2018年2月27日火曜日

セネガルで絶賛勉強中!初めてのメタファシリテーション~目からウロコの基本のき その3「確認」~

こんにちは。
菊地です。今回もセネガルよりお届けします。

まだまだメタファシリテーション初心者の私が、メタファシリテーションの生みの親である、和田さん中田さんのそばで見聞きし、これはヒントになる!と思った「基本のき」を一つご紹介したいと思います。

それは、1月に行われた農業研修での一コマでした。
村でのキャベツの苗

キャベツの農作業の工程を和田さんが参加者と確認していました。

参加者の農民が書いた、「水やり→耕す」という工程に目をつけた和田さん。
(日本だと通常は耕して、種まきをしてから水やりをするところ。)

和田「耕した後は水やりをするのか?」
村人「はい、耕した後にも水やりをします。私の畑の土は粘土質で硬いので、最初に水やりをして土を柔らかくして耕しやすくするんです。」

和田「ほお。粘土質の土は固くなると水を通しにくいから、水を遣っても柔らかくなる前に蒸発してしまったら勿体ないよ?」

和田「耕すのはどうやってするの?」
村人「機械がある人は機械。そうでなければ手作業。でも手だと大変なんだ。
親の代はロバとか馬を使って耕すこともあったけれど、そうすると15cmくらいしか掘れないんだよ。根の部分までしっかり耕して土を混ぜないといけないのに、15cmじゃ少ないんだ。」

和田「ほお。じゃあキャベツの根の深さを知っている?」
村人「うーん。知らないなぁ。」

和田「それぞれの植物の根の深さを知らなければ、どのくらいの深さで耕すのが良いか分からないよね?「耕す」ことの意味が、分からないよね。」

この後、和田は、堆肥(落葉や家畜のふんを腐らせた肥料)をする意味や、苗を育てる苗床を作る意味を問いかけて確認していきます。
水やりの様子(ナス)

おもしろいのは、参加している農民たちが、普段しているそれぞれの作業の意味を答えられないことでした。

これまで当たり前に行ってきたことの意味を問う作業は、それまで誰もしてこなかったのでしょう。しかし、何のためにするのかを分かってするのことと、当たり前と思って漠然とするのとでは、していることの価値が全く違うということを気づかせる問いでした。

自分たちがしていること、思っていることの根拠がどこにあるか、きちんと「確認」することで、それらが合理的なのか、あるいは思い込みに過ぎないのか、確かめることができるのですね。
研修の様子

私だったら、「なるほど、そうなんですね。」と鵜呑みにしてしまいそうなところ、ハッとさせられた和田さんの質問でした。

また一つ学びました。しかし実践への道はまだまだ。練習あるのみですね。

菊地綾乃 ムラのミライ海外事業コーディネーター/セネガル事務所)


★プロジェクトについて
プロジェクト名:地域資源の循環による農村コミュニティ生計向上プロジェクト~農村青年層のための「ファーマーズ・スクール」
JICA草の根技術協力事業(パートナー型)


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http://muranomirai.org/2017bokin