2015年1月6日火曜日

凄腕ファシリテーター登場!?

対話型ファシリテーションでは、
課題を抱えた相手に直接答えを教えるのではなく、
対話を通じて相手に気付きを促すことが重要です。
読者の皆さんの中には、この「教えるのではなく、考えさせる」ことに
難しさを感じている方もおられるかもしれません。

今回は、「考えさせる」ことに頭を悩ませながらも、
着々と経験を積んでいる指導員の様子をインドからお届けします。
これから各村に指導を行う指導員たちが、
自分たちでグループを作って模擬研修をしている様子です。

試行錯誤する指導員たちの中でもキラリと光るのが、B村の青年アナンドだ。
とても単調に穏やかに話す青年である。
「この前、いつお会いしましたっけ?」
と、まずは前回の復習から入るアナンド。
これもソムニード(現ムラのミライ)・スタイルの研修の基本。
「先週、あなたたちの村で発表会があった時に、聞きに行きました」
「そうでしたね。その中で、記憶に残っているものはありますか?」
「初めて、石垣の役割を知ったよ」
「植林をたくさんしてたよね」
と、『初参加の村人役』の指導員たちが答える。
そして次々と簡単な質問を投げかけ、自分の村の山の状態について思い起こさせる。
「だからやっぱり、ぼく達も石垣を作りたい」と『初参加の村人役』。
「じゃぁ自分たちで作ればいいじゃないですか」と、アナンド。
この切り返しに、『初参加の村人役』たちもビックリ。
「ハイ、では一緒に作りましょう」
とはすぐに言わず、例えば本当に石垣が必要なのか、何が自分たちでできるのか、次にどのような研修が必要なのか、わずか10~15分の間で相手に考えさせるように促している姿は、もう第2のラマラジュを見ているようだ。
『初参加の村人役』の指導員たちがいつの間にやら真剣に考えているが、
「ちょっとちょっと、そんなことを考えるのは初めてじゃないでしょ?」
と内心ツッコミを入れる筆者たち。
こうして、どんな質問が答えやすいのか、どんな教材があったら分かり易いのか等々、指導員として意識すべきことを段階を経て身につけていった。



「かっこいい村を増やしたい」という強い意志のもと、
彼らは、今まさに指導員として新たな一歩を踏み出そうとしています。

彼らの挑戦に、是非ご協力宜しくお願い致します。

村人が主役!「かっこいいムラ」づくりを応援~インドの農村が目指すミライ


(2014年度インターン 山下)