2014年7月26日土曜日

ついつい出ちゃう伝家の宝刀-対話型ファシリテーション的日常風景

 このブログの「物の見方を養う」というカテゴリは、活動をする上で影響を受けている/受けた本や人物についてご紹介するというテーマです。そこで、今回からしばらく、私=宮下和佳の担当する記事では、今までに一緒に活動したことのある方々について書いていきます。占いに金運、恋愛運、健康運・・・などある中で、私の「一緒に働く人」運は最強!で、活動・仕事を共にしてきた人との間には、良い意味で影響を受けたエピソード満載なのです。

 今回ご紹介するのは、ムラのミライ(旧称ソムニード)の設立者で、海外プロジェクト統括・代表理事の和田信明さんです。(同じ団体の者なのでビジネスマナー通りでいくと呼び捨てになるのでしょうが、話し言葉調のブログ記事ですので、普段お呼びしている通り、以下「和田さん」と書きます。)

 さてこの和田さん、ご自分では「自分はフツーのオヤジ」で「ファシリテーションの達人ではない」と主張してらっしゃいます・・・が、皆さん、その言葉に油断してはいけません!(いえ別に油断したら刺されるわけではありませんけど。)和田さんが対話型ファシリテーションを使うのは、いわゆる途上国の農村や都市スラムといった「プロジェクト現場」だけではないのですよ。今回は、筆者の私が「あっやられたな。てへ。」となったミニミニ・エピソードをご紹介します。

 それは、私がムラのミライに入ってすぐ赴任したインドでのできごと、2010年の初夏あたりだったと記憶しています。自宅から事務所に移動する間の、ふとした瞬間の雑談です。
和田さん「和佳さんがいつも着てる、こういうシンプルなデザインのインド服、どこで買ってるの?たとえば今日来てるこれは、どこで買ったの?」
私「あ、これはですねーCMRセントラルの中にある・・・(以下、アレコレとお店の説明)」

 はい、もうみなさんおわかりですね、対話型ファシリテーションの第一歩、「セルフエスティームを上げる」というやつです。
 実際この時、私は「うわー和田さん、(インドでフツーにそのへんで買い物すると派手派手&ゴテゴテファッションになりがちな中)私がシンプルなデザインにまぁまぁこだわって買ってるのを察知して(観察した上で仮説を立てて)、そこを聞いてきたな~」と冷静に感心しつつも、「そう、がんばってマシな恰好してるんですよ、わかってくれましたね~ふっふっふ」と、悦に入ってもおりました。

 ちなみに私がそう思ったことは和田さんに言わなかったので、ご本人が意識してこういう質問をされたのかどうかは確認していません。(無意識でつい「技」が出ちゃっていたのでは・・・というのが私の推測です。)


 いずれにせよ、対話型ファシリテーションの基本中の基本の一つともいえる「セルフエスティームを上げる質問」の仕組みを、質問する側が意識していようがいまいが、質問されている側がそのことに気づいていようがいまいが、上手に使うと、ほんとにセルフエスティームが上がるんですね~~~ということを、この時実感したのでした。

(事務局長代行 宮下和佳)