2014年10月7日火曜日

「そのワンピース可愛いね」が大切なわけ

簡単な事実質問を重ねながら相手の課題分析を手助けする際、事実質問の内容にばかり気を取られ、「いつから○○したんだ」「誰と○○したんだ」等と、どうしても刑事ドラマのワンシーンのようになってしまうことがあります。場合によっては、あまりの圧迫感から相手に不快感を与えてしまうかもしれません。

今回紹介するポイントはそうした状況を避けて、どうやって話を切り出すのか、そしてどうやってセルフエスティームを上げるか、悩んだときに使える尋ね方です。

「セルフエスティームが上がるエントリーポイントを探す=持ち物について尋ねる」

事実質問それ自体は、それほど複雑な技術ではありません。相手の返してくれた答えに対して事実のみを繰り返し聞いていきます。ひとつの事象に関していくつもの事実質問が可能なので、きちんと意識さえすればいつまでも続けることが出来ます。

肝心なのはその入り口です。単刀直入に課題に関する質問をするのではなく、まずは相手の心を開き、信頼関係を築くのに適当であると思われる話の入り口を見つけることが大切なのです。代表的な例が「服装」や「持ち物」です。相手の身の回りにあるもので、その人が実はひそかに自慢しているのではないか、拘りがあるのではないかと思えるものに目を向けます。
「そのワンピース可愛いね、どこで手に入れたの?」
最初の一言があるのとないのでは、相手の感じ方も大きく変わってきます。相手から持ち物を褒められたら悪い気はしませんよね。私の場合、嬉しさから一瞬にして心を開いてしまいます。

このように、服装や持ち物は最も簡単で効果的な話の入り口ではありますが、そこから課題へと繋がるとは限りません。そこからは有効な糸口を探して徐々に事実質問の内容を考えていきましょう。

相手の課題解決を手伝う際のファシリテーションの手順は『途上国の人々との話し方』第3部「メタファシリテーションの実践」に詳しく書いてあります。まだお読みでない方はぜひこちらをご覧ください。


2014年度インターン 山下)