2014年2月25日火曜日

組織の問題を検証する①




 今回は対話型ファシリテーション講座・中級編フィールド研修で学んだ質問パターンをご紹介します。



 インドの農村であれ、地域づくりをしている組織(グループ)であれ、話を聞いていると、組織に何か問題があるのではないかと感じることはないですか?
 このような場合、ファシリテーターとしてはどうすればよいのでしょうか。


 まず、してはいけないのは、いきなり「組織(グループ)の問題は何ですか。」と質問することです。
 それは相手に失礼ですし、セルフエスティームを落とすという意味でも質問の選択の仕方として適切ではないでしょう。

 ファシリテーターとしては、まず相手の話を辛抱強く聞き、取っ掛かりとなりそうな話題が出てきてから、組織の問題に切り込んでいくというのが適切です。

 では、相手が組織の問題として話題にしたら、それを額面通り受け取って良いのでしょうか?
 たまたま質問を受けた人が組織の問題だと感じていることが、本当に組織の問題なのかは検証する必要があります。

 そこで、質問を受けた人が個人として問題と感じていることなのか、組織として共有されている問題なのかを検証します。

 まず、個人にとっての問題と組織にとっての問題を分けるのは、問題を提起した人が他人に相談しているか否かです。そこで、

①「そのことについて誰かと話し合ったことがありますか。」
 と聞いてみるのがよいでしょう。
「いいえ」ということであれば、個人の問題に留まっている可能性があります。
「はい」ということであれば、次の質問に行きます。

②「それはいつですか。」
 「誰と話したのですか。」
 「何を話したのですか。」
  このように聞いてくことで、話し合った内容や結果が見えてくるので、ただ単に話し合って終わりなのか、組織の問題として共有したのかが見えてきます。
 組織の問題として共有したことが見えてくれば、

③「その問題を解決するため、何かしたことがありますか。」と聞いてみましょう。
「いいえ」ということであれば、組織の問題として共有されているものの、解決のために行動を起こさなければならないほど重要ではないのかもしれません。
「はい」ということであれば、次の質問に行きます。

④「それはいつですか。」
 「何をしたのですか。」
 「その結果、どうなったのですか。」

 このように聞いていくと、どこで行き詰ったのかが見えてきますので、解決方法に近付いていきます。また、このように聞いていくことで、問題とされていたことが本当に組織にとって問題だったのか、別の事実が問題なのではないかという根本問題に立ち返ることもできるかもしれません。

 次週も引き続き、「組織(グループ)の問題を検証する質問パターン」をご紹介します。


(2013年度インターン 藤川真之介)