2018年5月18日金曜日

メタファシリテーションの実践から、自分の思い込みに気づく

シンプルな対話(いつ、何を、どこで、といった事実だけを聞きだす事実質問)を通して、相手に気づきを促したり、本当の問題を知ったりするためのコミュニケーション手法、(対話型)メタファシリテーション。今年の春休みにこの手法を知り、つまずきながらも日常生活で少しずつ実践しようと心がけています。今回は私のアルバイト先のレストランでのある先輩との会話について書きたいと思います。

二週間ほど前のある平日の暇なディナー営業でのこと、私は先輩と二人でおしゃべりをしていました。その先輩がインテリア好きだと以前に聞いていた私は、「一番最近買ったインテリアは何ですか?」と質問。
すると二年ほど前にスツール(背もたれのない一人用のいす)を通販で買ったとのこと。先輩は家にある北欧テイストのスツールの実物写真を見せてくれました。
「めっちゃおしゃれですね!」と私。

同時期に通販のオーダーメイドでキャビネットも購入したと先輩。北欧のインテリアが好きで通販で調べ、またインテリアとしてドライフラワーを買いに、実家に帰省した際二回ほど隣県のハーブ園に足を運んだこともあると聞かせてくれました。そういえば、昨年夏北海道に家族旅行に行っていたときは、小樽のハーブ園できれいなドライフラワーの置物をお土産で買ってきてくれたことを思い出しました。

その後話題は自然に音楽へと移っていき、私は先輩が学生時代に軽音楽部に所属していたことを知っていたので、いつから音楽に取り組んでいたのか気になり、質問してみました。

私:「音楽で何か活動し始めたのは大学生からですか?」
先輩:「いや、中学生のとき。学校にそういう団体がなくて、友達と部活を作って文化祭で発表したりもした。」
私:「へえ~そうだったんですか!」

その後、ヘヴィメタル、ヴィジュアル系、コンテンポラリーなどなど、私にはちんぷんかんぷんな、中学生時代からの先輩が好きになったロックミュージックの種類の変遷についてまでも楽しそうに話してくれました。

その先輩は、フリーターだけれど他の学生よりバイト時間が多くもなく、私の中でもかなりマイペースな印象を持っていて、あまり積極的に行動するイメージがありませんでした。
けれど、
「最近いつ何のインテリアを買いましたか?」
「音楽に取り組みだしたのはいつですか?」
という「いつ」を使った二つの単純な事実質問によって、興味のあることを熱心に追求する先輩の一面を新しく知り驚きました。

今までその先輩について、インテリアが好き、ロックが好き、料理が好き…など、会話のなかで知っていっても、自分があまりその分野に精通していなかったり、会話の広げ方が分からなかったりして、そうなんだ~とか、すご~いとか、うわべだけの返しをしてしまっていたことが多かったと思います。
いつから調べ出したのか、最後に何をいつ買ったかなど、簡単に聞ける事実を知ろうとせず、自分の中にあるぼんやりした情報や普段のバイトでの様子など、自分の見たものや、理解できる範囲のことからだけでその先輩を見ていたことに気づきました。事実をたくさん聞いていくことで、私が今まで知ろうとしてこなかった先輩の一面を知れて、嬉しい気持ちになりました。

相手ではなく、自分に対しての気づきになってしまったのですが、事実と思い込みをごちゃ混ぜにして、ただたくさん会話するだけでは、何もその人に対する事実を知ったことにはならないと学びました。
知り合って丸二年近くですが、私の中の先輩への印象がやっと少し変化したおしゃべりでした。


(笠見友香 ムラのミライインターン)







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