2015年2月17日火曜日

人に期待する前に、まず自分でやってみる

ネパールの首都・カトマンズを流れるバグマティ川を舞台にした、地域コミュニティ強化プロジェクトと生活環境改善プロジェクトを担当しています。ネパール事務所駐在員、池崎です。

現地からの最新情報として発信する、でこぼこ通信第13号「建設予算の開示無くして何が住民主体プロジェクト?」 (2014年9月16日発行)では村の建設事業予算の開示についての、スタッフ間のすったもんだについてお伝えしました。

そのすったもんだとは、、、、
デシェ村の人たちに予算を包み隠さず公開しようとする私たちムラのミライ(旧称ソムニード)のやり方に、不安を覚えるネパール人の建設関係者たち。その理由は、建設には利害関係がつきもので詳細まで開示することによって起こりうるデシェ村のヒトたちとの騒動、利害関係者との調整の困難さ、そしてそのことによる建設作業の遅れを懸念するということでした。現地カウンターパートのネパール人スタッフは、予算を村の人たちに開示しない、あるいは部分的になら開示する方向で行きたいと主張するところ、私たちは「最後の1パイサ(=最後の1円単位)まで、デシェ村住民に公開し、理解してもらうことは必須」ということで、デシェ村住民へ予算の全面開示を行いました。(詳細はでこぼこ通信第13をご覧ください)



書籍『途上国の人々との話し方』では、「予算こそ核心:これを村人がつくらずに村人のオーナーシップはありえない」(第3部 メタファシリテーションの実践 390頁)とあります。「予算づくりを実際にやっていなければ、メンテにいくらコストがかかるか分かりようがなく、それが分からなければ、必要な資金を調達することも事実上不可能」まさしくその通りなのです。

さてこの予算づくり。アクション・プランづくりともいっていますが、「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どうする」という視点が各工程にぎっしり詰まった一覧表です。例えば建設作業であれば、具体的に何がいつから始まり、誰がそれを行い、そしてお金は何を根拠にいくらかかるのかということが詳細にかいてあります。建設であればそれなりの工程が含まれるわけですから、慣れていなければ作るにも時間がかかりますし、完成した一覧表を理解し、更新し続けるにも根気と訓練が必要です。



正直なところ、ソムニードスタッフ(ネパールの現地ローカルカウンターパート。私たちムラのミライと一緒に事業を行っています)にとっても、このアクション・プランは超がつく苦手分野。上記書籍392頁に「アクション・プランづくりも技術:沢山練習しないとできるようにならない」とありますが、本当にその通りで、これは経験者しかわからない大変な部分があることは否めません。しかし、本当の意味での「持続可能な取り組みへの唯一の道」を辿るためには、ネパール人ソムニードスタッフがアクション・プランづくりのための技術を習得し、その技術が研修を通じてデシェ村住民へと受け継がれ、それが他地域へと普及していくというプロセスが欠かせません。



対話型ファシリテーション自主学習ブログ読者の皆さんも是非、このアクション・プランづくりをまず自分で作ってみるところから始めてみてください。


(ネパール事務所駐在員 池崎翔子)