2016年6月14日火曜日

ジグソーパズルのピースを埋める(2)

前回まで、さんざんジグソーパズルのピースを埋める話をしてきました。話だけでは何なので、以下、実際にどんな具合なのか、イメージ図を示してみました。



上の図は、原康子さんが、この5月15日から17日まで、インドネシアの弟子たちを相手に、私がカトマンズで研修をしたときに、私の話を基に作ってくれたものです。インドネシアの弟子たちは、私が2004年以来教えている弟子たちで、今回来てくれたのは6人(彼らについてはこちら)。自分たちで飛行機代を出し、授業料を払って来てくれました。こうやって、遠路はるばるやってきてくれるのは嬉しいものです。

さてこの研修、英語でやったので、上の図も英語になってます。すみません。誰か、日本語に直してください。これは、あくまでもバーチャルなもので、どこかに実在する村のことではありません。で、たまたま研修のとき、ジャガイモの話題が出たので、ジャガイモを話題として取り上げただけです。前回、私が例に出した「牛」でも同じです。もし気が向いたら牛を話題として、あるいはどんな話題でもいいですから、このジグソーパズルをやってみてください。何を現在という縦軸に置くか、例を出しましたね。あの他にも、思いつくままにやってみてください。
インドネシアのお弟子さんたち(ロンボク島にて)

ところで、これで終わってしまったら「なんだ?」と言われそうなので、もう一つパズルのピースを埋めていくときに必要なことを話しておきます。それは、「ランドマーク」です。

英語のlandmarkの第一義は、歴史的に重要な出来事でしたね。その他、例えば「エッフェル塔はパリのランドマークだ」なんて意味にも使いますし、土地の教会を示す標の意味にも使います。私たちの場合は、これを過去の重要な転換点となるような出来事の意味で使います。

例えば、上図の例では、HYV(多収穫品種)が導入されたのはいつか、プラスチックのゴミが出始めたのはいつか、など、その後村の生活を大きく変えることとなる出来事です。

これは、インタビューを始める前の観察(例えば、村外れに大量のゴミが捨ててある。そのほとんどがプラスチックだ、のような)などから、あらかじめ見当を付けておきます。



はい、上の図が、ランドマークの見本です。

大切なのは、重要な情報を見逃さない、聞き逃さないということです。ジャガイモだから昔から同じモノを作っているだろうとか、コーヒーだから今も変わらず同じ品種を育てているだろうとか、決してそう決めつけないことです。

今日はここまで。


和田信明 ムラのミライ 海外事業統括/ネパール事務所)


和田信明・原康子(講師)と行くフィールドワーク