先に思い浮かぶのは、会場となった岐阜県郡上市、母袋集落の素敵なおっちゃん達です。
おっちゃん達は、何であんなにチャーミングなのだろう―――少しだけ振り返ってみました。


おっちゃん達は1日目の懇親会にも、2日目のBBQにも駆けつけてくれました。
BBQでは、自分で作ったというシイタケを日本酒と一緒に調理したものや、棒に刺して焼いたアユを沢山ふるまってくれました。BBQの後の二次会にも来てくださって、桃色と白色のどぶろくを、たんと飲ませてくれました。おっちゃん達の様子から、思い出したことがありました。「途上国の人々との話し方」の一節です。

「メタファシリテーションが人間科学に基づく手法を標榜するのは、人間という生物種に共通な心理と行動のメカニズムを重視するからである。つまり、金持ちだろうと貧乏だろうと、子供だろうと大人だろうと、都市のインテリだろうと無学な漁師だろうと、一皮向けば大差ない。つまり、同じ人間であるという対等感から常に出発することを旨としているわけである。同じ人間であるということから出発し、自分を相手に置き換えて考えてみる」
途上国の人々との話し方、p327より)
 


おっちゃん達から見た私は、23歳の何も知らない大学生。なのに、「おねえ」や「マミーゴ」と私を呼び、まるでずっと前から仲が良かったかのように輪に入れてくれる。

例えば、おっちゃんが食べさせてくれた、日本酒と炙ったシイタケ。
 -シイタケはいつ収穫したのですか?
 -シイタケはどこで栽培したのですか?
 -シイタケを収穫するときは、どんな道具を使うのですか?
 -シイタケの栽培を始めたのはいつですか?
 -シイタケの栽培方法はどこで学んだのですか?
 -日本酒と炙る調理法はどこで知ったのですか?
 -どの日本酒を、どれくらい使えばいいのですか?

このように事実質問をしていくと、私は何にも知らないということが分かります。
おっちゃん達はたんと食べさせてくれました。おいしいシイタケを作れること、アユを焼けることなんて何てこと無いかのように、気さくにおしゃべりをして、どんどん振舞ってくれました。私は生意気にも胡坐をかいて、輪に加わっているだけ。こちらが集落にお邪魔しているのに、最後には「よく来てくれたね、またおいでね」と言ってくれました。居心地の良い対等感を作ってくれました。

大学4年生の私。春に入学した1年生との会話を思い出しました。
1年生のころから専攻分野を何にするか考えたほうがいいよ―――
サークルだけに集中する大学生活は勿体ないよ―――
1年生のうちから大学の外でも繋がりを作ったほうがいいよ―――
などなど、求められていない提案をしたり、何かと「先輩風」を吹かせていたことを反省しました。おっちゃん達みたいな「気さくさ」とは程遠かったことを反省しました。


ムラのミライのスタッフの方たちの様なファシリテーターに早くなりたい、もっと勉強したい。そんな中、参加させて頂いたのが母袋でのフィールド研修です。
この研修を通して、目指すファシリテーター像がより具体的になった気がします。母袋のおっちゃん達に教えてもらいました。

おっちゃん達みたいな、目じりに皺のあるおばちゃんになりたいです。
おっちゃん達みたいな、他所から来た大学生にうんと美味しいものを振舞えるおばちゃんになりたいです。
そしておっちゃん達みたいに居心地の良さを作れる、そんなファシリテーターになりたいです。

次に母袋にお邪魔するときには、シイタケの美味しい調理法を教えてもらえたらいいなと思います。




(ムラのミライ インターン マミーゴこと野片真美)




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