2018年4月24日火曜日

夫との対話と子育てが楽しくなるヒント


私は40歳手前でこどもがやってきた高齢出産の母です。それまでに好きなことをしてきて、何かあれば「助けてあげるよ」という友人たちに囲まれての出産だったので、産後は社会的喪失感や孤独感を感じることも少なく、わりと緩やかに過ごせたほうかもしれません。
ただ、お産が希望していたもの(助産院での自然なお産)とは天と地ほど離れたもの(緊急帝王切開)になったので、それを受容する過程で家族や友人に気持ちを伝えるのが難しくて苦労しました。

完全ワンオペからギリギリセーフの子育て環境

子育ての環境はというと、1.夫は妊娠中から単身赴任で月に1、2度帰宅、2.私はフリーのヨガインストラクターとして産後二カ月から仕事復帰、3.実母が週1手伝いに来てくれる、4.相談できる、頼れる友人がいる、5.一度落ちた
ものの長女(今は、4才)は無事保育園に入園
ということで、完全ワンオペからギリギリセーフという状況だと思います。

そんななか、それはもうかわいい、かわいいと育てた娘が2歳半になった頃、自我に芽生えた娘との衝突が始まりました。
それまでは「ワーイ歩けたね」「ワーイ話せたね」「ワーイ一人で○○出来たね」と褒めることしかなかったのに、いつの間にやら「どうしてこんなことするの?」と言うことが増えてきました。
「あれ?こないだまでめちゃくちゃ可愛かったのになぜ?」なんて思ったりして、「あーそうか私の思い通りになる時期(そもそもそんな「思い通りになる時期」などないはずなのに…)はもう過ぎたのか」と気付いたのです。

4才の娘をひとりの個人として尊重したいのに…

意思がハッキリしていて、すべての行動に彼女の思いがあると言うこと、彼女には彼女のこだわりがあると分かっていても、言葉もつたない娘の思いが私には分かりません。
産後のゆっくり仕事復帰から、レッスン数も徐々に増え、忙しくなってきたと同時に、転園という出来事がありました。全く余裕のない私は娘に対して毎日イライラしていました。
「ひとりの尊厳ある個人として、娘と付き合っていかないといけない」と頭では分かっていても、なかなか上手くいかないと悩んでいました。そんなとき、ムラのミライの講座*に出会い、講座で習った対話を娘に実践したところ、だんだん幼い彼女の頭の中がのぞけるような気がし始めました。

「保育園どうだった?」と聞くのを止めてみた!

転園後、お友だちの輪に入っていけない娘の後ろ姿を見送りながら、心の中で応援することしか出来なくて涙していた以前の私。しかし、講座の後、今まで「保育所どうだった?」と質問していたのを、「今日は園庭で遊んだの?」と質問をちょっと変えただけで、娘との話が弾むようになりました。
「今日は、園庭で遊んだ!その時になあ、○○ちゃんがこんなこと言ってなあ。みんなで大笑いしてん。ガハハハ(思い出してまた笑う娘)〜。オモシロイやろ?で、そのあと手を洗って、ランチルームでご飯食べた。ホントは、まだ遊びたかったけどさあ…」などなど、娘から話がどんどん出てくるのです。それはまるで、その日に保育園であった出来事が、浮かび上がってくるようでした。私が嬉しそうに聞いているので、もっと話したくなるようです。

明日着る服は寝る前に用意できる対話

こんなこともありました。今まで、朝起きてから、その日に着る服を決めるのに、娘はとてもとても時間がかかり、私と娘は毎朝ケンカをしていました。彼女は、朝起きてから出かけるまでに何回も服を着替えるのです。押し問答の結果、最後には「なんでもいいから着なさいっ!」と無理矢理着せて、自転車に乗せて保育園へ送って行くというパターンでした。

これではいけない、とある日ゆっくりと時間をかけて娘に「着たい服」「着たくない服」「好きな組み合わせ」を細かく事実で聞いてみることにしました。
「この洋服を着たくないのは、キツいから?」、「丈が短いから?」、「色が嫌いだから?」、「この洋服が着たいのは、触り心地が良いから?」、「ハートマークがついてるから?」というように。
具体的に彼女が言い表せなかったかもしれない言葉を並べて聞いてみると、「そんな感じかな〜」と思う言葉を選んで、私に教えてくれました。
今は服を自分で選んで、納得してから布団に入り、朝起きたらすぐに自分で着替えてくれるようになり、毎朝のケンカがなくなり、平和になりました。

「私のことを理解しよう」としてくれるのが伝わってくる夫の質問

実は夫も私と一緒に講座を受けました。講座の帰り道、お店でご飯を食べているとき、今まで私の仕事について曖昧な質問しかしてこなかった夫が「今はa littleの会員さん*何人いるの?」「ヨガのファミリークラスは男の人も参加してるの?」など具体的に聞いてきてくれたのです!
講座で学んだことをすぐに使って、私のことを知ろうとしてくれてるのが、とても嬉しくて、会話が弾み、楽しい食事になりました。

お腹の赤ちゃんも一緒に次のステップへ

良い例ばかり書きましたが、実は、上手く行かないことの方が多くてまだまだ全然使いこなせていません。しかし、家族でひとつのコミュニケーション方法を知ったことで、子育てを楽しくするヒントをもらった気がします。今がスタートなんだ、と思っています。
今年に入ってお腹の中に新しい命がやってきました。次のお産がどのような経過をたどるのか、少しこわいような気がしますが、お産まで半年あります。夫や娘と、娘が生まれたときのお産のこと、次に生まれてくる子のお産のこと、これからの生活のこと、出来るだけ具体的に話合う時間をとるつもりです。
家族の形が新しくなっても楽しく子育てが出来るように繰り返し受けたい講座です。次回のステップアップ講座も楽しみにしています。ありがとうございました。


さかぐちゆうこ ゆうゆうyoga代表・インストラクター


*ムラのミライでは、さかぐちゆうこさんも運営メンバーのa littleという兵庫県西宮市にある家事・子育て支援の団体(会員制)と一緒に、2017年7月、10月、2018年3月とメタファシリテーションを子育て中の方にご紹介する講座を開催しました。2018年4月からは、a littleとムラのミライのコラボレーションで、「女性の健やかな心と体サポートプロジェクト」を3年間の予定で始まっています



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