2019年12月4日水曜日

自分の畑を知ること

こんにちは。セネガル駐在員の菊地綾乃です。

日本では本格的な冬が始まる12月、セネガルでは短い雨季が終わり、また長い乾季が始まっています。
セネガルの9ヶ月ほど続く乾季には、雨がほとんど降りません。ですので、雨季の雨がとてもとても貴重です。

雨季には人々が広い農地で、雨水で育つ穀物を中心とした栽培を行います。ヒエ、モロコシ、落花生、豆、とうもろこしなどの畑が大地いっぱいに広がります。
一方で乾季には雨がないので、作物を育てるには水やりをしなくてはいけません。ただ、この水やりが農民にとっては悩みの種です。


過去二年間のセネガルの降水量はそれ以前に比べて少なく、雨季の栽培だけでなく、乾季の水源確保にも影響を与えました。というのも、セネガルの村の農業は井戸を主な水源としています。この井戸にどれだけ水が溜まるかというのが、農業を成功させるカギとなるのです。

さて、この「水」ですが、いったいどこから来るのでしょうか?

セネガルの信仰深い人であれば「神からの恵み」と言うかもしれません。たしかに、セネガル人の前でそれは否めません。ただ、シンプルに理科の知識で考えると、水は循環していると言えます。そして、地表を潤す水は、空から雨として降ってくるのです。

単純には、この水をどれだけ地中に蓄えられるかがポイントになります。なぜなら、地表に降ってきた水はその後、川に合流して海に流れていくか、蒸発または蒸散によって空気中に放出されるか、地中に浸み込んで地下水となるかのいずれかですので、地中に浸み込む量が多くなれば良いのですね。

ムラのミライのセネガル研修では、そういった水の動きや土の役割を説明しながら、村の現状を村人とともに歩いてたしかめていきました。そうすると、雨水の多くが地中に浸み込まないで流れ、あるいは蒸発してしまっている状況が見えてきました。これは地表に草木がなく大地が剥き出しになっていたり、土が長い間かけて劣化したりした結果だということを説明しながら、研修生の村人と気づきを共有していきます。

ここで気づいたこと、理解したことを研修生たちが自分たちの畑で実践していました。

それまでは刈っていた雑草を刈らずに土の保水性を上げようとした人、小さな土手を作って流水を食い止めようとした人、そして、水やりの水が蒸発しにくいように藁で地表を覆いながら栽培をしている人。少しずつですが、新しいことに挑戦したり、栽培の方法を少しずつかえたりして、研修で理解したことを自分のものにしようとする研修生たちの姿がありました。


私たちはその他にも、研修生がしている栽培状況を把握するための収支計算や、収支計算に必要な畑の測量、病気や不作を防ぐため植物の科の知識、土の栄養素の知識について、研修生たちがしてきたことを振り返りながら確認しました。

このようなこと総合的に考えることができれば、自分の畑の状況を把握することができる。把握ができれば、どれだけの収穫量を得るためにどれだけの投資をすべきか、計画することができる。計画ができれば、自分たちの生活を回していくための見通しができる。見通しができればたくさんの選択肢が生まれる・・・

自分の現状に気づくことが、自分たちの生活ひいては子供たちの生活、そして「村の未来」を作っていく大きな可能性を持っています。

研修を受けたある村人が言いました。
「いままでは市場の価格に左右されて栽培する作物を決めていました。でも研修を受けてからは、自分の畑でよく育つものを考えて計画をした作物を栽培しています」

自分の畑を知ることは、主体性を生み出す。

ムラのミライはこうした主体性を引き出すことを、小さな気づきをもたらすところから始めます。
いつかこの気づきが、時代を先見する大きな動きになっていくことを信じて。

今後も日本のみなさんとセネガルでの体験を分かち合いながら、双方向の気づきが生まれることを願っています。


(セネガル事務所 菊地綾乃)


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2019年11月20日水曜日

アフリカ発祥オクラとスープカンジャ

アッサラームアライクム!(こんにちは!)
※セネガルはイスラム教の方が多い国です

日本でも食べられているオクラ、実はアフリカが原産らしいです。
日本から13,682km離れたセネガルではどうやって食べられているかご紹介します。
セネガルで多く話されているウォロフ語でオクラはkanja(カンジャ)といいます。

みんな大好きSoupkanja(スープカンジャ)


魚介の出汁が効いたオクラのネバネバ料理。ご飯にかけて頂きます。
味に深みがあって美味しく、日本人の舌にも合う味です。

材料:オクラ、オクラパウダー、玉ねぎ、ピーマン、苦ナス、生の魚、にんにく、干した魚、塩漬けした魚、干した貝、発行させた豆、エビパウダー、唐辛子、ブイヨン、パーム油

作り方
1.オクラを薄く切って杵と臼で潰します
2.切ったオクラ以外の材料を切り鍋に入れて煮込みます
3.3から魚のみ取り出して骨を取る
4.2に1の潰したオクラを入れて煮込む
5.最後にパーム油を入れて完成

大皿に盛ったご飯にかけて、みんなで食べます。

海に面し豊富に魚介が採れるセネガルと日本、干した魚を出汁に使うことや発酵させた豆を使うところが似ていて、日本人の味覚にも合うのかもしれません。
一方、乾燥地帯にあるセネガルは油を多く使った料理が多いと感じました。
料理にもその国の気候や環境が反映されていますね!

「農村部で採れた野菜がどのよう調理され、消費されているか観察する必要がある」と、ここ2週間完全セネガルご飯で生活していますが、いっこうに飽きが来ないほど美味しいです。(ただ食べたいだけでしょ?とは言ってはいけない)



(加藤愛子 ムラのミライ インターン)


ムラのミライの農業プロジェクト地で栽培されたオクラ



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2019年11月12日火曜日

“jamm”の国 セネガル

こんにちは!
ムラのミライでインターンをさせて頂いています、加藤愛子です。
セネガルで行われている農業プロジェクトの様子やセネガルの様子を発信していきます!

私がセネガルに来てまず一番印象的だったことは、とにかく“jamm=平和・安らぎ”が大切なこと。
現地のウォロフ語を覚える中で一番最初に覚えたことは、”jamm”がたくさん出てくる長い挨拶でした。
よくあるウォロフ語の挨拶を紹介します。

Nanga def?ナンガ デフ?(どうしてる?) 
Mangi fii rekkマンギ フィ レック(元気だよ)
Yangi noos? ヤンギ ノース?(生活は順調?)
Mangi noosマンギ ノース(順調だよ)
Mbaa yaangi ci jamm? ンバー ヤーンギ チ ジャム?(生活は平穏ですか?)
Mangi ci Jammマンギ チ ジャム(平和です)
Sa yaram jamm? サ ヤラム ジャム?(体の調子はどぉ?)
Jamm rekkジャム レック(好調です)
Yendul ak jamm! イェンドゥル アク ジャム(よい1日を平和とともに)

とにかく、みんなが平和でいる(jammである)ことを確認し、願います。



初日にも、「ここではみんなお互いにリスペクトはあるけど、ヒエラルキー(上下関係)はないんだ。だからリラックスしてハッピーに過ごしてね!」「セネガルではみんな笑顔なんだ。だから君も笑顔で過ごせますように」と言われたことに感激しました。
そして言葉からだけでなく、彼らの屈託のない笑顔からもそれは伝わってきます。
セネガルの雰囲気に身を委ねて心はゆるゆるとリラックスしていきました。

毎日の挨拶から平和を意味する”jamm”を口にすることで、セネガルの方の意識の中に“平穏”であることが根付いているなぁと実感した最初の1週間。
この先も素敵な滞在になること間違いなしです!

(加藤愛子 ムラのミライ インターン)





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2019年11月5日火曜日

異文化交流のシンプルな方法って…

去年の夏から冬まで、アメリカ東海岸沿いのニューヨーク州に留学していました。
寮の2人部屋に暮らしており、アメリカ人のルームメイトがいました。(彼女のことをRとします)
始めの一ヶ月ほど、私は人とうまく英語での会話のキャッチボールが出来ず、授業の課題も忙しく、Rともほぼ話せ(
話し)ませんでした。

架空のルームメイト像

私は、そのとき「言葉」を使わず「視覚」で彼女を判断していました。
はじめて一緒の部屋に暮らすアメリカ人。
始めこそ、よくパーティーに行き夜中に帰ってきたり、部屋でスマホを触っている顔がなんだか怖かったりして(美人さんだったので・・・笑)
、「私とは話したがらないのかも」と、架空の彼女の像を抱いてしまっていました。

シンプルに、でも詳しく

私が徐々に会話に慣れるにつれ、Rと2人で話す機会が増えました。
私の英語は完璧ではなく、聞き落とす情報も、知らないことも沢山あります。
完璧ではないからこそ、会話はとてもシンプルかつ、詳しく聞こうとするものでした。
Rが「明日プレゼンをするの」と言えば、「何について?一人?」「いつからそれを学んでたの?」という風に。

時間が経つにつれ、今まで知らなかったRのたくさんの顔を知ることができました。
家族思いで、とても面倒見がよく
(助けられてばかりでした)、勉強熱心。
R自身、他国で生まれアメリカに来た背景があり、移民問題を熟知し、主観的に考えていました。
「無知でいることが耐えられない」Rの学ぶ姿勢にはいつも刺激を受けました。

留学先 紅葉のキャンパス

私も怖かった

私はあるときRに、「始めの頃、全てのことに緊張していて、あなたともあまり話さなかったけれど、それを後悔している」と言いました。
「私も怖かった」とRは答えました。
視界が開けた気持ちでした。
私は、自分だけが異文化に囲まれて緊張しているという思い込みをしていたのです。
実際はRも、英語が完璧ではない日本人とルームメイトになり、不安を抱いていたのに。
私はRと対話しようとせず、私だけが、自分のことをRより劣等な立場にあると、知らず知らずにみなしていたのです。

対話のもたらすもの

私が留学で得た、最も価値あることの一つが、対話することの可能性です。
自分と向き合い、相手の立場に立ち、会話することで、私はたくさんの自分の思い込みに気づきました。
異文化交流は難解に思えるけれど、シンプルに、相手を知るためにたくさん会話をして、また自分を伝える努力ということだと気づきました。



(笠見 友香 ムラのミライインターン)




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2019年10月12日土曜日

地域で助け合う、子育ての輪_第6話_産前産後のカップルに届けたい「パートナーシップ講座」

 【記録】産前産後のカップルに届けたい「パートナーシップ講座」(プロジェクトの記録 第6話)

In 608プロジェクト通信 西宮「地域で助け合う、子育ての輪」 by master2019年10月12日

「西宮で広げる、地域で助け合う 子育ての輪プロジェクト」の記録

第6話(2019年11月12日号)産前産後のカップルに届けたい「パートナーシップ講座」

執筆=原康子 ムラのミライ研修事業チーフ

10月の度重なる災害により亡くなられた方々のご冥福をお祈りしますととともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。避難所や被災したご自宅で、小さなお子さんと一緒にご苦労されている方々がまだまだいらっしゃるかと思います。一日も早く、おだやかな生活がもどってくることを願ってやみません。
第6話で、皆さんにご報告するのは、産前産後のカップルを対象にした「パートナーシップと子育てのよい関係」講座(以下略「パートナーシップ講座」)についてです。

目次

「アウェイ育児」と西宮プロジェクト
「パートナーシップ講座」で伝えたいこと
「夫婦だけで産後を乗り切らなくていい方法」有ります
パートナーシップ講座の課題

「アウェイ育児」と西宮プロジェクト

ところで「アウェイ育児」というのをご存じの方はいらっしゃいますか?『見知らぬ土地への転勤と激務で帰らぬ夫「アウェイ育児」に苦しむ妻』というネット記事によれば、「自分の育った市町村以外で子どもを育てること」だそうです。
*記事 11月5日付Yahoo!ニュース特集 取材:伊澤理江

この記事に登場する薫さん(30代・仮名)は、おそらく西宮市(もしくはその近郊)に夫の転勤で暮らすようになった女性です。2017年8月、全然泣き止まない生後6か月の息子さんを「もう、いい加減にして!」と叫びながら、1メートルほどの高さから薄い肌掛け布団めがけて投げつけてしまったそうです。

“見知らぬ土地での慣れない子育て。夫は激務で帰りが遅く、頼れる知人もいない。「アウェイ育児」に追い込まれた末のことだった”とこの記事は始まります。


もうすこし記事のご紹介を続けます。夫の転勤で引っ越してから、息子さんと二人だけで過ごす日々が続き、だんだん薫さんは育児ノイローゼになっていきます。6ヵ月健診、小児科、託児所などで、薫さんは何度も「このままでは息子を傷つけてしまう、誰か助けて」というSOSを発しますが、適切な支援には結びつかず、1年後にこの「赤ちゃん投げつけ事件」が起きました。

幸い、薫さんは、やっとのことでたどり着いたとある児童館で支援を受けることができ、今では保育園に子どもを預けながら働いているそうです。

復職後の薫さんの次の二つのコメントが印象的でした。一つ目は、“出産前には赤ちゃんのお風呂の入れ方やマタニティーヨガではなく、出産後にはこんな過酷な日々が待ち受けている、って教えてもらいたかった。泣きやまない子もいるんだよ、って。本やネットの情報に振り回されて比較しちゃいけない、って”。

二つ目は、 “仕事で帰れなかった夫に対しては、今も恨んでいます(中略)あの一番苦しいとき、家に帰ってきて助けてほしかった。あの恨みは一生消えないと思います”。
児童館で支援を受ける前の薫さんのような女性はまだまだたくさん西宮やその他の地域にいて、今この時も苦しんでいるかと思うと胸が痛みます。西宮プロジェクトは、薫さんのような女性を一人でも減らし、「大丈夫、大丈夫」と声をかけ合いながら、ご近所さん同士で子育て仲間を増やしていくプロジェクトなのだと改めてその重要性を実感しました。

今回、ご紹介する産前産後のカップルを対象にした「パートナーシップ講座」は、まさにこの記事に登場する薫さんとそのパートナーのような方たちに、産前や産後に参加してほしい講座です。もし、薫さんとそのパートナーがこの講座に参加していたら、赤ちゃんの世話が一番大変な時期を夫婦で一緒に、ときにはご近所さんの助けも借りて、乗り越えることが出来たのではないか、パートナーに対して「あの恨みは一生消えない」と言わなくても済んだのではないか、と思うのです。

まずは「パートナーシップ講座」とはどんな講座なのか、プロジェクト開始時からの経過と今年度の講座についてお伝えします。

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「パートナーシップ講座」で伝えたいこと

西宮プロジェクトの初年度(2018年度)は、妊娠中から出産後(6カ月くらい)のご家族、延べ33名に計3回のパートナーシップ講座にご参加いただきました。西宮市在住の助産師やア・リトルのメンバーのヨガインストラクターゆうこさんとやよいさんが講師となり、夫婦で一緒にバースプランを作ったり、産後のバースレビューをすることが主なテーマでした。

参加者からは
「パートナーの本音が聞けた」
「産後のよその家族のことがわかった」
「講座参加後に家庭で夫婦の会話が増えた」
「2人だけでは行き詰っていたことが解決できた」
とのお声をいただきました。


3回の講座を通じて、産前産後の夫婦の実情も見えてきました。それは、出産や産後の生活に関して夫婦間で情報格差が大きいこと(情報収集や準備の負担が妊婦に偏る)、産後をパートナーと二人だけで(プラス遠方に暮らす実母)乗り切ろうとしていることなどが明らかになりました。

そこで、本連載第4回でお伝えした調査結果も踏まえ、2019年度は産前のカップルには「産前産後を夫婦だけで乗り切ろうとしないこと、そのために産前から出来る準備は何があるか」ということを考えるワークを行うことになりました。 産後のカップルには「赤ちゃん中心の生活から立ち止まって、夫婦でゆっくり今の暮らしや夫婦関係を振り返る時間を持つこと」を講座の内容に含めました
産前、産後の講座共に一回3時間ですが、産後の講座では、同じ会場内の別室で託児を行います。この託児担当も西宮市内に住んでいる方たちです。

さてここでは、産前の講座のトピックについて、その資料も踏まえながらご紹介しましょう。

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「夫婦だけで産後を乗り切らなくていい方法」有ります

2019年度のパートナーシップ講座の講師はア・リトルのメンバーです。 写真はア・リトルのオリジナル教材、「産前産後リアル!事件簿ファイル」です。

前述の2018年度の講座参加者のコメントにあるように、なかなか他の家庭の産後の実情はわかりません。そこで2019年の講座では、ア・リトルのメンバー4人が自らの妊娠、出産、産後のことを
①妊娠中(初期、安定期、後期)
②出産(分娩前後の入院期間)
③産後1(退院から1カ月間)
④産後2(産後2カ月から1年)
に分けて、どんな出来事があったのか、そのときどんな気持ちだったのかをまとめたものを事件簿ファイルとして、講座の資料にしました。


4人とも全く異なる妊娠、出産、産後を過ごしているのが分かります。この教材を元に、参加者は4人から直接、それぞれの妊娠中から産後1年の間に実際に起きたことを聞きます。4人のなかには、実際に西宮で妊娠、出産を経験したばかりのメンバーもいました。

西宮で利用できる公的機関や民間団体の産後のサポートを総動員し、産後1カ月の産褥期にしっかり体を休めることができた、というア・リトルのメンバーの話は、出産後の子育てを西宮で予定しているカップルにはとても実践的です。参加者に産後のイメージを具体的にもってもらうことが出来たら、続いて夫婦でバースプランを作る時間が始まります。

出産はひとりひとり異なるものですが、産前から準備できることには共通のものがかなりあります。
このスコア表では「今できている準備」と「できていない準備」が一目で分かるようになっています。たとえこの講座を受けた時点で、とても低い点数だったとしても(例:ベビー用品をそろえただけの準備状態)、大丈夫です。なぜなら、出産までに出来る準備を夫婦で話し合い、「準備することリスト」の欄を一緒に埋めていけば、出産予定日1カ月前にもう一度、スコア表をつけてみたとき、必ず高得点になっているからです。高得点ということはそれだけ、産後の暮らしを夫婦や家族だけでなく、様々なサポートしてもらう体制が出来ている、ということになります。


2019年度の産前と産後の講座のご報告は、ア・リトルのサイトからご覧いただけます。

ア・リトルが西宮市と共催するイベント、「もうひとつの両親学級(2019年11月30日)」では、このア・リトルならではのスコア表の短縮バージョンを使った「バースプラン」のワークショップを行います。
*あと少し残席がありますので、ご参加をご希望される方は、リンク先からお申込みください。

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パートナーシップ講座の課題

この「もうひとつの両親学級」は、2018年度から続けてきた西宮プロジェクトの実績が西宮市に認められ、初めて同市との共催で実施することが出来た講座で、ア・リトルとムラのミライだけで情報発信していたときの何倍、何十倍の人たちに講座のご案内ができることになりました。一組でも多くの産前のカップルにこの講座を知っていただき、最初にご紹介した記事の薫さんのように一人で、そして夫婦二人だけで子育てに悩むことが減っていけばと、願っています。

一方で、「パートナーシップ講座」は、なかなか産前のカップルに開催についての情報をお届けできていないのが現状で、毎回参加者集めに苦労しています。今年はあと2回講座を予定していますし(参加お申込みはページ文末のフォームから)、2020年度も継続してゆく予定です。

あなたの近くにたくさん隠れている第2、第3の薫さんに「産前産後に一人で、夫婦だけで、悩まなくてもいいですよ。西宮には、あなたとあなたの家族と一緒に、ときには笑ったり、ときには泣いたりして子育てをしたい、という人がいますよ」ということを伝えるために記事&講座案内シェア、大歓迎です。


*バースプランとは:お産の計画や要望のこと。妊婦とそのパートナーが希望する出産の計画をたて、妊娠から産後の生活までを夫婦で話し合う材料とする
*バースレビューとは:出産体験を振り返ること。自分の出産体験を自由に語ってもらい、傾聴を基本的姿勢として受け止めていく援助のひとつ

2019年度のスケジュール

【産前講座】 2020年2/29(土)
【産後講座】 2020年3/7(日)
【申し込み先】フォームにご記入ください。


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プロジェクト通信 第1話へ
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2019年9月26日木曜日

地域で助け合う、子育ての輪_第5話_1.5kmの助け合いの輪を実現する「地域子育てサポーター養成講座」

【記録】1.5kmの助け合いの輪を実現する「地域子育てサポーター養成講座」(プロジェクトの記録 第5話)

In 608プロジェクト通信 西宮「地域で助け合う、子育ての輪」 by master2019年9月26日

「西宮で広げる、地域で助け合う 子育ての輪プロジェクト」の記録

第5話(2019年9月26日号)1.5kmの助け合いの輪を実現する「地域子育てサポーター養成講座」

執筆=山岡美翔 ムラのミライ理事

今年の夏は猛暑となりましたが、みなさんお変わりなかったでしょうか。ようやくクーラーをつけなくても快適な気温になり、子ども園からの帰り道で、娘と小さな秋を探すのが楽しみです。
ア・リトルとムラのミライは、第4話でご紹介した子育て実態調査の結果から得られた学びを2019年度の活動に反映させました。それは自宅から半径1.5キロ圏内のつながりを作ってゆけるような仕組みを生み出す講座や取り組みです。
例えば、産前産後のカップルを対象にしたパートナーシップ講座、そして地域子育てサポーター養成連続講座、そしてその両方の講座参加者をつなぐ「ファミリースタート」という産前・産後の方のご家庭を訪問する活動です。

目次

子育て中の「SOS」を受け止められる人を増やすために
地域子育てサポーターとは、「助けて」と言える人
「一日、一つ助けてもらう練習」
「助けて」と言う練習が、「向き合う」余裕に繋がる
1.5kmの助け合いの輪を実現する知識と技術が詰まった講座
産後の実態とサポートの使い方
家事・子育ては家族だけでは、何とかならない
妊娠から、出産、子育てを伴走するために
頑張りすぎない暮らしは、今の暮らしにもとづくケアプランづくりから
自分のことは後回しになるからこそ、わたしの暮らしに寄り添う人を増やしたい
受講生のこれから
*2018年度プレ講座の詳しい内容はこちらから
*2019年7月講座の詳しい実施報告はこちらから
*2020年2月に実施する地域子育てサポーター養成講座へのお申し込みはこちらから

子育て中の「SOS」を受け止められる人を増やすために

2018年度の調査で得た子育て中の「助けて」の声を受け止め、具体的に産前産後の家庭をサポートできる人材を養成したいと、2018年度から「地域子育てサポーター養成講座」を試験的に始めました。
8回連続講座として実施したプレ講座に、地域活動に興味がある方のほか、家族や友人の力になりたい方、ご自身のために産前産後に関わる知識を深めたい方など延べ138名が参加しました。

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地域子育てサポーターとは、「助けて」と言える人

プレ講座では、各講座の終わりに講師と参加者で「地域子育てサポーター」とはどんな人かを考えました。
その答えに共通していたのは、地域子育てサポーターとはただ助けるだけではなく、「助けられる」ことも快く受け入れられる人であること。
なぜなら、助けられることで助けられる側の気持ちを理解でき、また自分の暮らしにも余裕が持てるからです。
そうは言っても、私は家族にすら「助けて」というのが苦手です。

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「一日、一つ助けてもらう練習」

プレ講座全8回終了後のミーティングでは、a little(ア・リトル)のようこさん、ゆうこさん、きょうこさん、原も、実は自分が助けられることにハードルを感じるという話になり、ある約束をしました。
それは、『一日、一つ誰かに助けてもらう練習』をすることです。
家族や友人にちょっとしたことでも「助けて」と言う練習をすると、助けられる成功体験を積む(時には断られてもそれが断られる練習にもなる)ことができ、本当に余裕がない時にも「助けてもらう」ハードルを下げることができます。




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「助けて」と言う練習が、「向き合う」余裕に繋がる

おかげで私は、平日はいつも私が担当していた食後のお皿洗い(自分がやらなきゃ子どもの寝る時間が遅くなる~と頑張りすぎていた)や、週末の子どもとのお出かけ(休日だから、子どもとは一緒にいなきゃ~とこれまた頑張りすぎていた)も、月に数回は家族に任せられるようになりました。
小さなことですが、この一つ一つの積み重ねが、暮らしの余裕に繋がり、近くで困っている人、友人や家族、そして自分自身と向き合う時間をつくっていることを実感しています。

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1.5Kmの助け合いの輪を実現する知識と技術が詰まった講座

2019年度は7月と2月に地域子育てサポーター養成講座を行います。
7月の4回連続講座の参加者は延べ53名。
参加者は西宮市在住の2歳のお子さんを育てている方、子育てがひと段落した方、ご自身も産後に孤独な経験をされた方などでした。


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産後の実態とサポートの使い方

昨年の調査で、『多くの人が、子育て支援サービスについて知っていても、活用していない』という実態が明らかになったことを受けて、7月の連続講座の一つに、西宮市や民間団体が提供する子育て支援サービスの活用方法と産後のケアプラン作りに特化した新しい講座を加えました。
講師は、a little(ア・リトル)で家事サポートスタッフとして家事・子育て支援経験が豊富で、昨年から地域子育てサポーター養成講座のディレクターを担当しているきょうこさんです。

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家事・子育ては家族だけでは、何とかならない

きょうこさんの講座では、子育てを『夫婦や家族だけで何とかしようとしている』実態を明らかにした調査結果の共有がありました。
私もa little(ア・リトル)のみなさんと出会うまでは、子育てや家事を家族以外の人とシェアするという発想がまるでなかったことを思い出しました。
実際、私が子育て支援として利用したことがあるのは、サークル活動や相談支援といった支援だけです。


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妊娠、出産、子育てを伴走する

介護分野ではケアプランづくりが支援の前提となる一方、子育て支援を行う際には、1人ひとりの生活に基づくケアプランがありません。私も復職してから、家族では手一杯になり、行政サービスの利用を試みたことがありますが、一回、一回の手続きが煩雑で利用を断念しました。だからこそ今年度の講座では、妊娠期から一人ひとりの状況に合わせたケアプランづくりができる人材を育成するプログラムになっています。

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頑張りすぎない暮らしは、今の暮らしにもとづくケアプランづくりから

きょうこさんの講座の最後には、スタッフが妊婦役、参加者がケアマネージャー役となり、妊娠の状況や今の暮らしを聞き、いつ、どのような外部サポートを利用すれば産後1カ月、赤ちゃんのお世話と自分の養生に集中できるかといった情報提供を行いながら、ケアプランを作成しました。

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自分のことは後回しになるからこそ、わたしの暮らしに寄り添う人を増やしたい

このケアプランづくりが、ちょうど今第二子を妊娠している私にとっては、第一子のときのように誰にも「助けて」と言えず、しんどい産後を過ごさないための情報収集を始めるきっかけになりました。そんなとき、a little(ア・リトル)のゆうこさんから「一緒に産後ケアプランづくりをしませんか」と嬉しいお誘いがありました。今の私がそうであるように、産前は、赤ちゃんがただ無事に生まれてくれればいいという思いで過ごしていて、自分のことは後回しになります。産後も子どもの生活が優先になり、自分の暮らしを振り返る時間を持つにはエネルギーがいります。
でも、もし1.5kmという身近なところに、自分の暮らしに寄り添い、一緒に頑張りすぎない暮らしを考えてくれる人がいたら。そんな人を養成できるプログラムがまずは西宮から、そしてこの通信を読んで下さっている皆さんの地域でも、広がっていくようプロジェクトを進めています。


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受講生のこれから

8月には、実地研修として連続受講者の自宅で家事サポート実地研修を実施。9月からはいよいよ産前産後から子育て中のお宅に、訪問ボランティアや家事サポートスタッフとしての活動を開始する予定です。活動の様子については、また冬頃にご報告します。


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プロジェクト通信 第1話へ
プロジェクト通信 第2話へ
プロジェクト通信 第3話へ
プロジェクト通信 第4話へ
プロジェクト概要へ

*2019年講座の詳しい実施報告は以下講座タイトルをクリックいただくと、a little(ア・リトル)のホームページからお読みいただけます。
1)産前産後ケアと赤ちゃんの発達講座 (森田輝・助産師)
2)シンプルな質問で身につくわかりあう対話術(山岡美翔・ムラのミライ)
3)産前産後の行政・民間サービスと実際の現場の様子について(坂本恭子・a little)
4)産前産後の女性の心の変化(藤澤真理・臨床心理士)
*2020年2月に実施する地域子育てサポーター養成講座へのお申し込みはこちらから

2019年9月20日金曜日

モノを入り口に、相手を知る

ある日の研修会場。
参加者同士で自己紹介も済ませ、最初の1時間半ほどが終わり、休憩時間となりました。
トイレに行って、席に戻ってきて、ちょっと手持無沙汰です。
隣の席のAさんに何か話しかけようかな・・・と、ふと見ると、Aさんの座っている机の上には、研修資料の他に、ペンケースと眼鏡ケースが出してあります。素材は異なりますが、どちらも色は赤だと気づきました。

私        ペンケースもメガネケースも赤なんですね。赤が好きなんですか?
Aさん    うーん、特に赤が好きということはないですね・・・
私        ・・・あ、そうなんですね・・・
(沈黙)

「二つも赤いグッズを持っているから、赤が好きなのに違いない」「持ち物を選ぶ時に、好みを優先して選ぶに違いない」という、私の思い込みが反映された質問です。結果、それらの思い込みは当たっておらず、どうも話は弾まずに終わってしまいました。

では、事実質問を使って「経緯を時系列でさかのぼる」ことをしてみましょう。

私        ペンケースもメガネケースも赤なんですね。このペンケースは、ご自身で買われたんですか?
Aさん    いえ、これは2年ほど前にプレゼントでもらったんです。
私        そうですか。

まずペンケースに対象を絞って、そのペンケースがAさんの元にやってきた経緯を聞きました。
そうすると、プレゼントでもらったという事実が出てきました。
いつ誰にプレゼントされたのかを聞いて行ってもいいですが、ここではまず、「Aさんのペンケースの歴史」の方を聞いてみることにします。

私        そうですか。その前は、別のペンケースをお使いでしたか?
Aさん    はい、十年以上、黒の革のペンケースを・・・結構良いやつです。それは今も自宅にあります。
(あ、という表情になって)そうそう、黒の方はとても気に入ってるんですけど、これ(赤いペンケース)をもらった時「せっかく頂いたんだし・・・」と思って、外出する時に一度使ってみたんです。
そしたら、カバンから取り出すとき、赤が目立って取り出しやすいなってことに気づいて・・・それ以来、意識して赤い小物をいくつか買いました。
このメガネケースもそうなんですよ・・・

「取り出しやすい色か~なるほどね!」と、自分も使えそうな知恵を手に入れることができました。

モノを入り口にして事実質問をする時、何度も買い替えてきた可能性がありそうなモノの場合は、この事例のように「今のコレ、の前に使っていたモノ」についても聞いてみます。
眼鏡、名刺入れ、ランニングシューズ、パソコンなど・・・替えることを検討し始めた時、決断した時、購入した(もらった/支給された)時、使い始めた時・・・それぞれ、いつ、誰と(どこで)、何を検討材料としたのか、あるいは替えることを余儀なくされたのか・・・使うモノを替えた時に、相手がどんな物事に影響されて、何を考えて替えたのか。
相手自身も忘れていたような、その人なりの工夫や発見を思い出すことにつながると楽しいですね。

(宮下和佳 ムラのミライ専務理事)


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