2014年9月23日火曜日

その悩み、本当に悩んでいますか?

以前、明日すぐに使える事実質問「偽事実にご用心」で、悩んでいる友人の相談に乗ってあげるときを例に、事実質問の注意点を紹介しました。

対話型ファシリテーションは、事実質問によって行われる課題解決のための技法であるため、悩みを抱えている友人の話を聞き、その問題を解決へと導くときにもかなり効果的だと言えます。今回はそのやりとりを研修で実践してみた際、研修参加者から寄せられた意見・質問をひとつピックアップしてご紹介します。

「課題の重要度がわからない」
悩んでいる友人から相談を持ちかけられ、「いつから悩んでいますか」「最近そのことで悩んだのはいつですか」などと話の核に迫ろうとします。しかしいつまでたっても問題がぼんやりしており、なかなか課題がはっきりしてこないことがあるかもしれません。

この対話型ファシリテーションにおいて重要なのは、本人に「気づいてもらう」ことで自発的に課題解決へのアクションをとるよう仕向けることです。本人の中で重要度が低い課題は、解決策がわかってもそこに向けたアクションがとりづらく、結果として以前のままということになりかねません。

本人が悩んでいる問題がどれほど解決を必要としているかを知りたい場合、以下のような質問をしてみると良いでしょう。
「その課題を解決するために何か解決策を打ったことはありますか」
「そのことを誰かに注意されたことはありますか」
悩んでいると口では言っていても解決に向けた努力をしたことがない場合、その問題はあまり日常生活に影響を与えていないのでしょう。本人としては誰かに迷惑をかけたつもりでも、周りの人から注意されたことがなければ、それは本人の勘違いかもしれません。

「君はそんなことで悩んでいるのかい?」というセリフで友人を傷つけてしまわないためにも、これらの質問を一度挟んでみてもいいかもしれませんね。



2014年度インターン 山下)