2014年3月4日火曜日

組織の問題を検証する②


  前回に引き続き、対話型ファシリテーション講座・中級編フィールド研修で学んだ質問パターンをご紹介します。





 今回は、組織の意思決定方法を検証する質問について勉強したいと思います。


 「意思決定の方法はどうなっていますか?」というような抽象的な質問は効果的ではありません。

 質問を受ける側からしたら、何を答えたらよいか分かりませんし、答えるにしても質問を受けた人の意見(思い込み)を回答しがちで、ファシリテーターもこれに対して意見(思い込み)を述べることになりかねません。

 こうなってしまうと、組織の意思決定方法に関する具体的な事実を把握することができなくなってしまいます。

 

 このように具体的な事実の分析を欠いたまま、意見(思い込み)の応酬を繰り広げることを「空中戦」といいます。

 ファシリテーターとしては、事実質問を駆使して相手と対話を繰り広げる「地上戦」を展開し、相手との間で具体的な事実についての洞察を深めていく共同作業をしなければなりません。


 具体的、具体的と何回も書きましたが、では具体的に(笑)どのように質問をしていけばよいのでしょうか?


 まず、意思決定の場面を思い出してもらう必要がありますので、次のような質問をしてみましょう。

「一番最近の会議はいつでしたか?」

「誰が参加していましたか?」

「議題は何でしたか?」

「その議題は誰が決めたのですか?」

「その人はその議題をどこで決めたのですか?」

「どのようにして決めたのですか?」


このように聞いていくと、会員が議題を提起するシステムがあるかどうかが見えてきます。例えば、全ての議題を事務局長が決めているということになると、どのようにして議題を決めているかを事務局長本人に聞かなければなりません。
 

また、次のような質問も有効でしょう。

「議題以外に何か話し合われたことがありますか?」

「それは何ですか?」

「誰が提案したのですか?」


 このように質問することで、会員が自由に発議できるのかどうかが見えてきます。

 また、議題としては取り上げられていない雑談の中にヒントが隠れていることもあるでしょう。


 大事なのは、具体的な意思決定の場面を思い起こさせることです。

 そうすると、意見に覆い隠されない生の事実が見えてくると思います。

 (2013年度インターン 藤川真之介)