2015年9月15日火曜日

ファシリテーション手順 その2



前回(8月4日)の記事でファシリテーションの具体的な手順IIまでお伝えしました。

I:セルフエスティームが上がるようなエントリーポイントを見つける→道具を褒める

II:課題を整理する:それは本当に問題なのか

その後家庭内や職場で試されましたか?今回は前回続きIIIとIVをお伝えしたいと思います。



III: 一番最初(最近)にそれがおこったのはいつですか?→時系列を組み立てる
課題を聞く時のコツとして、①「一番最近その問題が起こった(顕在化)したのはいつですか?どこですか?誰がどう困りましたか?」と、最近のことから聞いていくのが有効です。以下途上国の人々との話し方に掲載されている例です。



ある女性(Hさんとしておく)が、中学生の息子があまり元気そうでない表情をしているのに気がついた。その際のやり取りである。
母「浮かない顔して何か心配事でもあるの。」

息子「うん、最近よく宿題を忘れて・・・・。」

母「そう。じゃ、一番最近忘れたのはいつ。」

息子「一週間くらい前。」

母「じゃ、その前に忘れたのは。」

息子「二ヶ月くらい前かな。」

母「その前は。」

息子さんは、しばらくして考えて答えた。

「その前にはなかったかもしれない」

そう答えながら、息子さんの表情が少し明るくなったのに彼女は気がついたという。

もうひとつの聞き方は、②「それが一番最初に起こった時のことを覚えていますか。いつですか。どこでしたか。」と問題が最初に顕在化したときまで遡って聞くことです。①と②に共通して大事なことは、時系列に沿って質問すること。奨励するパターンは、まず①を聞いて、その課題が本当に課題かどうか確認します。もし課題でないと分かったら、更に聞き込み「本当は問題ではない」「問題は別の所にある」といったことに相手が気づくよう、事実質問を繰り返し問題について検証してもらいます。

IV: 課題・問題の起点に遡る


相手が課題や問題が原因で困ったことがあるなら、同じような問題が最近起こったかどうか聞きます。もしくは「その問題が一番最初に起こったときのことを覚えていますか?いつですか?どこですか?」と尋ね、相手と一緒に問題の「起点」を探します。課題分析を誤ったと思ったら、「起点」の捉え方に誤りがあった可能性を考え、問題が顕在化した時からの経過を具体的に追う質問を繰り返しましょう。ここで一番大事なのは、問題の原因追求にこだわらないことです。
今回はIVまで紹介しました。身近に悩んでいる方がいる場合、前回の記事でご紹介したI:相手のセルフエスティームを上げるところから会話を始め、問題の起点まで遡ってみてはいかがでしょうか。次回はV 解決方法を探るについて投稿したいと思います。

引用
「途上国の人々の話し方」p297~p299

(ボランティア 池田) 

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