2017年8月29日火曜日

コミュニティ開発プロジェクトの「あるある」セッティングを変える~これがホントのメタファシの力・・・かな?②

前回の続きで、一対多の場合、どうやってすでに主催者側の思惑で場が設定されている、そして動員されている側も義理でつき合っている状況を崩していくのかというお話をします。


まず、ひな壇に椅子が並べられていたら、ひな壇から下りて、なるべくコミュニティからの参加者に近づきます。ほとんど、最前列で聞いている人たちに接触するくらいに。

ある意味、あざといやり方ですが、参加者との物理的距離の近さ、訓示を垂れるのではなく、お説教をするのではなく、あなたたちに語りかけるのですよ、ということを態度で示す。それこそ、何百人もいる広い会場ではできないことですが、せいぜい最大100人くらいの会場では可能なことです。参加者の人数が2,30人程度で、おなじフロアに、お偉いさんたちの椅子が置いてあるというだけのセッティングだったら、椅子から下りてみんなと膝をつき合わせて床に座るということをします。

実は、これは腰痛の出やすい私のような年寄りには辛い話ですが、最初が肝心です。こういうときは、私もできる限りやせ我慢をします。最初にこうすると、あ、こいつはなにをするんだろうな、ということでまず、最初の物理的な「つかみ」ができます。


さて、物理的に「つかめた」としても、後が続かなければどうにもなりません。問題は、これから話をする、参加者に語りかける私が何を話し始めるのか、どんな話題から始めるのかで、大げさにいえばその後の活動の展開そのものが決まってしまいます。ま、あまりプレッシャーを感じても仕方がないのですが、ここでのパフォーマンスが、私の(ということは、この文章を読んでいるあなたの)今後の活動、今集会の参加者として目の前にいるコミュニティのメンバーとの活動をし易くするのです。

まず、今度は何を話の「つかみ」として持ってくるかです。私がここで話すのは落語家として、あるいはエンタテイナーとしてではないので、また政治家や、例えば講演に来た学者先生ではないので、ただ参加者の注意を引けばいい、それだけの話題ではいけません。例えば時事ネタ、芸能ネタなどなど、新聞やテレビなどで知られている話題はいけません。よく、そういうネタでうまく聴衆を引き込んで本題に入っていく、話のうまい人がいますね。

私たちの場合は、話が「うまい」必要はありません。それよりも、なによりも大切なのは、私が参加者にどのようなことに、持続的に関心を持ってもらい、それが行動変化につなげていけるか、そのような話題を持ち出せるかどうかということです。そのような話題は、参加者が日々生活するコミュニティで起こっていること以外にはありません。

では、そのような話題をどうやって見つけるのか。それも、初めて訪れる場所でどうやって見つけるのか。それは、集会が行われる場所に行くまでの移動の間に見つけるしかありません。そうです。それは、私がどれだけ観察しているのか、その観察力にかかっているのです。

例えば、インドネシアのある小さな島を尋ねたときのことです。そこには、スピードボートで行きました。その島は珊瑚礁が美しく、海の碧さに吸い込まれるようです。ただ、ボートが船着き場に近づくにつれ、大して高くもない海岸近くの丘、せいぜい100メートル前後でしょうか、の頂上まで畑がつくられています。さて、そこで私はいろいろな可能性を考えます。ここに住む人たちは、半農半漁だろうな、最近急激に人口が増えているだろうな、作っているのはキャッサバが主かな、などなど。そして、上陸し、船着き場のすぐ近くにある村の人々と相まみえることになります。

島と周りの海は、まだ濃密な自然を残していて、文字通り天国のような美しさです。村の人たちへの第一声は、その美しさに圧倒されたことについてでした。珊瑚礁の海があまりにも美しいので、おもわず吸い込まれそうになって海に落っこちそうになったことなどから話を始めると、ここで笑いがとれたりします。こちらは、別に大げさに言うこともなく、素直に感じたことを述べればいいのですから、ここまでは特に難しいことはありません。


さて問題はこれからです。私が次ぎに何を話し、そして村人に何を聞くか、それがこの集会の性格を決めます。それは、次回のお楽しみに。

和田信明




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