前号の「実践編 前編」に挑戦された皆さん、やってみて、いかがでしたか?
今回はいよいよ最終回「実践編 後編~夫婦で練習してみる」をお届けします。
時間がかかる事実質問を使った対話術
「夫婦で練習してみる」の前に、少し前回までの復習です。これまでの入門編、実践編に挑戦された方はお気づきかとおもいますが、
正直なところ、事実質問を使った対話術を習得するには、かなりの練習が必要です。
事実質問が思いつかない場合は、率直に、
「お願いがあるんだけど、〇〇してくれない」とか、
「これはお母さんの意見なんだけど、君はどう思う?」というように、
こちらの意図を明確にした物言いをするのが有効であることもすでに実証されています。
この手法と練習方法を詳しく説明するとかなり長くなります。
本当に関心をお持ちの方は、このブログの最後にあるPDFをご覧になって下さい。
このPDFは、私が書いた「対話型ファシリテーションの手ほどき」という小冊子のダイジェスト版で、
今回のブログ(入門編2回+実践編2回)の読者のために再編集したものです。
夫婦でやってみませんか
4月16日、いよいよ全国にも緊急事態宣言が出され、子どもだけではなく、両親ともに自宅に留まらなければならなくなったご家庭が増えていることでしょう。
母子のやり取りを横から見ているお父さんの中には、「あんなにガミガミ言わなくてもいいのに」と思いながらも、触らぬ神に祟りなしと黙っている方もいらっしゃるでしょう。
普段は、母親任せにしているので急に割って入るのは難しいかもしれません。
そんなお父さんでも、進路選択に際しては、口を出さざるをえなくなる時が必ずやって来るのです。その時に備えて、このお子さんと接する時間が嫌でも増えている今、もう少し参加の度合いを高めるよう努力してはいかがでしょう。
「人の振り見て我が振り直せ」が早道
あるいは、この際なので、このエッセイを二人で読みながら、互いにどう見えているか意見交換してみる機会にするという手もあります。
自分の振る舞いに対して自ら意識的になるのは簡単ではありません。
「人の振り見て我が振り直せ」と昔から言うように互いに気付かせ合うのが早道です。
ただし、その際に大切なのは、頭ごなしに断定的な評価を下したり、上から目線で提案したり、助言したりすることを厳に慎むことです。これが夫婦の間でできなければ、子どもとの間でもできませんよね。
逆に言えば、シングルペアレントの場合、あなた一人が変わればいいだけなので、却って好都合と言えるかもしれませんね。
家にいる時間は自己訓練のチャンス
毎日家族だけで顔を突き合わせていると、互いに感情的になりやすいことを私自身痛感するこの頃です。だからこそ、自分を冷静に客観的に見て、必要な自己抑制をするための自己訓練が必要になります。そういう親の姿を見せることほど素晴らしい教育はないと私たちは確信しています。最後になりましたが、4回シリーズのエッセイのほんの少しでも「これならできそうだな」というところからでいいので意識してやってみてください。
お子さんへの質問がちょっと変わり、お子さんにもそのことがちょっと伝わったら、とても嬉しいです。