前回の記事で中田さんは、対話型ファシリテーションをマスターするには日頃の練習が大切だとおっしゃっていました。会話を途切らせることなく事実質問を繰り返し、相手の課題を解決するにはどういう方向に質問をもっていけばいいのか、ファシリテーションの具体的な手順を今回から数回に分けてもう一度復習したいと思います。
I:セルフエスティームが上がるようなエントリーポイント(話しのきっかけとなるもの)をみつける
→身の周りのものを褒める
→身の周りのものを褒める
相手が身につけている物の中から意味のありそうなものを見つけ、「それは何ですか」「その帽子おしゃれですね。いつ購入したのですか」とセルフエスティームが上がりそうな簡単な質問をします。話しを始めた直後に課題に関する質問をすることは避け、相手との信頼関係を築きます。事実質問の種類としては、大きく2つに分かれます。①「いつ」「どこ」「誰」「何」の簡単な疑問詞での質問 ②「〜したことがありますか」と相手の経験を尋ねる、「〜がありますか?」と存在や物事の有無を聞く、「〜を知っていますか」と相手の知識を問う質問です。この2種類の質問を駆使出来るようになると、長時間会話をすることができます。必ずしも最初に選んだエントリーポイントから話しが展開できるとは限りません。その場合は何度もエントリーポイントに戻っては進むことを繰り返し、次の段階へ入っていきましょう。
II:課題を整理する
相手の課題が出てきたら「それが原因でどんな困ったことがあったか」を尋ね、相手の言う課題が本当に課題なのかを明確にします。会話の途中で「これは問題かどうか」と疑問が出てきたら、「その問題に対しどんな処置をしてきたのか」「それが原因で誰がどのように困っているのか」を質問します。もし、これらの問題に対して何も手を打っていなければ、それは問題解決への意思がないとし、またそれによって誰も具体的に困っていなければ、その課題は対処を要さないと判断しましょう。
いかがでしたか?今回は8つあるファシリテーション手順の中から2つ目まで紹介しました。それ以降の手順については、数週後にまた更新したいと思います。
詳しいファイシリテーション技法は書籍「途上国の人々との話し方」をご覧下さい。
引用
「途上国の人々との話し方」p293〜p297(インターン 池田)