2016年9月6日火曜日

脱・あたりさわりのない会話 等身大の答えを引き出す質問とは?

久保田絢です。
はじめてのブログへの投稿になります。
名古屋在住で大学の教員をしています。
対話型ファシリテーションとの出会いはもう5年以上前になります。
インドでのコミュニティファシリテーター研修や日本で中級研修などを受け、今は認定講師となり講座の講師も担当しています。

 
私が対話型ファシリテーションの練習を続けてこられたのは、自分の人生に役立っているという実感があるからですが、それに加えて定期的に一緒に練習したり、対話型ファシリテーションについて話ができる仲間がいるからだと思っています。
その仲間というのが名古屋自主勉強会のメンバーです。
勉強会には2年半前くらいからほぼ毎月参加していて、夜19時半から2時間程度、事実質問の練習や事実質問を使ってみた経験の共有などをしています。
昨年から勉強会の主要メンバーを講師としてセミナーを行うという新たな目標を立て、昨年1回と今年1回、大学生対象の自主セミナーを開催しました。
今回は8月中旬に行われたセミナーについてご紹介します。


セミナーに参加したのは中山間部の集落調査に行く直前の大学生と大学院生8名。
調査が充実したものになるようにという目的で事実質問を学びました。
相手に気づきを促すという事実質問の本来の目的とは逸れていますが、集落の「現実」を知るためにも事実質問という質問法は有効ではないかと私たちは考えました。

セミナーの流れは
(1)質問票を用いたペアワーク
―調査で用いる質問票からいくつか選んでそのまま質問をし、答えてもらう

選んだ質問票の質問:「○○さんの一日の生活について伺いたいのですが・・起床時間と就寝時間はだいたい何時くらいですか?」
「食事は3食ともご自分で作っていますか?」
「ご近所付き合いはありますか?どのようなご近所付き合いですか?」

(2)事実質問についてのレクチャー

(3)事実質問の練習
①「これは何ですか?」
②(1)の質問を事実質問に変えて聞いていく


私と勉強会のメンバーが思わず微笑んでしまった感想を1つご紹介します。
それは、事実質問に答えるのは「見栄を張ることがなくて楽だった」というもの。
「普段何時に起きますか?」と言われると、実際には9時のときもあれば11時のときもあるけれど、11時というと恰好が悪いから、9時と言っておこうと見栄を張ってしまうけど、「今日は?」「昨日は?」というように時が限定されれば、そういうことを考えなくてよいので楽というとても素直な感想で嬉しかったです。
そして、私自身、事実質問の説明をするときに、
「等身大の現実が見えてくる」
など質問者側のメリットを強調しがちだったのですが、答える側のメリットを改めて感じさせてもらいました。



(ムラのミライ 理事 久保田 絢






読み切り形式でどこからでも読める、対話型ファシリテーションの入門本。
対話型ファシリテーションの手ほどき」 (700円+税 2015年12月発行)


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