2022年12月19日月曜日

「ずっと痛いんです」 メタファシリテーションを医療の臨床現場で活かす

メタファシリテーション®を学んで、はや5年以上経過しようとしています。今回は、医療現場でメタファシリテーションをどのように使用しているかの事例についてご紹介したいと思います。

私は、医師が少ないへき地といわれるところで働いています。
都会のように病院に専門科(消化器内科とか循環器内科とか整形外科)が分かれていることは少ないので、外来ではさまざまな科にまたがる相談を受けます。その中でも多いのが、膝が痛い、腰が痛いなどの整形外科にかかわる相談です。

多くの患者さんはどこか痛いところがある時に「膝がずっと痛いんだよ」という言い方をします。そんな時に私は決まって「今、痛みがありますか?」と聞くようにしています。

ずっと」はメタファシリテーションでいう「一般的な言葉」なので、本当に事実かどうかはこの時点でわかりませんよね。
そこで私は「今、痛みがありますか?」という存在を聞くyes/noの事実質問をすることとで空中戦から地上戦にうつし、そこからさらに事実質問を使って症状を具体的に聞いていきます。

たとえばこんな感じです。

患者さん:右膝がずっと痛いんですよ
私:今座っていて体動かしていなくても痛みますか?
患者さん:それは痛くないです
私:最後に痛くなったのはいつ?
患者さん:今朝、畑でしゃがんた時に痛みました。しゃがめないんですよね
私:いつからしゃがんだ時に痛むようになったんですか?
患者さん:2ヶ月前からです
私:痛くなった時のこと覚えてますか?
患者さん:あ〜そういえば・・・。

実は私たちにとって、本当にずっと症状が続いているかどうかは、とても重要なことなんです。

ずっとが本当に1秒も途切れることもない痛みであれば、それは痛いところが腫れていたり炎症が起きている可能性があがります。
そうではなく、ずっとを「何かした時痛くなると」いう意味で使っているのであれば、どこか特定の筋肉や腱などが痛んでいて症状がでている可能性が高くなります。

とくに救急外来では、このずっとの重要性がさらに高まります。
1秒もよい時間がないずっとの場合、早めに何か対処しないといけない病気である可能性が上がるので患者さんがずっとと言った時ほど、本当にずっとなの!?早く確認したい!と思いながら問診をしています。

今日は外来でのずっとにまつわるメタファシリテーションの応用についてお話しさせていただきました。また、外来でのメタファシリテーションの応用事例を共有できればと思います。

平野貴大 ムラのミライ認定トレーナー)


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