2019年6月11日火曜日

「え!こんなに?」住民による現状分析 セネガル農家編

ムラのミライは2017年2月から、西アフリカのセネガルで、若い農家の人材育成に取り組んでいます。
2018年1月に、ある村で実施した農家研修の一コマをご紹介します。

「キャベツの栽培工程を全部、順番に書き出してみてください。使う農具や肥料、水の量、働く人数も全部です」
講師の和田からこんな課題を出され、グループで頭をひねる研修生たち。
それでも話し合いながらなんとか書き出し、内容を発表。

あるグループの発表では、100平方メートルのキャベツ畑で・・・  
1 草取り 5人で30分
2 耕し  5人で30分
3 植替え 5人で30分
4 水やり 5人で30分
5 収穫  5人で30分
 
どうやら「30分」がお好みのよう。



和田から一言。
「植替えが30分とあるけれど、本当に30分で終わるの?」

そこで、実際に計算してみます。

ちょっと複雑ですが、みなさんも考えてみてください。

50㎝毎に苗を植えるとして、1辺あたり20本の苗になる。
→全部で400本の苗なので、1人当たり80本の苗を植える。
→1本の苗につき、<苗を運んでくる、土を掘る、植える、土をかける>の動作で2分かかるとして、80本×2分=160分=2時間40分

あら、大変。
ひとりあたり2時間以上かかる計算になりました。
想定していた30分とはだいぶ違いましたね。

こんな風に具体的に考えていくと、必要な時間や道具や人数がハッキリとしてきます。

極めつけに出された課題は、「それぞれの工程にかかる費用を出してください」というもの。
この課題に取り組んだ農民たちからは、「最初の苗床作りだけで、こんなに費用がかかるのか!?」なんていう声が聞こえてきます。
それもそのはず。農民たちはこんな作業をほとんどしたことがなかったのですね。

「私たちはただただ働いてきましたけど、こんな事はなにも考えずに働いていたんですね」
最後にある農民が言い残しました。

ムラのミライの役割の一つは、誰も問わなかったことを問うこと、それによって、今まで農民たちが考えなかったことを考えるきっかけとなることです。
自分たちが行っていることを事実に基づいて聞いていくだけなのですが、そこから自分たちで気づくことがあるのですね。そんな気づきこそが、次の行動へとつながっていくのです。

菊地綾乃 ムラのミライ 海外事業コーディネーター)



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