2020年1月9日木曜日

地域で助け合う、子育ての輪_第7話_頼りにする、頼りにされるネットワークの広がり

 

【記録】頼りにする、頼りにされるネットワークの広がり(プロジェクトの記録 第7話)

In 608プロジェクト通信 西宮「地域で助け合う、子育ての輪」 by master2020年1月9日

「西宮で広げる、地域で助け合う 子育ての輪プロジェクト」の記録

第7話(2020年1月9日号)頼りにする、頼りにされるネットワークの広がり

執筆=山岡美翔 ムラのミライ理事

新年を迎え、新しい目標を立てられた方もいらっしゃるでしょうか。西宮プロジェクトでは、2020年も西宮市で助け合う子育ての輪を広げようと、前話でお話ししたパートナーシップ講座、地域子育サポーター養成講座に向けた準備がすでに始まっています。
今回は、そんな講座のお知らせをするとともに、西宮プロジェクトのパートナーであるNPO法人a little(ア・リトル)と西宮市の初めての協働イベント「もうひとつの両親学級」についてのご報告です。11月30日に実施した「もうひとつの両親学級」では妊娠中のご夫婦を対象に、一人ひとりに寄り添ったバースプランづくりやマタニティヨガなどを行いました。
イベント後も参加者とア・リトルの間に「頼りにする、頼りにされる」新しいネットワークの広がりが生まれています。私たちの活動が、プロジェクト通信を読んで下さっている皆様の、がんばりすぎない暮らしのヒントになれば嬉しいです。

目次

「もうひとつ」の両親学級
新しい家族を迎えるための18の質問
「家族以外の話し相手は本当に必要でしょうか?」
夫婦で知っていること、知らないことを整理することが、子育てのスタートラインに
時間を忘れて相談できる保健師・助産師相談ブース
出汁を取らない料理講座?
「頼りにする、頼りにされる」ネットワークにあなたも参加しませんか?

「もうひとつ」の両親学級

「もうひとつの両親学級」は、2019年11月30日に西宮市未来づくりパートナー事業の一環として実施しました。行政との協働を通じて、昨年度私たちが出会えなかった初めて妊娠・出産を迎える方と出会い、繋がることが目的です。今回西宮市と協働イベントを実施したことで、例えば「家族以外の誰に頼ったらいいのか分からない」、「赤ちゃんと過ごせる場所は公園以外には思いつかない」という方にも多く出会うことができました。


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新しい家族を迎えるための18の質問

イベントは午前・午後の二部制で、妊娠中のご夫婦が①バースプランづくり、②保健師・助産師相談、③マタニティヨガ、④マタニティフォト、⑤ミニ料理講座の5つのブースを順番に回りました。ムラのミライの原と私は、最初のバースプランづくりブースの企画・進行を担当し、ア・リトルのゆうこさんがリソースパーソンとして産後の体験を話しました。


私たちが用意したのは、「新しい家族を迎えるための18の質問」です。一般のバースプランは、最初から計画に入りますが、まずは現状認識=「知らないことを知る」ことを目標にご夫婦で質問票に答えてもらいました。ご夫婦の妊娠・出産・子育てについての知識や経験、ネットワークを思い出し、現状の点数をつけ、出産までに準備することを整理していただくことができました。



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「家族以外の話し相手は本当に必要でしょうか?」

午後の部のバースプランづくりでは、時間に余裕があり参加者からたくさんの質問がありました。特に印象的だった質問は、参加男性から「産後家族以外の話し相手は本当に必要でしょうか?」と聞いていただいたこと。ア・リトルのゆうこさんが、産後ブルーや産後クライシスの実体験を話し、質問をされた男性は真剣にメモを取り、それ以外の参加者の方にとっても家族以外のネットワークがあるとき、ないときの違いについて知っていただく機会となりました。

私自身も、初めての妊娠のときには、結婚後に引っ越した街で、夫と職場の人以外の話し相手がいませんでした。妊娠による退職を機に職場の人とも話す機会がなくなり、産後は夫としか話せず、だんだんと苛立ちが募りました。でも、参加者の方と同じようにそもそも産前には、家族以外の子育て支援のネットワークがあることはもちろん、家族以外の人に頼っていいということすら知りませんでした。

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夫婦で知っていること、知らないことを整理することが、子育てのスタートラインに

参加者の方には、「新しい家族を迎えるための18の質問」に答えることで、「何を知らないのか」、「何を知っておくと頑張りすぎなくていいのか」についてご夫婦で持っている情報や知識には差があることを実感していただくことができました。こうして二人で足並みを揃えていただき、次は保健師・助産師相談ブースです。バースプランブースでも特に質問が多かった家族以外のネットワークやサポートについては、経験豊富な保健師、助産師から情報を提供していただいたほか、産後1か月を養生したア・リトルゆうこさんの部屋を再現し展示しました。

私も第二子を妊娠中だったので、ここからは参加者としてイベントに参加。相談ブースでは、地域子育てサポーター養成講座講師でもある助産師の森田さんに「第二子出産の不安」について質問をしました。

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時間を忘れて相談できる保健師・助産師相談ブース

私には、子ども園に通う娘がいます。私が第二子を妊娠してから、赤ちゃんを抱っこすることを一番の楽しみにしているのですが、首が座らないうちから幼児に赤ちゃんを抱っこできるのか不安でした。ちょうどイベントの前日も、私が「抱っこするのは、首が座ってからだから春になる頃かな。」と言うと、「そんなにたくさん待てないよ。すぐに抱っこしたいのに…。」と悲しそうな顔をしていました。

森田さんに相談すると、「生まれたての赤ちゃんでも、どんどん上の子に抱っこしてもらって下さい。」と驚きの一言。抱っこの仕方は、まず親が上の子を抱っこし、その上に赤ちゃんをもたれさせるようにして親が支えるようにする、そうすることで上の子も抱っこできるだけではなく、自分が一番で、下の子が二番だという順序を実感し、安心するそうです。

参加者に対して保健師・助産師の数が多かったこともあり、時間を忘れて他にも何気なく疑問に思って誰にも聞けなかったことまで色々なことを相談することができました。産前は男女ともに、仕事をしていて相談窓口が開いている平日の時間帯には相談に行くことが難しく、産後も赤ちゃんの定期健診では、参加人数が多く、保健師・助産師さんと話す時間が限られているので、このように産前の週末に、ゆったりと夫婦で相談できる機会はとても貴重だと感じました。

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出汁を取らない料理講座?

私が参加して一番嬉しかったのは、最後のミニ料理講座。ちょうど、バースプランで頭を使い、マタニティヨガで心身ともに緩まり、心地のいい疲労感と空腹を感じていたときでした。料理講座と聞いて、調理実習があるのかと構えていたら、なんと美味しい炊き込みご飯とお味噌汁を食べながら話を聞くだけの30分。講師は、ア・リトル会員でもあるにしごやゆみこさん。短い時間で、産後養生のための栄養価の高く、簡単に作れるレシピを実演して下さいました。

紹介のあった産前産後の料理のポイントは、たった2つ。①食事作りの「合格ライン」をぐぐっと下げてみること。いつも通りを目指さず、一汁一菜や、大皿プレート料理を取り入れると洗い物も減り、男性でも簡単に料理に取り組むことができます。②「まごわやさしい」を意識すること。試食した炊き込みご飯の具材は、切り干し大根としらすだけ、みそ汁は玉ねぎ、人参、しめじだけだったのですが、栄養価の高い乾物や、魚・野菜のうまみのおかげで、出汁が入っていないのに大満足の料理でした。

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「頼りにする、頼りにされる」ネットワークにあなたも参加しませんか?

「もうひとつの両親学級」から二日後、参加したお一人の方から赤ちゃんが生まれたという嬉しい報告がありました。また他の参加者は、ア・リトルが毎週開催しているマタニティヨガに引き続き参加して下さったり、家事サポートの依頼があったりと、両親学級のあとも参加者が繋がり、「頼りにする、頼りにされる」ネットワークが広がっています。

2020年の講座は、いよいよ2月から始まります。3月には座談会も予定していますので、関西の方、お近くに来られる機会がある方のご参加をお待ちしています。

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*講座の詳細・お申し込みはこちらから
地域子育てサポーター養成講座(全4回)
産前産後のカップルを対象にした「パートナーシップと子育てのよい関係」講座

2019年12月20日金曜日

名前とアイデンティティー

皆様、Nanga def? (ウォロフ語:お元気ですか?)
ここ1ヶ月ほどセネガルで過ごし、だんだん長い挨拶もスムーズに対応できるようになってきました。(第一回参照)

初対面の方と挨拶するとき名前を聞かれた後よく「名字は?」と聞かれることがあり、不思議に思っていました。今まで訪れた国の中でこんなに名字まで聞かれたことがなかったからです。

セネガルにはウォロフ族、セレール族、プル族、その他の民族、さらに近隣国からの移民と多くの民族が暮らしています。それぞれの民族によって特有の名字があり、名字を聞けばどの民族かだいたい分かるそうです。
もしかしたら、名字まで確認することは無意識にその人のバックグラウンドを確かめるために聞いているのかもしれません。
また、名前にも宗教的な要素が反映されており、例えばイスラム教の男性だったらママドゥ、女性だったらアイシャなどイスラム教関係の名前をつけることがよくあるそうです。

先日、赤ん坊が生まれて1周間後に行うイスラム教の命名式(ngente)に参加してきました。
会場となる家の前には華やかに着飾った人が50人以上集まっていました。

子供の名前は親が親族や親しい友人の名前から選んでつけるそうで、選ばれたその人は赤ん坊の経済的・精神的な支えとなるそうです。ウォロフ語には自分と同じ名前の人のことを「サマ トゥール ンドゥール」「サマ トーマ」という専用の言葉があることから、それが重要な意味を持つことが伺えます。

命名後、集まった人たちにイスラム教指導者がコーラン(イスラム教の聖典)に書かれている、“みんなで子どもたちをどう守り、育むか”を解説していました。たくさんの人が生まれてきた赤ちゃんを祝福し、みんなで成長を見守ろうとすることに心が暖かくなりました。

セネガルの方にとって、名前は民族・宗教・家族などのアイデンティティーに加え、揺るぎない繋がりを感じられる大切なものだとわかりました。セネガルの人の明るく穏やかな情緒は、そうしたなかで育まれたものだと思います。
(ちなみに私の名前は愛子なのでセネガルネームはアイダです。)
(加藤愛子 ムラのミライ インターン)



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2019年12月4日水曜日

自分の畑を知ること

こんにちは。セネガル駐在員の菊地綾乃です。

日本では本格的な冬が始まる12月、セネガルでは短い雨季が終わり、また長い乾季が始まっています。
セネガルの9ヶ月ほど続く乾季には、雨がほとんど降りません。ですので、雨季の雨がとてもとても貴重です。

雨季には人々が広い農地で、雨水で育つ穀物を中心とした栽培を行います。ヒエ、モロコシ、落花生、豆、とうもろこしなどの畑が大地いっぱいに広がります。
一方で乾季には雨がないので、作物を育てるには水やりをしなくてはいけません。ただ、この水やりが農民にとっては悩みの種です。


過去二年間のセネガルの降水量はそれ以前に比べて少なく、雨季の栽培だけでなく、乾季の水源確保にも影響を与えました。というのも、セネガルの村の農業は井戸を主な水源としています。この井戸にどれだけ水が溜まるかというのが、農業を成功させるカギとなるのです。

さて、この「水」ですが、いったいどこから来るのでしょうか?

セネガルの信仰深い人であれば「神からの恵み」と言うかもしれません。たしかに、セネガル人の前でそれは否めません。ただ、シンプルに理科の知識で考えると、水は循環していると言えます。そして、地表を潤す水は、空から雨として降ってくるのです。

単純には、この水をどれだけ地中に蓄えられるかがポイントになります。なぜなら、地表に降ってきた水はその後、川に合流して海に流れていくか、蒸発または蒸散によって空気中に放出されるか、地中に浸み込んで地下水となるかのいずれかですので、地中に浸み込む量が多くなれば良いのですね。

ムラのミライのセネガル研修では、そういった水の動きや土の役割を説明しながら、村の現状を村人とともに歩いてたしかめていきました。そうすると、雨水の多くが地中に浸み込まないで流れ、あるいは蒸発してしまっている状況が見えてきました。これは地表に草木がなく大地が剥き出しになっていたり、土が長い間かけて劣化したりした結果だということを説明しながら、研修生の村人と気づきを共有していきます。

ここで気づいたこと、理解したことを研修生たちが自分たちの畑で実践していました。

それまでは刈っていた雑草を刈らずに土の保水性を上げようとした人、小さな土手を作って流水を食い止めようとした人、そして、水やりの水が蒸発しにくいように藁で地表を覆いながら栽培をしている人。少しずつですが、新しいことに挑戦したり、栽培の方法を少しずつかえたりして、研修で理解したことを自分のものにしようとする研修生たちの姿がありました。


私たちはその他にも、研修生がしている栽培状況を把握するための収支計算や、収支計算に必要な畑の測量、病気や不作を防ぐため植物の科の知識、土の栄養素の知識について、研修生たちがしてきたことを振り返りながら確認しました。

このようなこと総合的に考えることができれば、自分の畑の状況を把握することができる。把握ができれば、どれだけの収穫量を得るためにどれだけの投資をすべきか、計画することができる。計画ができれば、自分たちの生活を回していくための見通しができる。見通しができればたくさんの選択肢が生まれる・・・

自分の現状に気づくことが、自分たちの生活ひいては子供たちの生活、そして「村の未来」を作っていく大きな可能性を持っています。

研修を受けたある村人が言いました。
「いままでは市場の価格に左右されて栽培する作物を決めていました。でも研修を受けてからは、自分の畑でよく育つものを考えて計画をした作物を栽培しています」

自分の畑を知ることは、主体性を生み出す。

ムラのミライはこうした主体性を引き出すことを、小さな気づきをもたらすところから始めます。
いつかこの気づきが、時代を先見する大きな動きになっていくことを信じて。

今後も日本のみなさんとセネガルでの体験を分かち合いながら、双方向の気づきが生まれることを願っています。


(セネガル事務所 菊地綾乃)


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2019年11月20日水曜日

アフリカ発祥オクラとスープカンジャ

アッサラームアライクム!(こんにちは!)
※セネガルはイスラム教の方が多い国です

日本でも食べられているオクラ、実はアフリカが原産らしいです。
日本から13,682km離れたセネガルではどうやって食べられているかご紹介します。
セネガルで多く話されているウォロフ語でオクラはkanja(カンジャ)といいます。

みんな大好きSoupkanja(スープカンジャ)


魚介の出汁が効いたオクラのネバネバ料理。ご飯にかけて頂きます。
味に深みがあって美味しく、日本人の舌にも合う味です。

材料:オクラ、オクラパウダー、玉ねぎ、ピーマン、苦ナス、生の魚、にんにく、干した魚、塩漬けした魚、干した貝、発行させた豆、エビパウダー、唐辛子、ブイヨン、パーム油

作り方
1.オクラを薄く切って杵と臼で潰します
2.切ったオクラ以外の材料を切り鍋に入れて煮込みます
3.3から魚のみ取り出して骨を取る
4.2に1の潰したオクラを入れて煮込む
5.最後にパーム油を入れて完成

大皿に盛ったご飯にかけて、みんなで食べます。

海に面し豊富に魚介が採れるセネガルと日本、干した魚を出汁に使うことや発酵させた豆を使うところが似ていて、日本人の味覚にも合うのかもしれません。
一方、乾燥地帯にあるセネガルは油を多く使った料理が多いと感じました。
料理にもその国の気候や環境が反映されていますね!

「農村部で採れた野菜がどのよう調理され、消費されているか観察する必要がある」と、ここ2週間完全セネガルご飯で生活していますが、いっこうに飽きが来ないほど美味しいです。(ただ食べたいだけでしょ?とは言ってはいけない)



(加藤愛子 ムラのミライ インターン)


ムラのミライの農業プロジェクト地で栽培されたオクラ



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2019年11月12日火曜日

“jamm”の国 セネガル

こんにちは!
ムラのミライでインターンをさせて頂いています、加藤愛子です。
セネガルで行われている農業プロジェクトの様子やセネガルの様子を発信していきます!

私がセネガルに来てまず一番印象的だったことは、とにかく“jamm=平和・安らぎ”が大切なこと。
現地のウォロフ語を覚える中で一番最初に覚えたことは、”jamm”がたくさん出てくる長い挨拶でした。
よくあるウォロフ語の挨拶を紹介します。

Nanga def?ナンガ デフ?(どうしてる?) 
Mangi fii rekkマンギ フィ レック(元気だよ)
Yangi noos? ヤンギ ノース?(生活は順調?)
Mangi noosマンギ ノース(順調だよ)
Mbaa yaangi ci jamm? ンバー ヤーンギ チ ジャム?(生活は平穏ですか?)
Mangi ci Jammマンギ チ ジャム(平和です)
Sa yaram jamm? サ ヤラム ジャム?(体の調子はどぉ?)
Jamm rekkジャム レック(好調です)
Yendul ak jamm! イェンドゥル アク ジャム(よい1日を平和とともに)

とにかく、みんなが平和でいる(jammである)ことを確認し、願います。



初日にも、「ここではみんなお互いにリスペクトはあるけど、ヒエラルキー(上下関係)はないんだ。だからリラックスしてハッピーに過ごしてね!」「セネガルではみんな笑顔なんだ。だから君も笑顔で過ごせますように」と言われたことに感激しました。
そして言葉からだけでなく、彼らの屈託のない笑顔からもそれは伝わってきます。
セネガルの雰囲気に身を委ねて心はゆるゆるとリラックスしていきました。

毎日の挨拶から平和を意味する”jamm”を口にすることで、セネガルの方の意識の中に“平穏”であることが根付いているなぁと実感した最初の1週間。
この先も素敵な滞在になること間違いなしです!

(加藤愛子 ムラのミライ インターン)





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2019年11月5日火曜日

異文化交流のシンプルな方法って…

去年の夏から冬まで、アメリカ東海岸沿いのニューヨーク州に留学していました。
寮の2人部屋に暮らしており、アメリカ人のルームメイトがいました。(彼女のことをRとします)
始めの一ヶ月ほど、私は人とうまく英語での会話のキャッチボールが出来ず、授業の課題も忙しく、Rともほぼ話せ(
話し)ませんでした。

架空のルームメイト像

私は、そのとき「言葉」を使わず「視覚」で彼女を判断していました。
はじめて一緒の部屋に暮らすアメリカ人。
始めこそ、よくパーティーに行き夜中に帰ってきたり、部屋でスマホを触っている顔がなんだか怖かったりして(美人さんだったので・・・笑)
、「私とは話したがらないのかも」と、架空の彼女の像を抱いてしまっていました。

シンプルに、でも詳しく

私が徐々に会話に慣れるにつれ、Rと2人で話す機会が増えました。
私の英語は完璧ではなく、聞き落とす情報も、知らないことも沢山あります。
完璧ではないからこそ、会話はとてもシンプルかつ、詳しく聞こうとするものでした。
Rが「明日プレゼンをするの」と言えば、「何について?一人?」「いつからそれを学んでたの?」という風に。

時間が経つにつれ、今まで知らなかったRのたくさんの顔を知ることができました。
家族思いで、とても面倒見がよく
(助けられてばかりでした)、勉強熱心。
R自身、他国で生まれアメリカに来た背景があり、移民問題を熟知し、主観的に考えていました。
「無知でいることが耐えられない」Rの学ぶ姿勢にはいつも刺激を受けました。

留学先 紅葉のキャンパス

私も怖かった

私はあるときRに、「始めの頃、全てのことに緊張していて、あなたともあまり話さなかったけれど、それを後悔している」と言いました。
「私も怖かった」とRは答えました。
視界が開けた気持ちでした。
私は、自分だけが異文化に囲まれて緊張しているという思い込みをしていたのです。
実際はRも、英語が完璧ではない日本人とルームメイトになり、不安を抱いていたのに。
私はRと対話しようとせず、私だけが、自分のことをRより劣等な立場にあると、知らず知らずにみなしていたのです。

対話のもたらすもの

私が留学で得た、最も価値あることの一つが、対話することの可能性です。
自分と向き合い、相手の立場に立ち、会話することで、私はたくさんの自分の思い込みに気づきました。
異文化交流は難解に思えるけれど、シンプルに、相手を知るためにたくさん会話をして、また自分を伝える努力ということだと気づきました。



(笠見 友香 ムラのミライインターン)




→まずは知りたいという方へ:1時間半で知るメタファシリテーション1,000円セミナー

 メタファシリテーション体験セミナー開催情報

→本気でメタファシリテーションの実践スキルを身につけたい方へ:ステップバイステップ・丸1日の本格講座
 メタファシリテーション講座開催情報

→読み切り形式でどこからでも読める、メタファシリテーションの入門本。
 対話型ファシリテーションの手ほどき



2019年10月12日土曜日

地域で助け合う、子育ての輪_第6話_産前産後のカップルに届けたい「パートナーシップ講座」

 【記録】産前産後のカップルに届けたい「パートナーシップ講座」(プロジェクトの記録 第6話)

In 608プロジェクト通信 西宮「地域で助け合う、子育ての輪」 by master2019年10月12日

「西宮で広げる、地域で助け合う 子育ての輪プロジェクト」の記録

第6話(2019年11月12日号)産前産後のカップルに届けたい「パートナーシップ講座」

執筆=原康子 ムラのミライ研修事業チーフ

10月の度重なる災害により亡くなられた方々のご冥福をお祈りしますととともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。避難所や被災したご自宅で、小さなお子さんと一緒にご苦労されている方々がまだまだいらっしゃるかと思います。一日も早く、おだやかな生活がもどってくることを願ってやみません。
第6話で、皆さんにご報告するのは、産前産後のカップルを対象にした「パートナーシップと子育てのよい関係」講座(以下略「パートナーシップ講座」)についてです。

目次

「アウェイ育児」と西宮プロジェクト
「パートナーシップ講座」で伝えたいこと
「夫婦だけで産後を乗り切らなくていい方法」有ります
パートナーシップ講座の課題

「アウェイ育児」と西宮プロジェクト

ところで「アウェイ育児」というのをご存じの方はいらっしゃいますか?『見知らぬ土地への転勤と激務で帰らぬ夫「アウェイ育児」に苦しむ妻』というネット記事によれば、「自分の育った市町村以外で子どもを育てること」だそうです。
*記事 11月5日付Yahoo!ニュース特集 取材:伊澤理江

この記事に登場する薫さん(30代・仮名)は、おそらく西宮市(もしくはその近郊)に夫の転勤で暮らすようになった女性です。2017年8月、全然泣き止まない生後6か月の息子さんを「もう、いい加減にして!」と叫びながら、1メートルほどの高さから薄い肌掛け布団めがけて投げつけてしまったそうです。

“見知らぬ土地での慣れない子育て。夫は激務で帰りが遅く、頼れる知人もいない。「アウェイ育児」に追い込まれた末のことだった”とこの記事は始まります。


もうすこし記事のご紹介を続けます。夫の転勤で引っ越してから、息子さんと二人だけで過ごす日々が続き、だんだん薫さんは育児ノイローゼになっていきます。6ヵ月健診、小児科、託児所などで、薫さんは何度も「このままでは息子を傷つけてしまう、誰か助けて」というSOSを発しますが、適切な支援には結びつかず、1年後にこの「赤ちゃん投げつけ事件」が起きました。

幸い、薫さんは、やっとのことでたどり着いたとある児童館で支援を受けることができ、今では保育園に子どもを預けながら働いているそうです。

復職後の薫さんの次の二つのコメントが印象的でした。一つ目は、“出産前には赤ちゃんのお風呂の入れ方やマタニティーヨガではなく、出産後にはこんな過酷な日々が待ち受けている、って教えてもらいたかった。泣きやまない子もいるんだよ、って。本やネットの情報に振り回されて比較しちゃいけない、って”。

二つ目は、 “仕事で帰れなかった夫に対しては、今も恨んでいます(中略)あの一番苦しいとき、家に帰ってきて助けてほしかった。あの恨みは一生消えないと思います”。
児童館で支援を受ける前の薫さんのような女性はまだまだたくさん西宮やその他の地域にいて、今この時も苦しんでいるかと思うと胸が痛みます。西宮プロジェクトは、薫さんのような女性を一人でも減らし、「大丈夫、大丈夫」と声をかけ合いながら、ご近所さん同士で子育て仲間を増やしていくプロジェクトなのだと改めてその重要性を実感しました。

今回、ご紹介する産前産後のカップルを対象にした「パートナーシップ講座」は、まさにこの記事に登場する薫さんとそのパートナーのような方たちに、産前や産後に参加してほしい講座です。もし、薫さんとそのパートナーがこの講座に参加していたら、赤ちゃんの世話が一番大変な時期を夫婦で一緒に、ときにはご近所さんの助けも借りて、乗り越えることが出来たのではないか、パートナーに対して「あの恨みは一生消えない」と言わなくても済んだのではないか、と思うのです。

まずは「パートナーシップ講座」とはどんな講座なのか、プロジェクト開始時からの経過と今年度の講座についてお伝えします。

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「パートナーシップ講座」で伝えたいこと

西宮プロジェクトの初年度(2018年度)は、妊娠中から出産後(6カ月くらい)のご家族、延べ33名に計3回のパートナーシップ講座にご参加いただきました。西宮市在住の助産師やア・リトルのメンバーのヨガインストラクターゆうこさんとやよいさんが講師となり、夫婦で一緒にバースプランを作ったり、産後のバースレビューをすることが主なテーマでした。

参加者からは
「パートナーの本音が聞けた」
「産後のよその家族のことがわかった」
「講座参加後に家庭で夫婦の会話が増えた」
「2人だけでは行き詰っていたことが解決できた」
とのお声をいただきました。


3回の講座を通じて、産前産後の夫婦の実情も見えてきました。それは、出産や産後の生活に関して夫婦間で情報格差が大きいこと(情報収集や準備の負担が妊婦に偏る)、産後をパートナーと二人だけで(プラス遠方に暮らす実母)乗り切ろうとしていることなどが明らかになりました。

そこで、本連載第4回でお伝えした調査結果も踏まえ、2019年度は産前のカップルには「産前産後を夫婦だけで乗り切ろうとしないこと、そのために産前から出来る準備は何があるか」ということを考えるワークを行うことになりました。 産後のカップルには「赤ちゃん中心の生活から立ち止まって、夫婦でゆっくり今の暮らしや夫婦関係を振り返る時間を持つこと」を講座の内容に含めました
産前、産後の講座共に一回3時間ですが、産後の講座では、同じ会場内の別室で託児を行います。この託児担当も西宮市内に住んでいる方たちです。

さてここでは、産前の講座のトピックについて、その資料も踏まえながらご紹介しましょう。

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「夫婦だけで産後を乗り切らなくていい方法」有ります

2019年度のパートナーシップ講座の講師はア・リトルのメンバーです。 写真はア・リトルのオリジナル教材、「産前産後リアル!事件簿ファイル」です。

前述の2018年度の講座参加者のコメントにあるように、なかなか他の家庭の産後の実情はわかりません。そこで2019年の講座では、ア・リトルのメンバー4人が自らの妊娠、出産、産後のことを
①妊娠中(初期、安定期、後期)
②出産(分娩前後の入院期間)
③産後1(退院から1カ月間)
④産後2(産後2カ月から1年)
に分けて、どんな出来事があったのか、そのときどんな気持ちだったのかをまとめたものを事件簿ファイルとして、講座の資料にしました。


4人とも全く異なる妊娠、出産、産後を過ごしているのが分かります。この教材を元に、参加者は4人から直接、それぞれの妊娠中から産後1年の間に実際に起きたことを聞きます。4人のなかには、実際に西宮で妊娠、出産を経験したばかりのメンバーもいました。

西宮で利用できる公的機関や民間団体の産後のサポートを総動員し、産後1カ月の産褥期にしっかり体を休めることができた、というア・リトルのメンバーの話は、出産後の子育てを西宮で予定しているカップルにはとても実践的です。参加者に産後のイメージを具体的にもってもらうことが出来たら、続いて夫婦でバースプランを作る時間が始まります。

出産はひとりひとり異なるものですが、産前から準備できることには共通のものがかなりあります。
このスコア表では「今できている準備」と「できていない準備」が一目で分かるようになっています。たとえこの講座を受けた時点で、とても低い点数だったとしても(例:ベビー用品をそろえただけの準備状態)、大丈夫です。なぜなら、出産までに出来る準備を夫婦で話し合い、「準備することリスト」の欄を一緒に埋めていけば、出産予定日1カ月前にもう一度、スコア表をつけてみたとき、必ず高得点になっているからです。高得点ということはそれだけ、産後の暮らしを夫婦や家族だけでなく、様々なサポートしてもらう体制が出来ている、ということになります。


2019年度の産前と産後の講座のご報告は、ア・リトルのサイトからご覧いただけます。

ア・リトルが西宮市と共催するイベント、「もうひとつの両親学級(2019年11月30日)」では、このア・リトルならではのスコア表の短縮バージョンを使った「バースプラン」のワークショップを行います。
*あと少し残席がありますので、ご参加をご希望される方は、リンク先からお申込みください。

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パートナーシップ講座の課題

この「もうひとつの両親学級」は、2018年度から続けてきた西宮プロジェクトの実績が西宮市に認められ、初めて同市との共催で実施することが出来た講座で、ア・リトルとムラのミライだけで情報発信していたときの何倍、何十倍の人たちに講座のご案内ができることになりました。一組でも多くの産前のカップルにこの講座を知っていただき、最初にご紹介した記事の薫さんのように一人で、そして夫婦二人だけで子育てに悩むことが減っていけばと、願っています。

一方で、「パートナーシップ講座」は、なかなか産前のカップルに開催についての情報をお届けできていないのが現状で、毎回参加者集めに苦労しています。今年はあと2回講座を予定していますし(参加お申込みはページ文末のフォームから)、2020年度も継続してゆく予定です。

あなたの近くにたくさん隠れている第2、第3の薫さんに「産前産後に一人で、夫婦だけで、悩まなくてもいいですよ。西宮には、あなたとあなたの家族と一緒に、ときには笑ったり、ときには泣いたりして子育てをしたい、という人がいますよ」ということを伝えるために記事&講座案内シェア、大歓迎です。


*バースプランとは:お産の計画や要望のこと。妊婦とそのパートナーが希望する出産の計画をたて、妊娠から産後の生活までを夫婦で話し合う材料とする
*バースレビューとは:出産体験を振り返ること。自分の出産体験を自由に語ってもらい、傾聴を基本的姿勢として受け止めていく援助のひとつ

2019年度のスケジュール

【産前講座】 2020年2/29(土)
【産後講座】 2020年3/7(日)
【申し込み先】フォームにご記入ください。


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