2019年6月18日火曜日

「今日は何時に・・・」研修モニタリング セネガル農家編

ムラのミライは2017年2月から、西アフリカのセネガルで、若い農家の人材育成に取り組んでいます。
以下は2018年4月、ムラのミライスタッフの前川香子が、これまでの研修のモニタリングのために村を訪れた時のやり取りです。

前川   「今日は何時に水やりをしましたか?」
村人S 「朝の6時~8時です。夕方にもしますよ」
前川   「水やりの水を節約する方法について、聞いたことはありますか?」
村人S  「聞きましたよ。研修では朝の時間帯、遅くても9時頃までに水やりをするといいと聞きました。でも、朝に水をやると、井戸の水が途中でなくなってしまうんですよね。だから、水が増えるのを待って夕方にもやります」
前川  「なるほど。水やりを朝だけにしてみたことはありますか?」
村人S  「ないですね」
前川  「そうなのですね。では、水やりをした水が蒸発しないで土の中に留まるようにする方法を知っていますか?」
村人S  「知りません」

前川  「向こうにある唐辛子の苗に何かかぶせてありますよね?」
村人S   「あぁ。あれはワラ(藁)をかぶせてあります。風よけのためと、水やりをした時に衝撃が少なくなるようにそうしているんですよ」
前川   「ワラの下の土を触ったことはありますか?」
村人S   「ありますよ」
前川   「他の何も被せたり敷いたりいない土と比べるとどうですか」
村人S  「ワラを被せてある土のほうが湿っていますね」
前川    「そうですよね」

Sさんは、土に水分を蓄える方法を知らなかったのですが、実はその方法をすでに別の目的で実践していたのですね。
前川は、Sさんへの質問を通して、ワラを敷くことによる保水効果を気づかせようとしたのでした。

別の畑では、村人Mさんがこんな事を言っていました。
「これは知り合いから聞いたやり方なんだが、ピーマン畑でワラを敷いているんだ。ワラを敷くと水やりの回数が減ったり、雑草が生えにくかったり、農作業が楽になることが分かったよ」

井戸の水が限られているこの村にとっては、水やりの水を確保することがとても重要です。

「畑にワラを敷く」という、同じ行為をしていても、保水ができる(=水やりの水を節約できる)という効果に気付いた農家さんと知らなかった農家さんがいました。

そんな農家さんたちがお互いに学び合えるように、機会を作るのも私たちのできること。
今年は特に農家さんたちの畑での学びを大切に、実地での研修をしていく予定です。
菊地綾乃 ムラのミライ 海外事業コーディネーター)



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