2015年7月13日月曜日

それって本当に必要なモノ?

5月某日。ネパールで425日に発生した地震の影響が少し落ち着き、普段の生活に戻り始めたころに、ネパールオフィスのスタッフから一通のメールが届きました。
6月からのネパール行きが決まり、関西オフィスで準備中の私に「オフィスの備品が足りないので買いたいのだけれど…」という相談のメールでした。

さて、そのメールに添付されていたリストを見てみると、研修で利用する文房具から、印刷機のトナー、オフィスにあると便利なグッズまでがずらりと並んでいました。
「これもあれもホンマに必要なん?ブックスタンドとかオフィスにあったし、今すぐ必要ないやろ…USBだって誰が使うん?」とPCの前で思わずツッコミを入れてしまう私。
彼らが決して無駄遣いしようとしているわけではないのはわかります。ですが、ムラのミライだって、ソムニード・ネパールだって無限にお金があるわけではないので、必ず使う消耗品や、急を要するもの以外は今回は購入しないでおこう。とはいえ、リストだけだと本当に必要なものかどうかがわかりません。それを検証するためにはどうすればよいでしょうか?

「ネパールからこんなリストが届いたんですが、どこから話を切り出して必要なものだけを買うようにしたらいいんでしょうか?」と泣きついた私に、宮下さん
「最近困ったことがあったのか」、事実質問で聞いてみたら?」。
そう、「それ」が本当に課題(=資金を投入して解決する必要があるか)かどうかを検証するための事実質問には
・具体的に困ったことがあったのかどうか(最近もしくは最初)
・解決のためになにかアクションを起こしたことがあるのか
を聞く、というものがありましたよね。
さっそくその日のうちに検証開始。日本とネパールで距離が離れていて彼らと直接やり取りできないぶん、ネパール駐在の池崎さんに手伝ってもらって、在庫の確認や、「具体的に困ったことがあったのか、それはいつか」を聞きつつ、購入リストを完成させました。

日々の仕事で発生するちょっとしたやり取りですが、まさに事実質問の使いどころだったわけです。何気ないやり取りのなかでも事実質問の使いどころに気づき、「具体的に困ったことがあった?」「それはいつ?」など質問を繰り出せるようになることが、ファシリテーターには必要なんだと思わされた出来事でした。


ちなみに、私が冒頭で「これ必要!?」とツッコミを入れていたブックスタンドですが、この一連のやりとりで、数か月前に私がネパールオフィスに行った時に「ここに本立てがあると便利だなー」と言っていたのを覚えていてリストアップしてくれていたということがわかりました。本人も忘れていたことを覚えていてくれたスタッフに感謝とちょっとだけの申し訳なさを感じつつ、「これまでを振り返っても、困ったことはなかったな」と購入リストからはサクッと削りました。




(研修事業・海外事業コーディネーター 田中 十紀恵