2019年11月5日火曜日

異文化交流のシンプルな方法って…

去年の夏から冬まで、アメリカ東海岸沿いのニューヨーク州に留学していました。
寮の2人部屋に暮らしており、アメリカ人のルームメイトがいました。(彼女のことをRとします)
始めの一ヶ月ほど、私は人とうまく英語での会話のキャッチボールが出来ず、授業の課題も忙しく、Rともほぼ話せ(
し)ませんでした。

架空のルームメイト像

私は、そのとき「言葉」を使わず「視覚」で彼女を判断していました。
はじめて一緒の部屋に暮らすアメリカ人。
始めこそ、よくパーティーに行き夜中に帰ってきたり、部屋でスマホを触っている顔がなんだか怖かったりして(美人さんだったので・・・笑)
「私とは話したがらないのかも」と、架空の彼女の像を抱いてしまっていました。

シンプルに、でも詳しく

私が徐々に会話に慣れるにつれ、Rと2人で話す機会が増えました。
私の英語は完璧ではなく、聞き落とす情報も、知らないことも沢山あります。
完璧ではないからこそ、会話はとてもシンプルかつ、詳しく聞こうとするものでした。
Rが「明日プレゼンをするの」と言えば、「何について?一人?」「いつからそれを学んでたの?」という風に。

時間が経つにつれ、今まで知らなかったRのたくさんの顔を知ることができました。
家族思いで、とても面倒見がよく
(助けられてばかりでした)、勉強熱心。
R自身、他国で生まれアメリカに来た背景があり、移民問題を熟知し、主観的に考えていました。
「無知でいることが耐えられない」Rの学ぶ姿勢にはいつも刺激を受けました。

留学先 紅葉のキャンパス

私も怖かった

私はあるときRに、「始めの頃、全てのことに緊張していて、あなたともあまり話さなかったけれど、それを後悔している」と言いました。
「私も怖かった」とRは答えました。
視界が開けた気持ちでした。
私は、自分だけが異文化に囲まれて緊張しているという思い込みをしていたのです。
実際はRも、英語が完璧ではない日本人とルームメイトになり、不安を抱いていたのに。
私はRと対話しようとせず、私だけが、自分のことをRより劣等な立場にあると、知らず知らずにみなしていたのです。

対話のもたらすもの

私が留学で得た、最も価値あることの一つが、対話することの可能性です。
自分と向き合い、相手の立場に立ち、会話することで、私はたくさんの自分の思い込みに気づきました。
異文化交流は難解に思えるけれど、シンプルに、相手を知るためにたくさん会話をして、また自分を伝える努力ということだと気づきました。



(笠見 友香 ムラのミライインターン)




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